今 週 の レ シ ピ |
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・ベーシッククラス(4月第4週)のメニューより●夏みかんとワカメの酢の物 42kcal. 塩分0.2g
[材料] -6人分-
・夏みかん 1個 ・ワカメ 戻して60〜70g ・青柳(あおやぎ) 50g 酢 大さじ1 ・ウド 5a位1個 ◎甘酢 砂糖 大さじ2 酢 大さじ2 塩 小さじ1/3
[作り方]
- 夏みかんは皮をむき、ひとつずつ房の薄皮をむいて、実をとりだす。
- ワカメは、食べやすい大きさに切る。
- 青柳は冷水でサッと洗い、酢をふりかける。
- ウドは細いせん切りにし、水にさらす。
- 小鉢に1、2、3を盛り、甘酢をかけ、4のウドを飾る。
ポイントはここ
- 夏みかん(現在は「甘夏」が主流)は、厚い皮をむき、ひとつずつの房にします(1)。房の薄い部分を包丁で切り取ります(2)。包丁をまな板の右側に、刃を左に向けておきます。房の底のはしに、包丁を入れます(3)。包丁をまな板に平行に右から左へ動かしながら、房を左手でまわして底の部分を切り取ります(4)(5)。残っている両側の薄皮をはずします(6)。
1 2 3 4 5 6
- ワカメはいろいろな状態で売られています。干しワカメ、塩蔵ワカメ、生ワカメ、湯通しがしてあるものなどなど。それぞれに合った下処理が必要です。包装の袋の内容説明をよく読んで、正しく扱ってください。
- 青柳は冷水で手早く洗ってから、酢をふりかけます。これを、酢洗いといいます。魚介類を酢の物や和(あ)え物にする場合、生臭さや水っぽさをとり、酢の味を材料になじみやすくします。また、酢で殺菌する意味もあります。
- ウドはできるだけ細いせん切りにし、冷水に入れ、2〜3回水をかえてから乾いた布巾にのせ、よく水気を切ります。これを「白髪(しらが)ウド」といいます。
- 夏みかん、ワカメ、青柳を小鉢に盛り、甘酢をかけ、白髪ウドを飾ります。全体を混ぜてから食べます。また、白髪ウド以外を混ぜ合わせ、甘酢で味付けして小鉢に盛り、白髪ウドを飾ってもよいでしょう。
ちょっと一言 ≪組み合わせメニュー≫
- 夏みかんは、江戸時代中期以後育てられるようになり、酸味が強かったので、始めは絞り汁は「食酢」のかわりに使われていました。果肉を食べるようになったのは、明治以降です。現在は、夏みかんからできた酸味のすくない「甘夏」という品種が主流を占めています。
- 上手に薄皮をむいて、イチゴやキーウィなどといっしょに盛り合わせ、デザートにいかがですか。
- 「青柳」はバカ貝の別名で、むき身の足の部分の呼び方です。「バカ」では商品として売りにくいので、昔の主産地・青柳村(千葉県)にちなんで、「青柳」と呼ぶようになりました。バカ貝の貝柱の部分は、「小柱」として売られています。
◎ナメコと豆腐の味噌汁
◎豚肉の生姜(しょうが)焼き
◎ニラの玉子とじ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■道、まだ遠し「えっ、250円とるの? 毎回?」
20代前半5人グループの開口一番がこれでした。テキストの有料なのが気に入らない様子です。とうぜん、つぎのような発想も出てきます。
「一部だけ買って、コピーすりゃいいじゃん」
一応、“複製禁止”なんですよ、と説明しました。手にとったテキストをみて、また言いました。
「たったこれだけ?」
説明が足りないという意味なのでしょう。
「字ばっかりじゃん」
写真・イラストがたくさんついたテキストを想像していたようです。A市にある教室の新学期はじまりでのことでした。A市主催の夜間講座は、当学園の週4回1年コースを、月1回のペースで行ないます。終了するには4年かかる計算です。受講費は市が負担、生徒さんは材料費1回につき1000円を半年分前納します。13年続いていて、今年度は32人、3分の2は前年度からの継続です。
テキスト代は予想外だったようです。電話の受付で言わなかったのかもわかりません。金額の多寡は別にして、それがツマズキのもとになった可能性はあります。
