今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(1月第3週)のメニューより

●たらと芽キャベツの甘酢あんかけ(中国風)    108kcal.  塩分1.3g

たらと芽キャベツの甘酢あんかけ(中国風) [材料]  -6人分-
・たら3切(200〜220g)
◎A(下味付け用)
  塩小さじ1/2
  砂糖大さじ1/2
  酒大さじ1
・片栗粉適宜
・揚げ油2カップ
・芽キャベツ12個(200g)
・炒め油大さじ2
◎B(味付け用)
  中華出し汁1カップ
  塩小さじ1
  砂糖大さじ2
  酒大さじ1
◎C
  酢大さじ1
  片栗粉大さじ1
[作り方]

  1. たらは皮と骨をとり、4a角くらいの小さな切り身にし、Aで下味を付け、片栗粉をまぶして揚げる。
  2. 芽キャベツは、底に十字の切れ目を入れて茹(ゆ)でる。
  3. 中華鍋に炒め油を熱し、芽キャベツを炒め、合わせたBを加えて煮立てる。
  4. 1のたらを加え、Cでとろみをつけて仕上げる。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 「たら」は、一般的には「真だら」をさします。旬は産卵期の冬で、市場には秋から冬にたくさん出回ります。身は脂肪が少なく、肉質がやわらかく、身がくずれやすいですが、すり身などは手軽にできます。
  • 芽キャベツはキャベツの変種で、50〜90aの長い茎から出たわき芽が結球したもので、1株に50〜60個びっしり房のようにつきます。葉が硬くしっかり巻いていて、ちょっとほろ苦さがあります。霜が降りる頃に甘味が増してやわらかくなるので、1〜2月頃がおいしいでしょう。
  • たらの他にカレイ、スズキなどの白身魚、芽キャベツの他にブロッコリー、キャベツ、アスパラガスなどをいろいろに組み合わせてみてはいかがですか。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎鶏ささみとキノコのスープ
    ◎鶏レバーと砂肝(すなぎも)の煮物
    ◎春雨と野菜の中華風和(あ)え物
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■習うのが恥ずかしい

お稽古にきている人に出した年賀状の一枚が、宛先不明で戻ってきてしまいました。どうしてもお知らせすることがあって、電話を入れました。そこは勤務先でした。住所もそうです。年賀状は部署名がなかったので、住所氏名だけでは届かなかったのです。さいわい電話は直通でした。会話のニュアンスから、自宅には連絡を入れて欲しくなかったようです。ご主人かお姑さんに、自分が料理を習っていることを知られたくない、というようなところでしょう。

珍しくはありません。家人、友達、職場の人間などにたいして、料理学校に通っているのを内緒にしておきたい、そういう人は少なからずいます。そしてその理由が一様に、「恥ずかしい」からなのです。

その気持ちはわかります。入学のときに、恥ずかしいんですが、包丁もよく握れなくて…とか、この歳で恥ずかしながら、まだうまく作れないですよ…などと謙遜しつつ、やってみると意外に上手だったりします。もちろんこれは、教えを乞う側としての礼儀からでていることばなのですが、ほんとうに恥ずかしいと思っている人もいます。

男の人によく見られます。料理は女性がするものという固定観念がありますから、禁止区域に足を踏み入れる後ろめたさがあるのでしょうか。「女房にはちょっと内緒でね」などとハニカンダリしますが、けっこう楽しそうにお稽古に励みます。チャンスを待って、いつか驚かしてやりたいというタクラミがあるようです。

男性ならずとも、おなじような理由で内緒にしている生徒さんがいます。ある日突然、「お母さん、このごろ料理がうまくなったんじゃない」とご主人や子供さんから言われるのを、ひそかに待っている。相手が気付くと、初めてそこで、実は…と料理学校で習っていることを明かす。そんなシナリオをえがいているのです。「愉快犯」ですね、2例とも。

笑えない例もあります。職場の男性に、「料理なんか習ってどうすんの。そんな相手でもいるのかい?」などと、からかわれることがあるようです。冗談のつもりでも、言われたほうはムカツキます。こんな雰囲気の職場では、隠しておきたい気がします。

意表をついて、はじめから「攻勢」に打ってでた"剛の者"もいます。上司に向かって「こんど、料理学校に通います。○曜日に行きたいと思いますので、よろしく」と高らかに宣言。断固「残業拒否」の態度を表明したのです。先制パンチが効を奏し、その日のその時間が近づくと、上司のほうから、「おい、行かなくていいのか?」などと心配までしてくれるとか。強気の作戦がまんまと図にあたったようです。

料理を習うことは、恥ずかしいことではありません。恥ずかしいと思うのは、料理が上手でないこと、そしてそのことが他人に知れるのが嫌なのですよね。でも英語が話せない、刺繍ができないといっても、料理ほどの恥ずかしさは感じないでしょう。だったら、なぜ料理だけが…。

少し前までは、「料理ぐらいできなきゃ」「できて当たり前」という風潮が支配的でした。さらに頭のほうに、「女性は」がくっつきます。花嫁修業のサイたるものでした。できないと、一人前の女性に見てもらえない。それが今も根強くのこっています。料理ができなくても、あるいはしなくても困らないという現実があるのにです。

こうした恥の概念は、社会(周囲)が作り上げたものです。もっといえば、大人です。その証拠に、30人ほどいる当学園のジュニアクラスの小中学生(半分近くは男の子)は、その種の恥ずかしさはまるで持ち合わせていません。みんな屈託なく、喜々として包丁を握ります。

料理は、ネバナラナイの「必須科目」からトリアエズの「選択科目」と見なされるところまできました。やがてはほかのお稽古事と同等になって、恥かしさを伴わなくなる日がやってくるでしょう。

私としても、恥ずかしさをおぼえる方もそうでない方も分け隔てはしません。でもちょっぴり本音を言わせていただくと、謙虚さをふくめて、「多少は」恥ずかしいと感じてくれたほうがヤリヤスイ。経験からいって、そういうほうが教えやすいし、呑み込みも早いようです。


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