今週のレシピ

・ブライダルクラス(1月第2週)のメニューより

● 紅焼炒烏賊(イカと白菜の炒め物) ● 130kcal. 塩分 1.2g

紅焼炒烏賊の写真 [材料] -6人分-
・イカ1尾
・ねぎ1本
・白菜200g
・緑豆春雨50g
・油大さじ3
◎A
  中華風出し汁2カップ
  塩小さじ1強
  醤油小さじ1
  うまみ調味料少々
◎B
  片栗粉大さじ1
  水大さじ1

  [作り方]

  1. イカ…胴は皮を剥(む)いて、開き、松笠状(下の画像参照)に包丁目を入れ、3〜4a角に切り分ける。エンペラは一口大。足は1本ずつ切り離し、4a位に切る。

    斜めに切れ目 切れ目に直角に切れ目 そぎ切り

    ねぎ…4a位のせん切り。
    白菜…4aの短冊に切る。
    春雨…6〜7分ゆでて水にとり、水気を切って、長さ6〜7aに切る。

  2. 中華鍋に油(大さじ1)を入れ、イカの松笠状に切った胴を焼きつけ、皿にとる。つぎにエンペラと足を加えて焼きつけ、同じ皿にとっておく。
  3. 油(大さじ2)を加え、ねぎ、白菜を炒め、Aを加える。
  4. 煮立ったところへ春雨とイカを入れ、Bを加えて仕上げる。
ポイントはここ

  • イカが焼ける香りはおいしそうで、食欲を誘います。でも焼きつけた後も、野菜と一緒に煮ると固くなり、味も落ちます。松笠状に切った胴、エンペラや足も焼きつけたら取り出しておき、仕上げのときに加えるようにします。
  • 胴を先に、エンペラと足を後で別に焼きつけるのは、松笠状に切った胴にエンペラや足の赤っぽい色がつかないようにするためです。
ちょっと一言

  • 中国料理を作るときは、"緑豆春雨"を使いましょう。緑豆(青ささげ)のでんぷんから作られていて、熱に強く、長時間煮てもくずれないものです。料理にもよりますが、このイカの炒め物に使う場合は、6〜7分熱湯でゆで、水にとって熱を抜き、水気を切ってから俎板(まないた)にとり(1本ずつ並べる必要はありません!)、6〜7aの長さに切ってから使います。この料理は汁気の多いものですが、緑豆春雨なら、べとつかずおいしくできます。
< ≪組合わせメニュー≫
 ◎春菊の中華風和え物
 ◎鶏の唐揚げ

【野口料理学園】

塩ひとつまみ

■りんごの皮、剥(む)ける?

  • 当学園にジュニアクラスというのがあります。小中学生が対象で、30年近くつづいています。入学してくる子供たちに向けて、最初に聞くのが、「りんごの皮…?」。これができるかできないかで、腕前(?)が分かるからです。上手に剥ける子は、包丁が使い慣れている証拠。剥けない子は、包丁の持ち方・使い方から見てあげなければなりません。
  • 近ごろこの問いを、子供たちだけでなく、大人に対してもするようになりました。「包丁、持ったことないんです」、「りんごの皮も剥けません」と言って入学してくる娘さんが、珍しくなくなったのです。さすがに恥ずかしそうに言いますが、気恥ずかしさはこちらも同じ。それは、「箸が使えますか?」 とダイの大人に聞くのと変わりなく、たいへん失礼なことなのです。基本の基、序の序、料理うんぬん以前の問題で、日本人なら箸が持てるのは当たり前、娘さんで包丁が使えないなんて考えられもしませんでした。
  • 10年ほども前、そう言ってきた娘さんがいました。初めは謙遜か冗談かと思ったのですが、実際やってみるとまさにその通り、ショックを受けました。よく聞いてみると、剥けないというのは、剥いたことがない、なのです。りんごが嫌い、というわけでもなさそうです。「じゃ、食べたいときはどうするの?」と聞きますと、お母さんがしてくれる、おばあちゃんが剥いてくれる、というのです。だったらそれは単に周囲が甘やかした結果の特殊な例と片付けたいところですが、ことはそう単純ではありません。一人二人ではないからです。時代は大きく変わっていると、まざまざ感じました。
  • 今では、「なんにもできないんですけど・・・」と言ったら、「できないから、習うんでしょ。上手な人はお断り」と受けながし、「りんごの皮も剥けないんです」ときたら、「心配しないでいいのよ。そういう人、多いから」と慰めることにしています。要は、習おう、習いたいという気持ちをいちばん大事にしたい、尊重したいのです。ですから、そのことを電話でいってきたら、こう言います。「何でもいいから、今すぐいらっしゃい!」


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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