今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(11月第4週)のメニューより

●鶏肉のホイル焼き   106kcal.  塩分1.0g

鶏肉のホイル焼き [材料]  -6人分-

・鶏肉200g
  塩小さじ1/2
  胡椒(こしょう)少々
・玉葱(たまねぎ)中1個(150g)
・リンゴ(紅玉)1/2個
・生椎茸(なましいたけ)6枚
◎ソース
  トマトケチャップ1/2カップ
  水大さじ3
  固形スープの素1個
  塩/胡椒少々
・ホイル25a幅長さ20a 6枚

[作り方]

  1. 鶏肉は一口大(ひとくちだい)に切り、塩/胡椒で下味をつける。
  2. 玉葱(たまねぎ)は、薄切りにする。リンゴは八つ割りにして、銀杏(いちょう)切りにする。
    生椎茸(なましいたけ)は、薄切りにする。
  3. ソース用の調味料を鍋に合わせ、煮立てる。
  4. クッキングホイルの中央にバターをぬり、玉葱、鶏肉、生椎茸、リンゴの順にのせ、ソースをかけて包む。
  5. 200℃位のオーブンで10分位焼き、熱いところを供する。
ポイントはここ
  • 鶏肉は、胸肉なら3a角位のそぎ切り、もも肉なら厚みを半分にしてから2aの角切りにします。胸肉、もも肉とも皮もいっしょに切って使ってください。皮を入れると味に深み、コクが出ます。
  • 玉葱は、繊維(せんい)にそって2〜3_厚さの薄切りにしてください。生のままホイルに包みますので、あまり厚いと火が通りません。
  • リンゴは酸味のある「紅玉」をおすすめします。甘いだけのリンゴは、向かないと思います。
    「八つ割りにして」は、1個のリンゴを8等分ですから、半分のリンゴを4等分して、3_厚さの銀杏(いちょう)切りにしてください。
  • 生椎茸は、笠の部分は5_厚さのうす切りにします。茎の部分は輪切りの薄切りにしてください。
  • 直径15a位の鍋に、固形スープを細かく砕いたものと水を混ぜ、ケチャップを加え、煮立ててから味をみて、塩・胡椒で味をととのえます。
  • クッキングホイルの中央に、10a四方位バターを薄くぬります。サラダ油でもよいでしょう。

    玉葱と鶏肉 リンゴと椎茸 ソースをかける

  • まず、玉葱をおきます。肉をホイルに直接おいて、くっついてしまうとホイルが破れるもとになりがちです。玉葱の水分でそれを防ぎます。その上に肉、それから椎茸、リンゴとおき、上からソースを大さじ1位ずつかけます。 ホイルの包み方
  • ホイルの包み方は、中のソースがこぼれないようにきちんと閉じてください。でも食べるとき、開きやすいことも大切です。
  • 天板にならべて、高温200℃位のオーブンに入れ、10分位焼きます。オーブントースターの場合は、2分位庫内を熱してから入れて、7〜8分位で火が通ります。
  • 焼き上がったら、すぐ食卓に出し、熱々のところを食べるのが大切です。時間があるときにホイルに包んで用意しておいて、食事の直前に焼いてください。
ちょっと一言
  • ホイルにきちんと包むと、蒸し焼き状態になります。材料がやわらかい味わいに仕上がります。材料や味付けをいろいろ組み合わせると、さまざまな味がたのしめます。たとえば鶏肉、日本葱(にほんねぎ)、人参(にんじん)、キノコをみそ味で和風に仕上げてみては。鶏肉を鯖(さば)にかえると、ちょっと香ばしい鯖のみそ煮風にもなります。
  • 「生椎茸」のかわりに、いろいろなキノコを取り入れるのはいかがですか。一種類もいいし、数種類の組み合わせも試してみてください。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎キャベツとベーコンのスープ煮
    ◎ブロッコリーのサラダ
    ◎リンゴのクレープ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■過ぎたるは及ばざるが如し
  • 病院の栄養士さん、調理師さん20人ほどを対象にした「正月料理」の講習がありました。みなさんプロの方々ですから、それは手際よくテキパキとした包丁さばきや身のこなしですすんでいきました。講習の終わりごろです。何気なく目をやったゴミ入れに、ああっと思いました。大根の切れ端や芯、かつら剥きした残り、かんぴょうの余りなどが捨ててあったのです。少ない量ではありません。もったいない! それに、見ていると使用後の器具や道具も、超スピードでさっさっと洗い流します。じつに手慣れた感じです。でも、せっかくの鶏肉の蒸し汁が流れていってしまいました。これも、もったいない!

