今 週 の レ シ ピ

・特別講習(煮物)のメニューより

●筑前煮(毎日のお惣菜用)   171kcal.  塩分1.7g

筑前煮(毎日のお惣菜用) [材料]  -6人分-

・鶏肉200g
・筍(たけのこ)1/2本(100g)
・人参(にんじん)1/2本(100g)
・ゴボウ1/3本(50g)
・干し椎茸(しいたけ)3枚
・コンニャク1/2丁(100g)
・里芋(さといも)3個(100g)
・水2カップ
◎A
  醤油(しょうゆ)大さじ3
  砂糖大さじ2
  みりん大さじ2
  塩小さじ1/2

[作り方]

  1. 鶏肉は胸肉の場合は少し大きめのそぎ切り、もも肉なら3a角位に切る。 材料の切り方
  2. 筍(たけのこ)、人参(にんじん)、ゴボウは乱切りにする。ゴボウは茹(ゆ)でてアクを取る。
  3. 干し椎茸(しいたけ)は充分水でもどし、大きめのそぎ切りにする。茎は石突きを取って小さく切る。
  4. コンニャクは茹でてアクを取り、手でちぎる。
  5. 里芋(さといも)は皮をむいて、1a厚さの小口切りにし、塩でもんでから水で洗い、ぬめりを取る。
  6. 鍋に分量の水と戻し汁、鶏肉と椎茸の茎を入れ、火にかけ、アクを取り、里芋以外の材料を加えて、10〜15分煮る。
  7. Aで調味し、里芋を加え、弱火で煮て、煮汁が少し残る程度に煮上げる。
ポイントはここ
  • 鶏肉は好みで、さっぱり軽い味には胸肉、ちょっと濃厚さがほしい場合はもも肉が合うと思います。胸肉は、少し大きめのそぎ切り、もも肉は3a角位に切ります。
  • 筍(1)、人参(2)は乱切りにします。ゴボウ(3)は乱切りにして、酢を少し入れた水(水1カップ、酢大さじ1)に入れ、沸騰1分位茹でます(4)。

    (1) (2) (3) (4)

  • 干し椎茸は水で充分もどし、茎を取って大きめのそぎ切りにします。茎は、先端の硬い部分(石突き)は切り取り、あとは細かく切り、煮汁に加えます。
  • コンニャクは大きいまま熱湯に入れ、3〜4分茹でます。(最近は、アク抜きをしてあるものもあります。包装の袋をよく見てください)
    手でちぎる(「ちぎりコンニャク」といいます)と、表面がごつごつして味がしみ易くなります。

    椎茸のそぎ切り 茎と石突き ちぎりコンニャク

  • 里芋は皮をむいて、厚さ1a位の小口切りにします。ボールに入れ、塩小さじ1位をかけ、手でもむようにしてぬめりを出し、そのあと水をかけて塩とぬめりを流します。

    里芋の小口切り ぬめりを取る

  • 両手の直径24a位の鍋に、水と干し椎茸の戻し汁(1)を入れ、鶏肉、椎茸の茎(2)を加えて火にかけます。沸騰して白いアクが出てきますので、きれいに取ります。

    (1)と(2)を入れ火にかける アクを取る

  • 里芋以外の材料を入れ、10〜15分位中火で煮ます。
  • Aで調味し、里芋を加え、全体を混ぜます。ふたをし、弱火でゆっくり煮込みます。鍋の底に、汁気が少し残る位になったらできあがりです。

    里芋以外の材料を入れる Aと里芋を入れる

ちょっと一言
  • 正月用煮物として「筑前煮」を掲載していますが、ここでは毎日のお惣菜用としてみました。他に、ハス、ポテト、大根なども乱切りにして煮てみてください。 お弁当のおかずに
  • コンニャクの残り半分もちぎり、サラダ油で炒め、醤油、みりん、砂糖で味付けし、最後に鰹節(かつおぶし)の削ったものをまぶします。少し濃いめの味にし、お弁当のおかずにいかがですか。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■食の思い出

米国産牛肉の輸入禁止措置から、吉野家の牛丼の販売休止が続いている。
今から30年以上も前になろうか。初めてそれを口にした時は、衝撃に近いものがあった。牛肉の多さ、柔らかさ、そしてなにより、牛肉だというのにとんでもない安さだったからである。

学食のうどんが40円、カレーが50円だか60円の時代。牛肉料理は高嶺の花だった。牛丼も例外ではなく、安いはずの学生街にある飲食店の数あるメニューの中でも、値段はトップクラスだった。そこの牛丼屋は界隈の名物にもなっている老舗で、確か300円以上はした。店の前を通るたびに、食べられない自分がいかにも惨めだった。

せめてこの大学に通った証しにと、ある日、意を決して1度だけ入ったことがある。鰻丼のような甘ったるいドロドロした濃い目の醤油ダレが、四角く切った牛肉にたっぷりとかかって、それが湯気を立てた熱々のごはんとからみあい、激臭ともいえる香気を放っていた。口の中が空になるまで箸は動かさなかった。できるだけゆっくりと、惜しみつつ贅沢な気分を味わったものである。

それに比べると、吉野家の牛丼は半額というのがまず信じられなかった。120円だったか200円だったか、2という数字だけが記憶にある。当時はイスもテーブルもなく、カウンターの立ち食いだけだった。箸(はし)も上等な割箸ではない。易者の使うぜいちくのように、無造作に束で立てておいてあった。

一口いちばん、コレが牛肉か? 薄っぺらいが、老舗の牛丼屋の肉とはおそよ違って柔らかい。「外国(米国)産は硬い」の先入観があった。それがものの見事に打ち破られた。色も味も濃厚さはない。適度に甘辛いのだ。しかも、ごはんが見えないどころか、丼から溢れんばかりに乗っかっている。ピリッとした紅生姜が単調な味を救っている。今と同じように、取り放題だった。量、味、値段、三拍子揃って文句のつけようがなかった。

この驚きと嬉しさは、数年後、本格的な価格破壊のハシリとして衝撃的に登場したメガネドラッグと似ている。やはり通常の半額以下だった。メガネをかけている人ならご存知と思うが、メガネドラッグの商品は、フレームといいレンズといい、オモチャかまがい物ではないかと疑いたくなるほどの安さであった。実際は、品質で遜色ないものとわかって爆発的に売れ、今日では同じような店舗が全国津々浦々にチェーン店を張っている。価格破壊といえば、私はまず吉野家の牛丼、そしてメガネドラッグのメガネ、このふたつが頭に浮かぶのである。

以来、学生街の牛丼屋の前を通っても落ち込むことはなくなった。それどころか、この店、今につぶれるぞなどと余計な心配さえ抱くようになっていた。(おがさわら)(つづく)


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