今 週 の レ シ ピ |
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・ベーシッククラス(6月第3週)のメニューより●ナスの田楽(でんがく) 189kcal. 塩分1.7g
[材料] -6人分-
・ナス 中6個 焼き油 大さじ3 ・ケシの実 少々 ◎練り味噌 赤味噌 80g みりん 大さじ2 砂糖 大さじ2 出汁(だし) 大さじ2 ◎付け合わせ キュウリの甘酢漬け 6切 サクランボ 6個
[作り方]
- ナスは、へたの下半分を切り、上を丸く残して縦(たて)二つに切る。皮のほうから、厚みの半分くらい格子(こうし)に包丁を入れる。
- フライパンに油を熱し、ナスの切り口を下にして焼き、裏返して皮のほうも焼く。
- 練り味噌の材料を鍋に合わせ、火にかけ、煮立てる。
- 2のナスに隠し包丁を入れ、切り口に練り味噌をぬり、上にケシの実をふる。
- 焼き物皿に4のナスを盛り、手前にキュウリの甘酢漬けとサクランボを付け合わせる。
ポイントはここ
- ナスのへた下半分のところに包丁をあてて、ナスをまわします。上半分が残ります。盛り付けると、へたの残りの部分が飾りのようになります。ただし、食べるときにはちょっと邪魔になりそうです。
食べやすくするには、へたを取ってしまうほうがよいでしょう。あまりたくさん切り落とさないようにしてください。- 皮のほうに火が通りやすいように、包丁で7〜8_の切れ目を入れます。切り落とさないように注意しますが、厚みの半分は切れ目を入れたいところです。
- ナスを上手においしく焼くには、油が多めに必要です。気を許して油を足しはじめますと、油っぽくなり、カロリーが高くなります。油の量には気をつけてください。
へたの半分を切り取る 格子に切れ目を入れる フライパンで焼く
- 好みの味噌に調味料を加え、よく混ぜてから火にかけます。使用する味噌の塩分によって、調味料は加減してください。かならず一度煮立てることで、みりんのアルコール分を消し、また砂糖に火が通ります。
- 焼き上がったナスは、そのままでは一口で食べられません。食べやすいようにナスを3つに切り分け、元の形にして、切り口に練り味噌をぬります。切り分けたことがわからないように、丁寧に味噌をぬります。
このように、切ったことがわからないように切ることを「隠し包丁」といいます。- 「ケシの実」がない場合は、「白ごま」をふってもよいでしょう。
- 焼き物の付け合わせは、いろいろな甘酢漬けが合うでしょう。ここでは季節の野菜、キュウリを使ってみました。
キュウリは板ずりをして、長さ2〜3aに切り、芯(しん)をスプーンの柄(え)で抜き取ります。皮を、縞模様(しまもよう)にむきます。切り離さないように、切れ目を入れます。塩水につけて、しんなりしたら三杯酢につけます。
芯を抜く 縞模様に皮をむく 切れ目を入れる
- 焼き物皿に、ナスのへたを左側になるように盛ります。付け合わせは、手前におきます。彩(いろど)りを考えて、季節のフルーツはサクランボにしました。
ちょっと一言 ≪組み合わせメニュー≫
- 昔、田植えのときに豊作を祈願し、音楽に合わせて舞をおこない、これを「田楽」といいました。これを舞う人のいでたちが、豆腐を竹串に刺して、練り味噌をぬって焼いた料理に似ていたことから、「田楽豆腐」という名前がついたといわれています。本来は豆腐料理だったのですが、ナス、サトイモ、コンニャク、魚にも用いられるようになりました。
- <ナスの生姜焼き>ナスを焼いて、食べやすいように3つに切り、田楽とは逆に皮を上にして盛り、生姜のすりおろしをのせ、醤油をかけます。味噌味とはちがったナスを味わってください。
◎玉子豆腐の清汁(すましじる)
◎鯵(あじ)の揚げ浸し
◎キュウリとワカメの酢の物
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■命の水先月(5月)末から今月にかけて、海、山に遭難が続いた。さいわいどちらも、数日間の行方不明ののち、無事に救出された。2件を並べてみると、海と山、双方の特徴が出ていて興味深い。
群馬県六合村(くにむら)の高沢山(たかざわやま、1906m)付近で、45歳と15歳の父娘が、遭難から5日目に見つかった。長野との県境の山中にハイキングにでかけて道に迷ったものだ。ジーンズの長袖シャツ、薄手のパーカーという軽装。食料はチョコレートとクッキー。飲み物としてスポーツドリンクをペットボトルに半分程度しか持っていなかった。この季節この付近では、まだ残雪がところどころにあって、0℃近くまで気温が下がる。
