今 週 の レ シ ピ |
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・ベーシッククラス(10月第1週)のメニューより●茶碗蒸し 130kcal. 塩分1.5g
[材料] -6人分-
・鶏肉 100g ◎A 醤油 小さじ1 酒 小さじ1 ・かまぼこ 1/3丁 ・干し椎茸(しいたけ) 3枚 ・ほうれん草 1/3束 ◎卵汁 卵 4個 ○B 一番出汁(いちばんだし) 2.5カップ 酒 大さじ1 1/2 砂糖 大さじ1/2 醤油 大さじ1 塩 小さじ1
[作り方]
- 鶏肉…小さめのそぎ切りにし、Aで下味をつける。
かまぼこ…1.5〜2a角に切る。
干し椎茸…水でもどして、小さめのそぎ切りにする。
ほうれん草…茹(ゆ)でて、4a長さに切る。- 割りほぐした卵にBを加えて混ぜ、布巾でこす。
- 蒸し茶碗に1の材料を入れ、2の卵汁をはる。
- 蒸気のよく上がった蒸し器に入れ、2〜3分強火で蒸し、表面が白っぽく変わったら弱火にし、13〜15分で蒸し上げる。
ポイントはここ
- 鶏肉は胸肉かささみを小さめのそぎ切りにし、醤油・酒にまぶして10〜15分おきます。
- かまぼこは表面が赤いものを用意し、1.5a角位に切ります。5_厚さ位の輪切りの鳴戸もよいでしょう。
- 干し椎茸は水で充分もどし、小さめのそぎ切りにします。
- ほうれん草は茹でて、4a長さ位に切り、よく水気を切ります。
- 蒸し茶碗の中央にほうれん草をたて、そのまわりに鶏肉・かまぼこ・椎茸をおいてください。
卵に出汁と調味料を入れる 布巾でこす
- 卵4個を直径20〜24aのボールに割り、箸(はし)でよくほぐします。黄身と白身をよく混ぜますが、泡だてないようにします。
- 卵とおなじくらいのボールに、一番出汁と調味料を合わせ、調味料を完全に溶かしておきます。
- 卵の中に出汁と調味料の液を加え、よく混ぜ、布巾でこします。卵4個にはカラザ(卵黄の両端にある白色不透明の糸状のもの。卵白の中で卵黄を一定の位置にささえている)が8個あります。これを取り除かずに蒸しますと、表面に浮いて白く固まってしまいます。かならず布巾でこしとってください。こしていくと、最後にヌルヌルしたものが出てきますが、これは白身です。全部こしてください。布巾でこす理由はもうひとつ、卵と出汁、調味料を均一に混ぜるためでもあります。
- 具の入った蒸し茶碗に、卵汁をそっと注ぎ入れます。
- かならずよく蒸気の上がっている蒸し器に、ふたをしないで蒸し茶碗を入れます。
卵汁の温度にもよりますが、2〜3分はまず強い蒸気で蒸します。茶碗と卵汁の温度が上がり、まず表面だけが、仕上がった状態の白い色になります。そのあとは弱火にし、弱い蒸気で13〜15分蒸します。竹串でさして、中から澄んだ汁が出てきたら仕上がりです。
蒸し始めは強火で 表面が固まったら弱火に
ちょっと一言
- 茶碗蒸しは、献立の中で「吸い物代わり」です。したがって、卵汁には一番出汁を使います。具は、椀種(わんだね)になるものはたいてい使えます。それぞれの素材にあった下ごしらえをしてください。
- 卵汁の卵より一番出汁が多いほうが、やわらかくなめらかに仕上がります。ここに掲載した「茶碗蒸し」は、卵の2倍の一番出汁です。
- 蒸すときは、ひとつひとつの蒸し茶碗にふたをしないほうがよいでしょう。蒸気がよくあたり早く蒸せますし、蒸し加減がよくわかります。
- 皆さんは、どんな蒸し器を使ってますか? 私は、蒸し物はほとんど中国式の竹製の蒸し器「蒸籠」(チョンロン)を使っています。竹のわずかな隙間から、余分な蒸気が外に出て行きますので、蒸気が水滴となって、蒸しているものに落ちることはありません。もし金属製の蒸し器を使う場合は、水滴を防ぐために蒸し器のふたに厚手のタオルを巻いておくと、タオルが蒸気を吸ってくれます。
しつこいようですが…
- 「卵豆腐」や「茶碗蒸し」は、火加減がむずかしいという方が多いのですが、「大胆にそして慎重に」がポイントです。「スがたつ」(卵汁の中の水分が、強火で蒸すことで蒸発して穴があいてしまう)のを恐がって、最初から弱火で蒸してしまいがちです。
以前に、「1時間たっているのにまだ固まらない」と、なかば泣き声の電話がありました。「お客さまが帰ってしまいそう…」と。まず、強い蒸気で蒸し茶碗の温度が上がり、さらに卵汁の温度も上がります。卵は卵黄67℃、卵白80℃で固まりますので、80℃の温度があれば充分です。
まず、その温度まで持っていきます。その時間はいろいろな条件(卵汁の温度、気温、熱源のカロリーなど)でちがいますが、だいたい2〜3分位でしょう。卵汁の色が仕上がったようになったら、弱火にします。ただし、蒸気が上がるだけの熱は必要です。あまり弱火にすると、蒸気が出ないで温度が下がり、結果、いつまでも固まらないことになってしまいます。最初の「大胆さ」が成功すると、「弱火10分」で仕上げることができます。
