今 週 の レ シ ピ

今年登場した、我が家の「ナス」と「カレー」のコラボレーション!

●ナスのカレー   379kcal.(ごはんのカロリーは入っていません) 塩分1.4g

ナスのカレー [材料]  -4人分-

・ナス4個(400g)
  焼き油大さじ3
  塩少々
・玉葱(たまねぎ)大1個(200g)
・ニンニク1片
・生姜(しょうが)1片
  炒め油大さじ2
・合い挽(び)き肉100g
◎A
  バター大さじ2
  小麦粉大さじ3
・カレー粉大さじ1
◎B
  固形スープの素1個
  水2カップ
  トマトホール缶100g(トマトジュース含む)
  ローリエ1枚
◎C
  塩小さじ1/2
  醤油(しょうゆ)大さじ1
  ウスターソース大さじ1
・バターライス4人分

[作り方]

  1. ナスはヘタを取り、3cm厚さの輪切りにする。
    焼き油を熱したフライパンでナスを焼き、塩を振り、下味を薄くつける。
  2. 玉葱、ニンニク、生姜をみじん切りにし、厚手の鍋で始めの量の1/5位になるまで充分炒める。
  3. 合い挽き肉を加えてさらに炒め、焼いたナス加える。
  4. Aを加えて、小麦粉が充分焼けたら、カレー粉を加えてよく混ぜる。
  5. Bを加え、ゆっくりと煮込み、Cで味付けをして仕上げる。
  6. バターライスを皿に盛り、ナスのカレーを添える。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 前にも書きましたが、主人も娘も「大のナス好き」。以前から、おいしい「ナスのカレー」が食べたいとせがまれていました。
    7月の特別講習「暑いときこそ、暑い国の味!」を計画したのを機会に、新しい味作りに挑戦しました。
    ナスの切り方、下準備、いっしょに煮込むものは…ルーは? と試行錯誤。以前、作ったときは我が家のカレーに、ただナスを油で揚げて混ぜただけでした。「カレーの味はいいけど、ナスらしさがない」と不評でした。
    今回は、「ルー」を煮込む鍋の中で作ってしまいました!「今日のカレー、ルーを作らなかったんだけど・・・」、娘はショックを受けたそうです。「あんなに市販のルーは使わないっていってるのに、とうとう使っちゃったのか」と。「煮込みの鍋の中で、粉を炒める方法にしてみたんだけど」「そうか。びっくりした!」と、思ったことを正直に話してくれました。
    試作ですから、キッチリ4人分作りました。なんと二人で競争のようにして食べ、私は本当に「試食」程度でした。
    やっと、我が家の「ナスのカレー」の、完成です!!
【野口料理学園】

塩 ひ と つ ま み

■リッパな「毒」

この時期、たのしみな食材がふたつあります。海の幸と山の幸と。
海からいうと、なんといっても「カツオ」です。もうそろそろかな、と待っていたところ、来ました来ました、宮城県気仙沼から、活きのいいぷりぷりした1本が。例によって、刺身からはじまって、たたき、照り焼き、角煮(佃煮風)、仕上げは洋風仕立てのガーリックソテーでいただき、心ゆくまで堪能しました。

山なら、「タマゴダケ」でしょう。甲府辺りでは手に入りません。毎年、八ヶ岳のふもとにいる親戚から「採れたよ」という通報があってはじめて、いそいそこちらからもらいに行くのです。じつは私も数年前、親戚からいわれるまで、そのとてつもない美味のほどを知りませんでした。

見るからに毒々しいタマゴダケ でも、このキノコの色を見たら、いくらおいしいといわれても二の足を踏みます。なにしろド派手な色です。橙(だいだい)を帯びた赤で、見るからに毒々しい。根元部分が白くおおわれて、タマゴを割って出てきたような格好から、タマゴダケと呼ばれているようです。

カツオ同様、こちらもそろそろではと思っていたところ、お稽古でNさん(主婦)から話題が提供されました。
先々週のことです。

Nさんたちの無尽の集まりがありました。13人で、年に1回程度の割合で当番がまわってきます。食事の支度もします。ちょうどタマゴダケが手に入りました。そこで、お稽古でならったコンブと鰹の一番出汁(だし)の清汁(すましじる)に、椀だねをタマゴダケにしてだしたところ、

―大好評でした。先生、そういってくれたのが、いちばんのうるさ型だったんです。わたしもう、うれしくて、うれしくて…

してやったりの表情です。その人はふだんから口うるさく、その日も、こちらのタマゴダケを見つけると、「まさかテングダケじゃあるまいな」などと嫌味をいいました。でも、ひとくち口にするや、「こりゃあ、うまい! 京都の一流料亭なみだ」と声をあげ、最大級の賛辞をくれたのだそうです。

さすがのうるさ型も、タマゴダケのおいしさには脱帽したようです。
ただ、うるさ型が嫌味をいうのも無理はありません。半ば本気だったでしょう。テングダケは毒性が強く、人間を死に至らしめるほどの猛毒を持っているからです。皮肉なことにタマゴダケとは瓜二つ。姿・形とも素人では見分けがつきません。しかも、並ぶように一緒のところに植わっているというのですから、いよいよ始末がわるい。よほど見分け方に熟知していないと、とんでもないことになるようです。

それはさておき、絶賛を得てご満悦のNさんは、こう尋ねてきました。
―先生、鰹節削り器と鰹節、どこで買えます?

無尽では、市販の鰹節削り節(出汁用)を使いましたが、次回はぜひ、本物の鰹節を自分で削ったもので作りたいというのです。自信を得て気をよくしたNさんは、さらにレベルを上げ、うるさ型を唸らせようという魂胆(?)のようです。

話を聞いて、尻がむずむずしてきました。こちらも親戚に催促せねばと。たまたま近くにいくという主人に、これ幸いと親戚に寄ってもらい、それとなくタマゴダケの情報にサグリを入れるように頼みました。

やはり、モノはいってみるものです。ずばり的中しました。朝方採ったばかりというタマゴダケを1個、土産に帰宅したではありませんか。その晩は、一年ぶりのタマゴダケの旨さにシビレました。一番出汁でとるこの味は、掛け値なしにマツタケの土瓶蒸しと肩をならべます。われわれ家族三人、あまりのおいしさに声をあげ、手をうち、小躍りしてしまいました。

マイタケ(舞茸)というのがあります。ご存知のように、そのおいしさゆえに、見つけたときは舞うほどの喜びようだといいます。タマゴダケもおなじ。ただし色が色だけに、見つけるのに苦労はありません。喜びはそれを口にしたときで、踊りたくなるほどの感動をおぼえます。

こんどはなんと10本も その二日後、台風7号が上陸、山梨県にも強い雨を降らせました。そして翌日です。親戚から一報が入りました。またタマゴダケが採れたというのです。なんと、10本も。こんどは洋風のスープの浮かし身にしました。これはこれで美味ですが、やはり一番出汁にはかないません。さらにバターで炒め、贅沢にもむしゃむしゃ食べました。これはなかなかでした。さらに、フンギ(キノコ)のスパゲッティにも使い、まさにタマゴダケ三昧の晩餐でした。

タマゴダケは無毒といいますが、どうしてどうして。この「踊り出す」という症状は、一種の「幻覚作用」ともとれます(?) おいしさのあまり「陶酔」や「踊り」におとしいれるというのは、これはもうリッパな「毒」ではありませんか!(もちろん後遺症も副作用もありません)。


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