今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(4月第4週)のメニューより

●はんぺんのフリッター   124kcal.  塩分1.5g

はんぺんのフリッター [材料]  -6人分-

・はんぺん3枚
・ハム3枚
・マスタード小さじ1
◎衣
  小麦粉大さじ4
  牛乳大さじ4
  パセリのみじん切り大さじ1
  塩/胡椒(こしょう)少々
・揚げ油適宜
・パセリ
◎ソース
  トマトケチャップ
  ウスターソース

[作り方]

  1. はんぺんを三角に2つに切り、切り口から包丁を入れ、袋状にする。
  2. ハムは2等分する。
  3. はんぺんの袋の中にマスタードをぬり、ハムを詰める。
  4. 衣の材料をボールに合わせる。
  5. はんぺんに4の衣をつけて、180℃の油で揚げる。
  6. 大皿にパセリをいっしょに盛り、トマトケチャップ、ウスターソースなどを好みで添える。
ポイントはここ
  • はんぺんの袋状は、まわりを7〜8_のこすように切ります。
  • ハムはとび出さないように、きちんとはんぺんの中に詰めてください。

    袋状に切る マスタードをぬる ハムを詰める

  • 衣はていねいに混ぜてなめらかにし、はんぺんにたっぷりつけて、180℃位の油で、まわりがうっすら狐(きつね)色になるまで揚げます。

    衣をつける 180℃で揚げる

ちょっと一言
  • 「はんぺん」は日本の食材ですが、火を通すとフワッとふくらみます。その味わいがフワフワの衣をつけて揚げる「フリッター」に似ているので、この名前をつけました。
  • 和風の味でもたのしめます。パセリの代わりに青のりを加えた衣で揚げ、食べやすい大きさに切り分けて盛り、天汁(てんつゆ)を添えてください。
  • 最初からはんぺんを8等分に切り、小さな袋状にし、ハムのほかスライスチーズや、サッとゆがいたベーコンなどを詰め、衣をつけて揚げ、「オードブル」はいかがでしょうか。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎鶏肉のトマト煮込み
    ◎ミックスサラダ
    ◎イチゴのババロア
    
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■Yさんからの贈り物

つい先ほどです(4月18日午前)。宅配便でお花が届きました。淡いピンク色をした可憐な額アジサイの鉢です。

―まあ、きれい! どなたかしら?

新潟のK.U.さん、旧姓Yさんとあります。「???」。存じ上げない方です。頼りない記憶を、いくら辿っても心当たりがありません。まさか誤配では、と送り状を確かめました。住所、宛先ともにまちがっていません。

学園宛てで、旧姓まで書き入れているということは卒業生にちがいない。そう思って名簿を繰ってみました。該当する名前はありません。念のため、過去5年までさかのぼりました。それでも見当たりません。主人にも聞きました。おなじように首をひねっています。気味の悪い…。どうしたものでしょう。

こうなれば手はひとつです。失礼を覚悟で、送り状にある連絡先に電話を入れ、直接ご本人に伺うしかありません。

やはり卒業生ではありませんでした。知り合いでもありません。母の教え子でした。前園長は長年にわたって、地元の短大(栄養科)でも教鞭をとっていました。そのときに習ったというのです。18年前になるそうです。どうりで私が知らないわけです。

でも、死後10年も経っています。いまになって「献花」とは?
聞けば、学生時代Yさんは、熱烈な母の"ファン"だったというのです。新潟の出身で、「卒業後郷里に帰る義務がなかったら、絶対、先生の助手にしてもらっていました」というくらい、"心酔"していたそうです。結婚した年に母宛てに年賀状を出したら、これこれこういうわけで死亡しましたという返事をもらい(わたしからです。それは記憶にあります)、お悔やみの挨拶もできないほどショックを受けたといいます。

いつかはご挨拶と思いながら、数年が過ぎました。ずっと気になっていたそうです。その後はご主人の転勤で全国をまわり、やっと去年、新潟に帰ることができました。でも子供3人をかかえて忙しさにまぎれ、落ち着くまでにまた1年、とうとう今日までのびのびになってしまった。それでも、仏様に供えてもらえるならと思い、送った。そう仰るのです。

母がアジサイを好きなことをご存知だったのです。学んだ短大の校内にアジサイがたくさん咲いていて、「アジサイを見るたびに先生を憶い出していた」そうです。私もおどろくやらうれしいやら、ついつい長電話になってしまいました。

学生時分、Yさんが印象にのこっていることを話してくれました。

―お菓子の授業で「レモン・メレンゲパイ」を習いました。先生の教え方は丁寧で、たいへんわかりやすかったです。その出来栄えに、われながら感心したのでした。ところが、たまたま用事があって教授室へいったときです。さっき師範で野口先生が作ったレモン・メレンゲパイが試食用においてありました。訪ねた先生が、わたしにもそれを勧めてくれたのです。そのおいしいことといったらないんです。わたしたちがつくったものとは、それこそ雲泥の相違。あまりのおいしさと、あまりの違いに愕然となりました。

…そうなんですよね。お菓子の場合、おなじ材料を、おなじ分量で、おなじ手順でやってもなかなかうまくいきません。問題はその「手順」です。おなじようにやっていながら、混ぜ方など微妙にちがうのです。微妙さがクセモノで、それがお菓子作りのコツなのです。経験を重ねるしかないでしょう。なんどか失敗してはじめて体得できるのです…。

とまあ、こんな話をいたしました。
突然のYさんからの贈り物でした。おかげで懐かしく母のことを思い起こしました。偶然でしょうか、この週からHPに「今月のお菓子」を載せることになりました。母がYさんに教えたこと、わたしにのこしたものを今あらためて見つめ直し、胸に刻みたいと思います。


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