今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(2月第4週)のメニューより● ハヤシライス(ハッシュライス) ● 559kcal. 塩分3.3g
[材料] -6人分-
・牛肉(こま切れ) 200g 塩 小さじ1/2 胡椒 少々 ・玉葱(たまねぎ) 1個 ・ジャガイモ 1個(150g) ・人参(にんじん) 100g ・サラダ油 大さじ2 ・水(スープの素1個) 4カップ ・トマトケチャップ 2/3カップ ◎ルー バター 大さじ3 小麦粉 大さじ9 カレー粉 大さじ1 塩 小さじ2 ソース 大さじ1 醤油 大さじ1 ・ライス 6人前(1人200g) ・グリンピース 大さじ2 [作り方]
- 牛肉…塩・胡椒をしてから、小麦粉(大さじ1:ルーからの分)をまぶしておく。
玉葱…三日月切り。
ジャガイモ・人参…銀杏(いちょう)切り。- 鍋に油を熱し、牛肉を炒めて色が変わったら、野菜を炒め、水・トマトケチャップを加えて煮ておく。
- フライパンにバターをとかし、小麦粉がキツネ色になるまでよく炒め、カレー粉を入れてさらによく炒めて、塩・ソース・醤油を入れる。
- ルーをスープでのばし、2の鍋に加えて、弱火で煮込む。
- 皿にライスを盛り、グリンピースを散らして、ハッシュを添える。
ポイントはここ
- ハヤシ(ハッシュ)ライスはヨーロッパの「牛肉のトマト煮込み」「牛肉のパプリカ煮込み(グーラーシュ)」が元になっているといわれています。したがって、さまざまな肉・魚・野菜などで作る「カレー」とちがい、必ず「牛肉」で作る料理です。少し脂肪のあるこま切れがおいしくできます。
- 牛肉に塩・胡椒で下味をつけてから、小麦粉を大さじ1まぶします。ルーの分から使うのは、小麦粉大さじ9でハヤシ(ハッシュ)全体のとろみが決まるからです。他の小麦粉を使うと、それだけ濃度が濃くなってしまいます。小麦粉をまぶすのは、下味が逃げないように、また肉のうまみを閉じ込める意味もあります。
- ジャガイモは、ほくほくおいしく煮るために、厚さ1a以上の銀杏(いちょう)切り、人参はやわらかく煮るには2〜3_厚さの銀杏切りにしてください。
牛肉に下味と小麦粉 野菜の切り方
- 煮込みには、直径18〜20a深さ10〜12aの厚手の鍋を用意します。サラダ油を鍋に入れ、中火にかけ、少し温まったら、牛肉を加えます。牛肉の小麦粉で、鍋底に茶色の膜ができます。牛肉全体の色が変わるまで炒めます(1)。
- 牛肉を炒めたあと、玉葱を加え、中火で透きとおってしんなりするまで充分火を通します(2)。このときの炒め方が、仕上がりの味や色を決めます。(ジャガイモと人参は、炒めても炒めなくても味に変わりはありません)
- 煮込みに使うトマトケチャップは、好みでトマトピューレや水煮を組み合わせてもよいでしょう(3)。
- 人参がやわらかくなるまで煮込みます。牛肉や玉葱をしっかり炒めておくと、煮上がった色が、ただトマトの赤ではなく、深みのあるおいしそう茶色がかった赤になります(4)。
(1) (2) (3) (4)
- 仕上げとして、煮込んでいる汁1カップ分を、2回に分けてルー(下述)のフライパンに加え、よく練って一塊(ひとかたまり)にして、煮込み鍋にもどします。
- ルーを加えて煮込むときは、弱火で、時どき鍋底をかきまぜながら、こがさないように!
私のハヤシ(ハッシュ)ライス「ルー」の作り方
- 直径24aのフライパンにバターを入れ、火にかけてとかします。完全にとけてからも弱火にかけ、木杓子で混ぜながらこがさないようにゆっくりと濃い茶色にします。
- 小麦粉を一度に加え、バターとよく混ぜてから、常に木杓子を動かして、濃い茶色になるまでいためていきます。(くれぐれも手を休めずに、均一に茶色になるように頑張ってください)
バターを弱火で濃い茶色に 均一に濃い茶色に
- カレー粉を加えて、さらにゆっくりと炒め、色と香りを飛ばします。この炒め方が足りないと、「トマトケチャップの入ったカレー?」などといわれかねません!!