≪組み合わせメニュー≫
◎吹き寄せ揚げ
◎きのこのおろし和(あ)え
◎五目煮豆
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■新婚二題
- 新婚3ヶ月のA子さんから、次のようなコメントがありました。
「外食はなるべくさけて、できるだけ手料理を出すように心がけています。彼、なんでも、おいしい!とほめてくれます。そして、ときどき、"大丈夫!"と言う時があるんです。わたし、まだまだ腕に自信がないので、うまく作れないことがしょっちゅうですから、そんな時、大丈夫だよ、と言ってくれると、とってもうれしいんです。わたしを慰めてくれているんだと。ところがそうじゃないんです。わたしを傷付けまい、失望させないように言ってくれているのではありません。実は彼、自分の嫌いな食べ物が出た時に、"大丈夫、食べられる、食べてみせる、食べなきゃ"、そう自分に言い聞かせながら自分で自分を励ましていただけなんですって。わたしのためを思って言ってくれていたわけではなかったのです。それがわかったのは最近です。付き合っていた頃は、まったく好き嫌いのない人だとばかり思っていたのに、タクモー。だんだん"正体"が見えてきました」そうは言いながら、A子さんはちっとも怒った様子はありません。新婚さん特有のノロケと解釈したほうがよさそうです。そうですA子さん、大丈夫よ。嫌いな食べ物でも、目をつむって(かどうかはわかりませんが)ガマンして食べてくれているということは、またとないチャンスです。ホンワカムードの今のうちに、面と向かってノーと言えない今だから、新妻に優しい今こそ、この時とばかり嫌いなものをせっせと作ってどんどん食べさせましょう。好きにさせればいいのです。ほんとうに好き嫌いをなくすことができますよ。チャンスよ、がんばって。
ひとつだけ注意があります。「嫌い」を直すことにばかり気をとられていると、もう一方の「好き」を見落としがちです。うまいよ、おいしいよのことばにのせられて、あまり頻繁におなじ料理を作らないことです。好きだから、おいしいからと食べすぎると偏ってしまいます。「好き」もすぎると、リッパな偏食です。気を付けましょう。
- 結婚1年のB子さんです。メールで感想を入れてきました。
「早いもので1年たちました。思うようにできず失敗の連続です。料理ってホントむずかしいですね。そろそろ、愛のスパイスも効き目がなくなってきたようです」。
"悲痛な叫び"のようにも聞こえますが、これも愛情表現のひとつでしょう。おいしいものを、もっともっと食べさせてあげたいという気持ちがアリアリです。「愛のスパイス」とは、ごちそうさまです。愛情でなんとか1年もったけれど、そろそろ限界ということですね。正直でよろしい(笑)。
B子さん夫婦は共働きです。しかも、公務員のご主人は相当に料理上手、よく作ってくれるそうです。2年目コースを終えた彼女ですが、それでも敵わないと嘆きつつ、内心ではライバル意識を燃やしているようです。過去のメールをみても、「最近は料理に行き詰まってワンパターンになってしまっています」とか、「もう一度、一年目の基礎コースを復習しようと思います」とか、反省やら向上心の背後につねにご主人の影がちらついて、B子さんがそそぐ以上にご主人の彼女への愛情の深さを感じます。B子さんに感心するのは、初心に還ろうとするところです。パターンをかえたり、目新しいことをしようとするには、しっかりした土台が前提です。基礎のうえに立った積み重ねがさまざまな工夫を生みます。行き詰まったら元の場所に引き返す。これがいちばんでしょう。それを"後退"とは言いません。助走開始の起点に戻るということです。つぎのジャンプのために。
最近のメールで、「もうすぐママになれそうです」と言ってきました。おめでとうございます。「子供のためにも料理の腕を上げたいところです」とつけ加えてあります。ご主人との競合関係から、どうやらあらたな目標ができたようですね。日頃、お互いに切磋琢磨する間柄ですから、きっとご主人は家事だけでなく、育児へも積極的に参加・協力を惜しまないでしょう。「男女の役割分担」にとらわれない、リベラルな家庭が築けそうですね。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板 ichiban@kateiryouri.com
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