今 週 の レ シ ピ

・専攻科(1月)のメニューより

●豚肉と豆腐の中国風味噌炒め    153kcal. 塩分0.9g

豚肉と豆腐の中国風味噌炒め [材料]  -6人分-

・豚肉200g
・豆腐1/2丁
・キュウリ1本
・ニンジン30g
・エビ6尾
◎A
  葱(ねぎ)のみじん切り大さじ2
  生姜(しょうが)のみじん切り大さじ1/2
◎B
  赤味噌大さじ2
  醤油(しょうゆ)大さじ1
  酒大さじ1
  砂糖小さじ1
  中華出し汁1/2カップ
◎C
  片栗粉(かたくりこ)大さじ1/2
  水大さじ1/2
・炒め用油大さじ2

[作り方]

  1. 豚肉、豆腐、キュウリは、1cm角に切る。
    ニンジンは7〜8mm角位に切り、茹(ゆ)でる。
    エビは殻(から)をむき、1cmのぶつ切りにする。
  2. B、Cをそれぞれ合わせる。
  3. 中華鍋に油を熱し、豚肉を炒め、色が変わったらAを加えて、さらに炒める。
  4. 豆腐、キュウリ、ニンジン、エビを加えて炒め、Bを加え、煮立ったら少し煮て、Cでとろみをつけて仕上げる。
ポイントはここ
    材料の切り方
  • 豚肉は「もも」を塊(かたまり)で買って、1cm角に切ってください。
  • 豆腐は1cm角に切り、ザルに入れて水気を切ります。
  • キュウリは縦(たて)に4つ割りにして、1cm長さに切ります。わざわざきちんと、1cm角にする必要はありません。
  • ニンジンは、他の材料よりちょっと目立ちますので(私の思い込みかもしれませんが)、少し小さめに切ります。炒めるだけでは火が通りにくいので、水から入れてやわらかく茹でます。
  • エビは長さ5〜6cm位のものを用意し、背ワタをとって殻を全部むいて、1cm位のぶつ切りにします。
  • Bの「赤味噌」は皆さんの家で使っている味噌汁用のうち、色の濃いものを使ってください。白っぽい味噌は全体の色がうすくなりがちです。一般的に茶色が濃い方が料理はおいしそうに見えるものです。
  • 中華出し汁は、中華風出汁(だし)の素、粉末なら小さじ1/4 位を水1/2 カップに加えてとかします。固形スープの素なら、1/4 位を使ってください。
  • 中華鍋に炒め油を熱し、豚肉を入れて、表面の色が白っぽく変わったら、Aを加えてさらに炒めます。みじん切りの葱、生姜がこげないようにするために、豚肉のあとで入れます。
  • 肉以外の材料を炒め、Bを加えてから少し煮て、豆腐を充分温かくしてから、Cでとろみをつけてください。

    葱、生姜を加える 肉以外の材料を炒める 少し煮る

ちょっと一言
  • 豚肉と豆腐といえば、すぐ「麻婆豆腐」を思い浮かべます。ここでは、豚肉は豆腐とそろえて角切りとし、「ニンニク、生姜、豆板醤(とうばんじゃん)」は使わないで、味噌あじが少し出るようにしています。また色合いも考えて、ニンジン、エビ、キュウリなどの材料を選んでみました。暖かく、やわらかみのある料理に仕上げてください。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■焼肉がいい

お正月が終わりました。といって、まわりを見回しても、正月の雰囲気というのはあまり感じませんでした。各戸に門松を印刷したポスターが無造作に貼られているだけで、本物の門松や注連縄(しめなわ)を飾っている家は見当たりません。殺風景なものです。

クリスマスのほうがはるかに賑やかです。室内にツリーをおくだけでなく、玄関や庭、あるいは外から見えるように飾っています。「洋風門松」の感覚です。門松とちがって、夜には電気が満艦飾に点滅して、一層クリスマス気分を盛り上げます。

今年は、発光ダイオードとかいう青色の電球が随分目に付きました。正月風景とちがって、こちらは年毎に豪華に、そして電飾の家が増えていく傾向にあります。外から見る限り、数的には「門松」は完全に「クリスマスツリー」に取って代わられました。

我が家にはまだ正月風景が残っています。暮れの30日の餅つきです。しかし、これも肩身が狭くなりました。以前は、朝が明ける頃つきだしていましたが、ドッシン、ドッシン音がしますから、ご近所の手前、最近は時間を繰り下げています。今回は8時ごろから始めました。暖を取るための焚き火も、とうに止めています。

おめでたい行事なのに、なんだか後ろめたさが付きまといます。あまり騒がないように、ひっそりとやるようになりました。近所や知り合いに聞いても、今どきペッタンペッタンついているところは珍しいようです。めんどうな上、けっこう重労働ということもあります。少子化と高齢化で、今後も減ることはあっても増えることはないでしょう。

餅つきにこだわる理由は二つです。一つは、年があらたまることへのケジメ。それと、ついたお餅がおいしいからです。そうはいっても私どもも年々齢をとっていきますから、このさき何年続きますやら。ということで、健康度のチェック(老いのバロメーター)も兼ねています。杵を打ち下ろす主人か、手返しの私か、どちらかが“尻餅”をついたらお仕舞いにしようということにしています。

正月風景の希薄化はほかにもあります。町内の「新年互礼会」。元日にご近所があつまって、新年のあいさつを交わす行事です。今年の参加者は十数名。昨年まで取り仕切っていた代表者が亡くなりました。いちばん若くて50代ですから、“ジリ貧”“自然減”は当然です。それにしても出席者がすくない。隣近所に頼らなくても暮らしてはいけますが、絆が薄れるのはさびしいものです。

「NHK紅白歌合戦」も、過去最低の視聴率でした。国民の過半数が見ていた時代とちがって、見たい番組はたくさんあります。「紅白」は行事でも風習でもありません。見る人の好みです。それが多様化したというだけの話です。ですから、「正月気分」が薄れたのではありません。正月を、これまでとは別の気分で味わいたいということだと思います。

こういうご時勢ですから、生徒さんに、「お節料理、作った?」と聞きますと、一品でも作った人は全体の3分の一ほど。お稽古に通っている人たちでこの割合です。他は推して知るべし。作らなくても、さまざまな等級のお節が売られています。あえて苦労して作るまでもないと思うのでしょう。

お節がなくてもお正月は迎えられます。若い人は、焼肉のほうがいいかもしれません。お正月は精一杯飾って、腕によりをかけた料理を食べて楽しむ。そういった「特別の時間」という意味合いが薄れてきました。年がら年中家事に追い回されている大忙しのお母さんが、せめてお正月だけは料理と炊事から開放されたいと、保存のきくお節を「作り貯め」する習慣も意味をなさなくなりました。冷蔵庫があり、冷凍食品があり、コンビニがあり、お正月以外にも、「手を抜く手段」はいくらでもあります。豊かになったということです。

いまは嗜好と必要性、それに意識の問題です。我が家の餅つきを当てはめると、年があらたまるのを前に(意識)、おいしいお餅を(嗜好)、健康を兼ねて(必要性)作る、ということになります。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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