- 塩・醤油・ソースを加え、均一になるまで炒めます。
カレー粉を加える 塩・醤油・ソースを加える 均一に炒める
ちょっと一言
≪組み合わせメニュー≫
- ここに紹介した「ハヤシ(ハッシュ)ライス」は、40数年前、甲府のあるレストランのシェフから教えていただき、私の母が家庭で調理しやすいように工夫を重ねてきたものです。「トマトピューレ」は「トマトケチャップ」に、いろいろな「辛さのスパイス」は「カレー粉」をよく炒めて、辛さだけを残すようにしました。
- この「ハヤシ(ハッシュ)ライス」を得意料理にして家族に喜ばれている話は、当学園の卒業生からたくさん聞いています。あなたも、どうぞ試してみてください。
◎カリフラワーのピクルス
◎ストロベリーミルクゼリー
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■豆腐が先、それともネギ?
- おみそ汁の話題がつづきます。
あるとき、男の人の声で電話がかかってきました。「みそ汁に入れる豆腐とネギでは、どっちを先に入れるんですか?」藪から棒にこんな質問です。お好みでどうぞ、と答えました。しかし相手は納得しません。「それでは困る。どっちかに決めてもらわないと」「はあ?」「実はいま、賭けをしてるんです。どっちが先かって。だから答えてください」。世の中、いろいろな賭けがあるものです。賭けようと思えばなんだって対象になる。おみそ汁の具で賭けですか、なんともおヒマな方がいるようで。そういって聞き流していいのですが、料理学校としては、どんな形にしろおみそ汁に関心をもってくれるのはうれしいことです。みなさんも、毎朝のおみそ汁の具で悩んではいませんか?- 具は二つに大別できます。煮て、やわらかくしないといけないもの。たとえば大根、人参、白菜、ジャガイモ…。反対に長く煮るとまずくなるもの。たとえば豆腐、ネギ、えのき、それに茹でた葉物のほうれん草、春菊など。30種類ほどあげられれば合格です。あとは季節ごとの食材や吸い口(香り)をかえたり組み合わせていけば、一年を通じて具の心配はいりません。
- さて、肝心の出汁(だし)はどうでしょう。教室できいてみました。煮干しでとっていますか? ひとりがこたえました。「先生、煮干しって薄いし、うま味が足りない」。これに異議を唱えるように、もうひとりが言いました。「えっ、うちは逆。濃すぎて臭いくらいよ」。ふたりとも主婦です。家での実際のやり方を説明してもらいました。最初のAさんの方法です。ぐらぐら沸いたお湯に煮干しを一掴みいれ、もう一度煮え立ったらその煮干しをすくって捨てる。これでは早すぎて、出汁がでる暇もありません。物足りないものだから、Aさんはこれにわざわざ市販の出汁の素を入れていたそうです。もうひとりのBさんは、水を入れた鍋に煮干しを入れ、火にかけて1時間ほど煮るというやり方。できあがりの濁った出汁も、おいしさのエキスがいっぱい出ている証拠と、少々なま臭いと思いながらもガマンしていたそうです。これは明らかに煮過ぎ、魚臭くなるのも道理です。対照的なふたりは、ともに何かの拍子にそうやるものだと思い込んでしまっていたようです。
- ちなみに、正しい出汁の取り方をいいましょう。まず、煮干しの頭をとり、お腹のはらわた(内臓)をぬいて二つに裂く。分量の水が入った鍋に入れ、少なくとも1時間はそのままつけておく。ふたをしないで火にかけて、沸騰直前に火を弱くして5〜6分煮る。こうすると、いい出汁がとれます。鍋の中の煮干しは、そのまま具として食べるもよし、お役ご免と退場させるもよし、それこそお好みです。(蛇足ながら、私は前者です)
- そしてなんといってもおみそ汁は、みその風味を大切にするのが大原則です。つまり、一旦みそを入れたら、ぐつぐつ沸騰させてはいけません。折角のみその香りが飛んでしまいます。おいしくいただくには家族の協力も必要でしょう。一緒にテーブルにつかないことには、いちばんのうまいところをのがしてしまいます。てんでに煮直していては、まずくなるばかりです。
- さて冒頭、電話による豆腐かネギか再度の判定要求ですが…「やはり、お好みで」としか答えようがありませんでした。この場合こちらの好みをいっては迷惑がかかりますし、ギャンブルの、一方の片棒を担ぐ気は毛頭ありませんもの。
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