あたらしい人にとって、最初の授業というのは戸惑うことが多いものです。緊張をほぐし、教室の雰囲気にも早くなれるように気を使います。型どおり、授業の流れを説明し、調理室の設備、道具類の場所などを確認してもらいました。
お稽古は、サンドイッチの盛り合わせと残ったパンの耳で作るブレッドプディング、それにキャベツのスープです。作り方を30分ほど説明した後、5〜6人のグループで6つの調理台(もしくは単に「台」)に分かれて実習に入りました。助手は1人ですが、大半が2年目以上の生徒さんですので、私どもの目がとどかない分、ベテランが新人さんの面倒を見るというような和気藹々(わきあいあい)の雰囲気ができあがっています。
彼女たちは不満ありありでした。初めてなんだから、5人もいるんだから、ということなのでしょう。手取り足取りやってほしいといわんばかりです。いつもなら、ベテランのいる台に加わってもらうのですが、5人ということで彼女たちだけのグループを作りました。いま思うと、無理にでも振り分けた方がよかったかもしれません。
見ていると、包丁の使い方も知らないというほどではありません。食パンを切るのも、教えた通りに引きながら上手に切りました。ただ、塩の振り方が満遍なくいかなかったらしく、「先生、しょっぱくて食べれん」。説明のときにその点を注意し、やっても見せたのですが…。
仕上がりは、ほかの台に後れをとることもなくちゃんとできました。とかく初めての生徒さんは、わけもわからないうちに終わってしまうというのが実感でしょう。でも、彼女たちはちがっていました。憮然とした表情です。そして、言ったのです。
「考えていたものとちがうから、やめます。お金、返してください」
5人が5人ともです。う〜ん、おどろきました。なにが気に入らなかったのでしょう。考えていたものとはなんでしょう。わたしも考えました。彼女たちの台には、つきっきりというわけにはいきませんでしたが、意識して重点的に見るように自分ではしたつもりです。それでもケア―が足りなかったのでしょうか。
テキスト代のことは、事前に通知しなかったわたしどもの手落ちとしましょう。また、生徒さんの人数からいって、もう1人か2人、助手が必要と感じたかもしれません。これは、主催者である市の予算に関わることでいたしかたありません。これまで、生徒さん同士カバーし合って問題なくやってきました。決定的なマイナス要因であるとは思えません。
彼女たちが期待したのは(お金にシビアなのはおくとして)、もっと手厚い教え方をしてほしかったのかなと推測します。テキストを見ての反応が、そのことを表しています。もっと写真がたくさんのって、くわしい説明がついたのが「テキスト」と思ったのでしょう。
テキストはあくまでお稽古の手助けです。過不足ない"エキス"程度にとどめてあります。あとは皆さんが必要に応じて自由に書き込みをして、自分なりの内容のある専用のテキストを作り上げてもらいたいのです。
懇切丁寧に教えることにやぶさかではありません。また、そのほうが理解が進んで上達も速いでしょう。充実した設備のなかで、少人数がたっぷり時間をかけてお稽古ができればそれに越したことはありません。そうした理想の環境をもとめるのであれば、残念ながらA市の教室は完全に条件を満たしているとは言えません。彼女たちの不満はもっともなことです。
ただ、5人という人数がクセモノだった気がします。彼女たちのなかに、"赤信号、みんなで渡れば怖くない"式の甘え(わがまま)がなかったか。「わたしたち5人はイチから教えてもらう権利がある」、したがって「あなたがたはわたしたち5人全員を徹底的に教える義務がある」。期待と現実のギャップが激しかったというわけです。
その意味で、5人をひとつのグループとしないで他の台に分散させるべきでした。これを落度として、今後の反省材料としなければなりません。「料理教師歴30年、道はまだ遠し」、です。
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