    メニューのひとつは「奉書巻き」です。生姜(しょうが)と鶏肉を大根のかつら剥きで巻いて、かんぴょうでしばったものですが、使った材料の残りが「残飯」として捨てられていました。大根の余りはみそ汁に、かんぴょうの使い残しは煮物に混ぜることができます。また、鶏もも肉を前菜として酒で蒸しましたが、その蒸し汁は煮物をはじめチャーハンやカレーライス、炊き込み御飯などのいい出汁(だし)になります。

    作業は効率が第一です。その人たちは毎日何十人、何百人の料理を作ります。そうした規模においては、残ったものを転用したり再生するのは、さぞかし効率が悪いのでしょう。冷凍食品を多用するわけです。加工済みですから、調理時間が短く、手間も簡単、生ゴミは出ません。割高でも、天候に左右されず価格・品質・供給が一定し、人件費を加味しての全体からみれば冷凍食品のほうが採算性、つまり経済効率が高いのです。

    こういった病院とは別に、料理を仕事とする現場いわゆる飲食業の厨房では、残ったからといって無闇に捨てているわけではありません。使われない素材は、「賄い(まかない)」という形で利用されます。自家消費です。裏方で働く人の食事を作るときに使われるのです。あり合わせの材料だからといって、軽く見てはいけません。そのつど目の前にある材料で何をどう料理するか、応用力が問われます。腕が試されます。真剣勝負です。最高の修行場といっていいでしょう。(これは家庭料理の極意でもあるのです)

  • 家庭でもおなじことです。素材としての冷凍食品の活用は大いにすすめるところです。ただ、種類がすくないので、それをもとにいろいろな料理を作ってたのしもうというには物足りません。まだまだ一般の食材が主流ですが、「使い分け」を心得たうえで取り入れるなら利用価値は充分に発揮されるでしょう。

    家庭での「賄い」は「だんどり」ということができます。後先(あとさき)を考えた「手順」です。ふだんのお稽古で、口をすっぱくして注意することのひとつは、この「だんどり」の大切さです。とくに新しい生徒さんは、大根や人参の切れ端を捨ててしまったり、鍋やフライパンで茹でたり炒めたりした後、すぐに洗ってしまいがちです。形にならない食材は、みそ汁の具にしたり、野菜炒めに混ぜたりできます。
    フライパンをシンクに持っていくのは最終の1回だけ。付け合わせの野菜をソテーしておいてからハンバーグを焼くのが正解で、逆では中で1回洗わなければなりません。また、焼き汁・蒸し汁は、その料理のソースの素になったり、ほかの料理の調味料になることを頭に入れておきましょう。こうして使う材料や道具をよく考えて調理していけば、材料を余すことなく使い切ることができ、すくない手間と道具で済ますことができます。

    材料のムダ、時間のムダ、手間のムダはどんどん省きましょう。「省エネ」「環境にやさしい」が叫ばれる今だから言うのではありません。昔から、「料理上手」といわれる人はそうしてきました。古いも新しいもありません。これからも変わることはないでしょう。ただし、惜しむのとはちがいます。しなくてもよいのをすることがムダ、すべきことをしないのが惜しむことです。必要以上の省略は、「惜しむ」になってしまいます。くれぐれも行き過ぎませんように…。


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