今 週 の レ シ ピ

・温野菜で温まりましょう!

●鶏肉とポテトの煮込み    486kcal. 塩分2.7g

鶏肉とポテトの煮込み [材料]  -4人分-

・鶏モモ4本
  塩/胡椒(こしょう)
・タマネギ1個(200g)
・ポテト4個(400g)
・ニンジン1本(150g)
・ニンニク2片
・サラダ油大さじ2
・水5カップ
・塩小さじ1
・胡椒少々

[作り方]

  1. 鶏モモは関節で2つに分け、骨の両側に切れ目を入れる。塩・胡椒で下味付けをする。
  2. タマネギは大き目の三日月切り。
    ポテトは皮をむく。
    ニンジンは皮をむいて、縦(たて)4つ割にし、7〜8cm長さに切る。
    ニンニクは、荒くみじん切りにする。
  3. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、ニンニクと鶏モモを焼き、取り出してタマネギを加えて、炒める。
  4. 鶏モモをもどし、ポテトとニンジンを入れ、水を加えて煮る。
  5. ポテトに竹串がやっと通るくらいになったら、塩・胡椒で調味し、さらに充分やわらかくなるまで煮て、仕上げる。
ポイントはここ
  • 鶏モモ骨付き1本は、関節の骨と骨の間が、簡単に包丁で二つに分けられます。下部の細い骨の部分に肉がありませんので、切り落としたいところですが、出刃包丁が必要になります。また、切り落とした切り口の骨が割れやすいので、骨のかけらが料理の中に入ってしまいます。家庭では、そのまま煮込んでください。
  • 食べやすいように、鶏肉の骨の両側に包丁で切れ目を入れておきます。

    関節で二つに分ける 骨の両側に切れ目を入れる

  • 野菜類は大き目に切ります。ポテトは、1個100g位までなら、丸のままで充分です。
  • 最初にニンニクと鶏肉を焼いたあと、タマネギをいっしょに炒めようとすると、鶏肉の皮がとれたり、くずれたりしがちです。一度、鶏肉を取り出して、タマネギだけをよく炒めます。

    ニンニクと鶏肉を焼く タマネギを炒める

  • 水を加えて沸騰するまでは強火、あとは弱火でゆっくり煮ていきます。塩は最初からではなく、ポテトが少しやわらかくなってから加えます。

    ポテトとニンジンを加える 水を加えてゆっくり煮込む

ちょっと一言
  • 最近、若い女性に「低体温」の人が増えているとききました。ひどい人はレタスやキュウリまで電子レンジで温めるのだそうです。
    ゆっくり煮込んだ温野菜を、ゆったりと食卓を家族で囲んでください。身も心も、温かくなってほしいものです。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■分別と分別

「先生、いまのはプラよ。生ゴミに入れちゃだめ」
ジュニアクラスで、小学2年のMちゃんに叱られました。材料が入っていたナイロンの袋を、ゴミ箱に捨てるのを見ていたのです。

「学校で、ゴミの分別を習ったの」
あっ、そうか。彼女は甲府じゃなかった。隣の笛吹市に住んでいます。

すかさず小4の姉のUちゃんが、つぎのように補足を入れてくれました。
「あのね、よその町で燃やしてもらっているから、なるべくゴミを減らして、分別もちゃんとやらなければならないの」

甲府は生ゴミ、プラスチック、紙は可燃物として全部いっしょ、高温で焼却できる設備があります。おなじ県内でも、自治体によって分別の仕方はちがうようです。なので、甲府の外で講習を行なうときは、会場に行っていちばん先に尋ねるのは、「ここは、ゴミの分け方はどうしていますか?」です。下準備の段階でどんどんゴミが出るし、その分別方法は、地元の人に聞かないとわからないからです。

