今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(4月第4週)のメニューより● 筍御飯 (たけのこごはん) ● 326kcal. 塩分1.4g
[材料] -6人分-
・筍 100g ◎A 煮出し汁 1/2カップ 醤油 大さじ3 酒 大さじ2 塩 小さじ1/2 ◎B 鶏肉 80g 干し椎茸 3個 鳴戸(なると) 1/3本 ・米 3合(180cc×3) ・水 2.5カップ(200cc×2.5)
[作り方]
- 筍…皮つきのまま、ぬかと唐辛子を入れて、竹串が通るくらいまで茹で、冷めるまでつけておく。
皮をむいてきれいに洗う。2a長さの短冊切りにし、Aの中につけ込む。
鶏肉…小さ目のそぎ切り。
干し椎茸…水で充分にもどして、せん切り。
鳴戸…縦二つ割りにして、薄切り。
米…といでザルにあげ、30分〜1時間おく。- 厚手の鍋に米と水、切ったBを加え、火にかける。沸騰したら1の筍を加え、木杓子で充分かきまぜ、鍋の中の米を平らにしてふたをし、もう一度沸騰させる。
- 沸騰したら7〜8分中火にし、水が引いたところで7〜8分弱火にする。
- 芯が切れていたら10秒間強火にし、火からおろし、冷たいタオルの上に5〜10分おく。
- ボールに4の御飯をあけ、全体を軽く混ぜてから茶碗に盛る。
ポイントはここ
筍の選び方筍の茹で方
- 筍は3〜5月頃が旬です。コロッとして背が低く、根の切り口が新鮮でみずみずしいもの。指の爪で簡単に傷がつけられるものを選びましょう。
- 掘りたてはほとんどアクがなく、生でも食べられます。時間が経つにつれて、アクが強くなります。したがって、できるだけ早く茹でてしまいましょう。
筍御飯の炊き方
- 土がついている皮はむき、先端を斜めに切り落とします。皮に縦に軽く包丁を入れます。そのまま鍋に入れ、ぬかをたっぷりかけ、唐辛子を入れ、水を加えます。火にかけ、竹串が通るくらいまで茹でたあと、そのまま冷めるまでつけておきます。皮をむき、きれいに洗って使います。残りはきれいな水に入れて、冷蔵庫に。なるべく早く使ってください。
むいて切る ぬかで茹でる 水に入れる
- ぬかは筍のアクをとるため、唐辛子は防腐剤として加えます。
- 厚手の鍋で御飯を炊く方法はいろいろありますが、今回は、筍に下味をつけること、筍の香りを大切にすることを考えてみました。
米をといでザルに上げ、30分〜1時間おいて充分水気を切り、同時に米にたっぷり水分を含ませます。
その間に、筍を歯ざわりよくするために繊維にそって短冊切りにし、煮出し汁と調味料を合わせた中につけこんで、下味つけをします。- 筍は歯ざわり・香りはありますが、出汁(だし)となって御飯をおいしくする成分が足りない気がします。そこで、鶏肉・椎茸などを加えると、うま味が増します。ほかに、いろどりとして今回は鳴戸を使いました。紅いかまぼこもよいでしょう。
- 沸騰したところへ、下味つけした筍を汁ごと全部加えますが、かならず木杓子で手早く全体を混ぜます。混ぜ方が足りないと、醤油の色がまだらになります。
- 混ぜたあとは、表面が平らになるように木杓子でならします。米や具が、汁気より飛び出していないことです。
Bを加える 沸騰させる 筍を加える よく混ぜる
- 筍を加えたあと、もう一度沸騰したら、沸騰が止まらない程度の中火にし、7〜8分おきます。これで、ほぼ水気がなくなります。
さらに7〜8分、弱火にかけておきます。今度は米の「芯」が切れます。指で御飯つぶをつぶして、指に何もあたらなければ大丈夫です。最後に、一番強い火を「10秒」かけます。中に残った水分を追い出してあげるのです。
ほぼ水気がなくなる はとんど水気がなくなる
- 火からおろしたら、冷たい台ふきんの上に鍋をおき、5〜10分鍋底を冷やします。これで鍋には一粒も残さず、御飯を別の器に移せます。移したら、具が平均になるように混ぜて、でき上がり。
- 全体に乾いたふきんをかけてあげると、炊きたてのアツアツの御飯からの蒸気を吸い取るので、御飯がさっぱりとします。
鍋底を冷やす 別の器に移す
ちょっと一言
≪組み合わせメニュー≫
- 調理に使う計量カップは、現在200ccを1カップとしています。炊飯器についている米を計るカップは、1杯が180ccです。これは、米を計る単位の「一合分」に相当します。米びつの目盛りも、この「合」になっているものがほとんどです。みなさんは、米は米専用の単位「合」で毎日計っていませんか? 炊飯器の目盛りも「1」「2」「3」とあるのは、「合」になっています。したがって鍋で炊くときも、私は米は「合」で、水は計量カップ「CC」を使っています。