こうした条件下でも無事に発見され、救出されたのにはいくつか理由がある。まずは、怪我をしていないこと。これが第一だろう。たんに道に迷っただけだった。極度の疲労もない。親は子供を守る責任と義務を感じ、娘は父親に全幅の信頼を寄せる。この強い絆でお互い励ましあうことができたのだろう。沢の水が飲めて、夜には焚き火で暖もとっている。
この父親は山の経験はあまりなさそうだ。今回の遭難も、「私の未熟」と自分でも認めている。その謙虚さがかえってよかったようだ。怪我もなく、それほどの疲労も感じなければ移動したくなるものだ。それをしないでじっとしていたのは好判断だった。余力があるからと、道を捜しに動き回ったあげく疲労を重ね、怪我をまねき、パニック状態へとおちいりやすい。パニックになったらさいご、正常な判断ができなくなる。ふつうならホントに何でもないことが思いつかない。それによってますます窮していく。悪循環となるのだ。
私は、過去の山歴の中で遭難しかけたことが4度ある。いずれも積雪期だった。4度ともかろうじて自力で下山して捜索隊の世話にはならなかったが、やはり下手に動かないのが鉄則だった。落ち着いて現状を受け入れると、つぎに取るべき行動が見えてくる。
食料が底をついたことはない。いつも、余ってもいいからたくさん持っていく。冬の縦走はとくにそうだ。冬山で食料が尽きるほど悲惨なことはない。寒さに耐えられなくなり、歩けなくなるからだ。
非常食は、季節を問わず携行する。手軽な日帰りコースでもそれは変わらない。非常食とヘッドランプ、それにバンソウコウなど傷の手当て一式は、「3点セット」として常に持ち歩く。慣れた山など、地図は置いていくことはあっても、3点セットを持参しないときはない。歩行できないほどの怪我をしないかぎり、時間がかかっても自力で下るのを旨としている。
海のほうを見てみよう。こちらは77歳の漁師が、15日間の漂流の末に無事収容されたという話。最初からことわっておくと、山には多少経験があると自負するが、海にたいしてはまったくの白紙状態である。失礼ながら、そのつもりで読んでいただきたい。
奄美大島の近くで漁をしていた0.6トンの小船が、エンジンが故障したか燃料が切れたかして航行不能となり、15日間海上を漂ったのちに、約300キロ離れた沖縄県の粟国島(あぐにじま)の沖で発見された。老人は脱水症状で衰弱していたが意識はあり、命に別状はなかった。10リットルの水だけで2週間生き延びたという。その生命力に驚嘆する。
船中では動きたくても動けない。自分が動かなくても、船が勝手に流される。場合によっては、途方もない遠方へ持っていかれる。通信手段がなければ目も耳もきかない、文字通りの八方塞りである。座すか寝て救助を待つしかない。
発見してもらうにも、大海原では、陸で言えば砂漠の針だ。それでも船の中にいるうちはいい。台風や嵐に見舞われたらどうなるか。放り出されたら万に一つも助からない。現に漂流中に台風4号が接近、老人はライフジャケットを重ね着して備えたそうだ。想像を絶する状況である。
10リットルの水と、マグロ漁など50年の漁師歴をもつ大ベテランにして培った強靭な精神力があったから生きながらえた。漁師仲間や関係者の一致した見方だ。海、山の違いはあれ、緊急事に遭遇してもパニックにおちいらない。2例はそのことをおしえている。自然の力にさからわず、とくに狂い出したら手がつけられない海では、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」、運を天に任すしかないようである。
ひとつだけわからないことがある。遭難中、空腹感はなかったのだろうか。漁船にいてなおかつ漁のプロである。腕も道具もあるのだ。魚をとって食べたらいいのにと思う。体力保持、生命維持につながるだろうに。老人が欲しなかったのか、それとも、魚を食べたとして、かえってのどの渇きをよんで貴重な水が激減する。したがい、結果的には水だけで通したほうが命をながらえる、のだろうか。知りたいところである。(小笠原)
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