先週、お隣り長野県の松本市で講習をしてきました。例によって、「ゴミの分け方をおしえてください」と聞くと、こんな答えが返ってきました。
「たいへんですから、三つくらいに分けておいてください。あとは、わたしどもがやりますから」
三つというのは、(1)生ゴミ、(2)紙類、(3)燃えない物。これだけでも甲府の上をいくのに、「あとは、わたしどもがやる」そういうからには、もっと細かく分類するのでしょう。

くせ者は(3)の「燃えない物」。プラスチック類のことです。甲府の住人からすれば、これは「燃える物」です。燃えるのに、どうしてそういうのでしょう。プラスチックを別にしたいなら、そのまま「プラスチック」といえばよさそうなものです。おそらく、プラスチックを厳格に分けるために、プラスチックは燃えない物、いえ、「燃やしちゃいけない物」という観念を頭に植え付けるためにそうしているのかもしれません。

そんなわたしですから、松本の人には、分別慣れしてないと映ったのでしょう。レースペーパーをプラの箱に入れた途端、係の人がサッと来て、紙のほうに入れ替えられてしまいました。しっかり、「見張られて」いたようです。

このことをお稽古のときに話題にしました。すごい町があるものだと。するとどうでしょう、「特別」なのは、わが町甲府だったのです。

Sさんは転勤族の奥さんです。去年、静岡から越してきました。向こうでは、家の各部屋にゴミ箱を4個〜5個も用意していたそうです。部屋ごとにです。こうしないと、いざ出すときに手間と時間がかかってどうしようもないというのです。おどろいてはいけません。有価物(資源ゴミ)として紙類を束ねる紐でさえ、ビニールは禁止というところがあるといいます。

その有価物で、いまだによくわからないことがあったので、ちょうどいい機会と聞いてみました。ビンの区別です。
「化粧品のはどうしていけないの?」
「先生、それは製法がちがうからです。有価にはならないのです」
といったあと、こちらが思いつくまま質問する品々の分別を、片っ端から即答します。矢継ぎばやの質問が追いつかないほどの早業です。まるで『電子辞書』、完璧に頭の中に入っているようです。さいごはタバコ。灰は燃えるゴミ、フィルターは燃えないゴミ。間髪を入れない受け答えに脱帽しました。

「甲府はラクすぎます!」
挙句、トドメを刺されました。甲府の人間はよそに行ったら苦労する、という意味です。分別を正確にやらないと、ご近所からクレームがくるのだそうです。やり直しを命じられることもあるとか。松本の例でもわかるように、監視の目が光っています。でもまさか、分別が徹底できないことでいじめられたり、「非国民」あつかいをうけたりはしないでしょうね。分別(ぶんべつ)と分別(ふんべつ)を、混同されてはたまりません。

ゴミの問題では、末端の消費者が必要以上に負担を強いられている気もします。流通する側、さらには生産者・製造者(メーカー)といった元の方で、もっとゴミを出さないような努力をしてほしい。過剰包装を極力おさえるとか、積極的なリサイクル容器の採用とかいったことです。

食品トレーがあります。甲府では、有価物(資源ゴミ)として回収されます。ところが、内側が着色されたものは燃えるゴミです。色があるというので有価物とはなりません。これが結構多いのです。食品の見栄えのためだけなら、即刻やめるべきです。白に統一するか、あるいは色付きでも再生可能な技術を取り入れたらいいのです。

転勤族Sさんは、名古屋の出身です。静岡に負けず厳しいところのようです。Sさんから見たら、分別が簡単な甲府市民は幸福でしょう。でも、よその町がゴミの減量に腐心しているのと比べて、わたしたち甲府の人間は、地球環境に寄与していると胸を張れるでしょうか。

そばにいた若いKさんとNさんにも話をふりました。Mちゃんたち姉妹とおなじ笛吹市民です。
「あなたたちの方が立派よ。ゴミを減らし、資源を大切にしているんだもの」
「わたし、わかりません」「わたしも」
「えっ、どうして?」
ふたりともそろって下をむきました。
「全部、親がやってます」


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