今 週 の レ シ ピ |
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今年登場した、我が家の「ナス」と「カレー」のコラボレーション!●ナスのカレー 379kcal.(ごはんのカロリーは入っていません) 塩分1.4g
[材料] -4人分-
・ナス 4個(400g) 焼き油 大さじ3 塩 少々 ・玉葱(たまねぎ) 大1個(200g) ・ニンニク 1片 ・生姜(しょうが) 1片 炒め油 大さじ2 ・合い挽(び)き肉 100g ◎A バター 大さじ2 小麦粉 大さじ3 ・カレー粉 大さじ1 ◎B 固形スープの素 1個 水 2カップ トマトホール缶 100g(トマトジュース含む) ローリエ 1枚 ◎C 塩 小さじ1/2 醤油(しょうゆ) 大さじ1 ウスターソース 大さじ1 ・バターライス 4人分
[作り方]
- ナスはヘタを取り、3cm厚さの輪切りにする。
焼き油を熱したフライパンでナスを焼き、塩を振り、下味を薄くつける。- 玉葱、ニンニク、生姜をみじん切りにし、厚手の鍋で始めの量の1/5位になるまで充分炒める。
- 合い挽き肉を加えてさらに炒め、焼いたナス加える。
- Aを加えて、小麦粉が充分焼けたら、カレー粉を加えてよく混ぜる。
- Bを加え、ゆっくりと煮込み、Cで味付けをして仕上げる。
- バターライスを皿に盛り、ナスのカレーを添える。
ポイントはここ
- ナスは、ゆっくり煮込むとくずれやすいので、厚さは少なくとも3cmは必要です。それを、表面に少し焼き色がつく位よく焼きます。完全にやわらかくならなくても、香ばしそうな焼き色をつけてください。
- 玉葱、ニンニク、生姜のみじん切りは、茶色になるまでゆっくり炒めます。(「カレーライス」参照)
玉葱の量 玉葱、ニンニク、生姜を1/5量に
- 玉葱などを炒めた鍋で合い挽き肉をさらに炒め、焼いたナスを加えます。
合い挽き肉を加えて炒める 焼いたナスを加える
- 「カレーのルー」は作りません。煮込み用の鍋にバターを溶かし、小麦粉を玉葱、肉などといっしょに茶色になるまで炒め、鍋底に小麦粉の茶色の膜を作ります。
バターを溶かす。 小麦粉を振り入れる。 鍋底が茶色になるまで
- カレー粉の量は、好みで加減してください。辛さがほしいとき、カレー粉は1.5倍位にして、ちがう辛さ、たとえば唐辛子(とうがらし)、豆板醤(とうばんじゃん)などを使ってみてください。
- 味付けは「我が家流」です。塩味が基本、あとは醤油、ウスターソース(我が家はトンカツ用中濃です)で風味付けです。
トマト缶の果肉とジュースを加える ゆっくり煮込む
- ごはんは、これも好みでしょう。白い炊き立てごはん派、バターライス派、最近ではサフランライスも流行(はやり)のようですが…。
ちょっと一言
- 前にも書きましたが、主人も娘も「大のナス好き」。以前から、おいしい「ナスのカレー」が食べたいとせがまれていました。
7月の特別講習「暑いときこそ、暑い国の味!」を計画したのを機会に、新しい味作りに挑戦しました。
ナスの切り方、下準備、いっしょに煮込むものは…ルーは? と試行錯誤。以前、作ったときは我が家のカレーに、ただナスを油で揚げて混ぜただけでした。「カレーの味はいいけど、ナスらしさがない」と不評でした。
今回は、「ルー」を煮込む鍋の中で作ってしまいました!「今日のカレー、ルーを作らなかったんだけど・・・」、娘はショックを受けたそうです。「あんなに市販のルーは使わないっていってるのに、とうとう使っちゃったのか」と。「煮込みの鍋の中で、粉を炒める方法にしてみたんだけど」「そうか。びっくりした!」と、思ったことを正直に話してくれました。
試作ですから、キッチリ4人分作りました。なんと二人で競争のようにして食べ、私は本当に「試食」程度でした。
やっと、我が家の「ナスのカレー」の、完成です!!【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■リッパな「毒」この時期、たのしみな食材がふたつあります。海の幸と山の幸と。