- この筍御飯の場合
米(3合)180cc × 3=540cc
水分(米3合の2割増)540cc × 1.2=648≒650cc
必要な650cc のうちから筍をつけこんだ
煮出し汁 100cc + 醤油 45cc (15×3)+ 酒 30cc(15×2)=175cc
を差し引いた分 475cc (650cc −175cc )が、最初に米に入れる水となります。
化学実験ではありませんので(?)約500cc と考え、水は2.5カップとしました。(算数のお勉強みたいで、ゴメンナサイ…)
- 厚手の鍋がなかったり、ちょっと火加減に自信がない人は、炊飯器で炊いてみてください。ただし、釜に入れる順序をまちがえないように。
- 洗った米
- 煮出し汁、醤油、酒、塩
- 「3」の目盛りまでの水
- 筍、鶏肉、椎茸、鳴戸の切ったもの
あとは、木杓子でよくかき混ぜて表面を平らにし、スイッチオン。
ただし、すべて用意してから1時間以上経っていたら、もう一度木杓子で全体をかき混ぜ、スイッチを入れてください。そうしないと、調味料が下に沈んで、下だけが茶色い御飯になりがちです。
◎かき玉汁
◎鶏のつくね煮
◎わかめと甘夏の酢の物
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■同時入学
- 先日、お稽古をはじめたいという娘さんに付いてきたお母さんがいます。30数年前の当学園の卒業生でした。娘がちゃんと料理を習いたいというので、自分が卒業した学校に連れてきたのだそうです。当時と同じ場所でやっていますから、今、どんなになっているのか見てみたい気持ちもあったのでしょう。
- 私が先代の園長(母)に手伝いはじめた頃です。まだ大学生でした。化け学を専攻、将来は南極観測の越冬隊員になって南極大陸でペンギンと戯れたいと夢見ていました。当時はまだ女子にその資格がなく、解禁されたのはほんの数年前です。残念ながら夢はかないませんでした…。
- 高度経済成長期、日本中が駆けずり回っていた時代です。少しでも多く、少しでも上に、少しでも前にと、上昇志向にとり憑かれていました。料理のお稽古は、お茶、お花とならんで花嫁修行の必須科目でしたので、適齢期の娘さんは当然のように料理学校に通ってきました。何をするにも人が大勢いて競争です。今のように、少人数で手取り足取りのゆったり授業ではありません。皆それは熱心でした。ひと月分のテキストを渡すと、全員とはいいませんが、予習・復習を欠かしません。事前に家で練習してきて、教室でそれを修正し、あとでまた帰ってから確認する。一つのメニューを3回は作ったはずです。だから、レシピを読み込む力がありました。たくましいほど、自分でやりました。テキストがボロボロになったので新しいのを譲ってください、という人が少なくありませんでした。料理書はぼつぼつ出ていましたが、写真など今ほど豊富に載っておらず、きれいでもなかったのです。
- そういう荒波の時代を生きてきたお母さんであれば、わざわざ料理学校によこさなくても、家で娘さんに教えられるでしょうに。こんな余計な質問に、そのお母さんは応えました。「私も家で母に教わっていましたが、その母から料理学校に行きなさいと言われたのです。そして、それが正解でした。だから、娘にもそうさせます」。こうもつけ加えました。「ついでに、体験入学として一緒に授業を受けさせてくださいな」
授業が終わったあとです。懐かしかった、の感想を予想していたら、「娘と一緒に入学させてください。もう一度、やりたくなりました」。どこまでも意欲的なお母さんです。飽くことなく上をめざします。時代の申し子というべきでしょう。- 当学園は50年になります。母親が卒業生という生徒さんがたくさんいます。このOG のように、お母さんが再入学で娘さんと同時入学というのは、確か初めてです。母娘同時入学は、短期間ですが、以前にありました。また、娘さんと同時ではありませんが、本人が再入学し再卒業したケースもあります。兄妹、姉妹、いとこ同士、カップルもいました。変り種は、お父さんと娘さんです。それだけでも珍しいのに、基礎コースと2年目コースを同時進行で週に2回、父娘で通って1年後見事に卒業しました。
いま現在、夫婦で通っている方もいます。家族や肉親、親族のつながりはほのぼのとします。そのうち、「おばあちゃんと一緒の入学」とか「おばあちゃんが卒業生」もあらわれるでしょうね。どんな異色の組み合わせが登場するか楽しみです。
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