海からいうと、なんといっても「カツオ」です。もうそろそろかな、と待っていたところ、来ました来ました、宮城県気仙沼から、活きのいいぷりぷりした1本が。例によって、刺身からはじまって、たたき、照り焼き、角煮(佃煮風)、仕上げは洋風仕立てのガーリックソテーでいただき、心ゆくまで堪能しました。山なら、「タマゴダケ」でしょう。甲府辺りでは手に入りません。毎年、八ヶ岳のふもとにいる親戚から「採れたよ」という通報があってはじめて、いそいそこちらからもらいに行くのです。じつは私も数年前、親戚からいわれるまで、そのとてつもない美味のほどを知りませんでした。
でも、このキノコの色を見たら、いくらおいしいといわれても二の足を踏みます。なにしろド派手な色です。橙(だいだい)を帯びた赤で、見るからに毒々しい。根元部分が白くおおわれて、タマゴを割って出てきたような格好から、タマゴダケと呼ばれているようです。
カツオ同様、こちらもそろそろではと思っていたところ、お稽古でNさん(主婦)から話題が提供されました。
先々週のことです。Nさんたちの無尽の集まりがありました。13人で、年に1回程度の割合で当番がまわってきます。食事の支度もします。ちょうどタマゴダケが手に入りました。そこで、お稽古でならったコンブと鰹の一番出汁(だし)の清汁(すましじる)に、椀だねをタマゴダケにしてだしたところ、
―大好評でした。先生、そういってくれたのが、いちばんのうるさ型だったんです。わたしもう、うれしくて、うれしくて…
してやったりの表情です。その人はふだんから口うるさく、その日も、こちらのタマゴダケを見つけると、「まさかテングダケじゃあるまいな」などと嫌味をいいました。でも、ひとくち口にするや、「こりゃあ、うまい! 京都の一流料亭なみだ」と声をあげ、最大級の賛辞をくれたのだそうです。
さすがのうるさ型も、タマゴダケのおいしさには脱帽したようです。
ただ、うるさ型が嫌味をいうのも無理はありません。半ば本気だったでしょう。テングダケは毒性が強く、人間を死に至らしめるほどの猛毒を持っているからです。皮肉なことにタマゴダケとは瓜二つ。姿・形とも素人では見分けがつきません。しかも、並ぶように一緒のところに植わっているというのですから、いよいよ始末がわるい。よほど見分け方に熟知していないと、とんでもないことになるようです。それはさておき、絶賛を得てご満悦のNさんは、こう尋ねてきました。
―先生、鰹節削り器と鰹節、どこで買えます?無尽では、市販の鰹節削り節(出汁用)を使いましたが、次回はぜひ、本物の鰹節を自分で削ったもので作りたいというのです。自信を得て気をよくしたNさんは、さらにレベルを上げ、うるさ型を唸らせようという魂胆(?)のようです。
話を聞いて、尻がむずむずしてきました。こちらも親戚に催促せねばと。たまたま近くにいくという主人に、これ幸いと親戚に寄ってもらい、それとなくタマゴダケの情報にサグリを入れるように頼みました。
やはり、モノはいってみるものです。ずばり的中しました。朝方採ったばかりというタマゴダケを1個、土産に帰宅したではありませんか。その晩は、一年ぶりのタマゴダケの旨さにシビレました。一番出汁でとるこの味は、掛け値なしにマツタケの土瓶蒸しと肩をならべます。われわれ家族三人、あまりのおいしさに声をあげ、手をうち、小躍りしてしまいました。
マイタケ(舞茸)というのがあります。ご存知のように、そのおいしさゆえに、見つけたときは舞うほどの喜びようだといいます。タマゴダケもおなじ。ただし色が色だけに、見つけるのに苦労はありません。喜びはそれを口にしたときで、踊りたくなるほどの感動をおぼえます。
その二日後、台風7号が上陸、山梨県にも強い雨を降らせました。そして翌日です。親戚から一報が入りました。またタマゴダケが採れたというのです。なんと、10本も。こんどは洋風のスープの浮かし身にしました。これはこれで美味ですが、やはり一番出汁にはかないません。さらにバターで炒め、贅沢にもむしゃむしゃ食べました。これはなかなかでした。さらに、フンギ(キノコ)のスパゲッティにも使い、まさにタマゴダケ三昧の晩餐でした。
タマゴダケは無毒といいますが、どうしてどうして。この「踊り出す」という症状は、一種の「幻覚作用」ともとれます(?) おいしさのあまり「陶酔」や「踊り」におとしいれるというのは、これはもうリッパな「毒」ではありませんか!(もちろん後遺症も副作用もありません)。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
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