今 週 の レ シ ピ

まだまだ暑い日が続いています。冷たいスープはいかがですか。

●冷製ポテトスープ

冷製ポテトスープ [材料]  -6人分-

・ポテト中2個
・日本葱(にほんねぎ)1本
・玉葱(たまねぎ)1個
・セロリ1/2本
  バター大さじ1.5
◎A
  水4カップ
  固形スープの素1個
・生クリーム1カップ
◎B
  塩小さじ2/3
  胡椒(こしょう)少々
  ナツメグ少々
◎C
  刻みパセリ少々
  浅つき少々

[作り方]

  1. ポテトは皮をむき、1cm角に切る。
  2. 日本葱は縦(たて)半分に切り、小口から5mm厚さに切る。
  3. 玉葱、セロリは5mm角に切る。
  4. 玉葱、セロリをバターでしんなりするまで色をつけないように炒め、日本葱、ポテトを加えて軽く炒め、Aを加えてやわらかく煮て、裏ごしにかける。
  5. 4を鍋にもどし、調味し、ボールにあけて充分冷やす。
  6. 冷たくしておいた生クリームを加え、味を確かめて、器(うつわ)に盛り、Cを浮かす。
ポイントはここ
    材料と切り方
  • 材料は大きさをそろえて切ります。火の通りがそろうのと、裏ごし(またはミキサー)にかけたとき、早く滑らかになります。
  • ポテトと生クリームが主になる材料です。クリーム色が大切です。バターで炒めると茶色になりがちですから、充分気をつけてください。
  • 裏ごし(またはミキサー)にかけたら、調味してから充分冷やします。先ず、冷水。熱が取れてから氷水でさらに冷やします。

    色に気をつけて ミキサーにかける 初めは冷水で

    生クリームは充分冷やして

  • 生クリームは充分冷やしてからご使用ください。また加えるのは食卓に出す前にします。

ちょっと一言
  • 「ポイントはここ」の写真は裏ごし、ミキサーを使わず、手に持って、鍋に直接入れて使う「ハンディ」タイプのものです。熱いスープをミキサーにあける必要がなく、とても便利です。
  • 生クリームは濃厚だけでなく、カロリーも高いので、カロリーが気になる方はかわりに牛乳を入れてみてください。
【野口料理学園】

塩 ひ と つ ま み

■真夏の定番

夕方、郊外の間道を走っていたときだった。右脇を追い抜こうとした車が横に停まった。助手側の窓を開けてこっちを呼ぶ。

―ねえ、ちょっとちょっと。

てっきり道を訊かれるものと思い、車のほうへ寄っていった。坂道で苦しいなか、ペースを乱されるのはいやだったが、小さな親切、迷っているなら教えてあげようと思った。

―あなたね、もっと道の端を走らなきゃダメよ。

―はーっ?

真ん中を走っていたわけではない。いつものように、できるだけ路肩を進んでいた。すでに何台か追い越して、一度としてクラクションを鳴らした車はいない。

私はポカンとしていた。
“私だからいいようなものの…”。ぶつぶつ言い残して、車は走り去った。六十代か七十代、淑女然としたわりあい品のいい老女で、真っ赤な軽自動車に、日よけ用の白く長い手袋が印象的だった。

きびすを返し、きた道を確かめずにはいられなかった。キープレフト。こちらに落度はない。なにゆえに、わざわざ車を停めてまで注意するひつようがあるのだろうか。

ランニングをはじめて9年。面と向かってこんな「お叱り」を受けたのは初めてだ。センターラインもサイドラインもない。車同士、何もなければすれ違いは可能である。が、人ひとり犬一匹でもいると、どちらかの車が譲らなければ通れない。しかも坂。ところどころ林がかぶって薄暗いところがある。それかどうか、車の往来はすくない。こちらもそこが付け目で、最近この道を見つけて走っている。

あの熟女は、車に接触しないよう、親切心から注意をくれたのか。そうは見えなかった。屋敷内に賊が侵入したような不快感をもったのかもしれない。言い掛かりというものである。狭いとはいえ、公道を私物化している。

危ないんだったらよけて通ってくれればいいのだ。スペースがないわけではない。ハンドルを切るのが億劫か。だったら、たんにものぐさか運転が下手ということになる。本人はゼッタイ認めたがらないだろうが。

また会うにちがいない。そしてまた何か言うに決まっている。“言ったでしょ、もっと左に寄りなさいって”。それとも、“もっと早く走りなさい”“ゆっくり走って”とか。ことによったら、“車が来たら止まるのよ”。さらに過激に、“この道は通らないで”。それだって言いかねない。未熟な運転を棚に上げ、いいように邪魔者扱いしてくれる。思い上がりも甚だしい。

だんだん腹が立ってきた。許せないのは、人より車優先という考えだ。凝り固まってテコでも動きそうにない。こっちだってせっかく見つけたコースである。車がすくなく、適当に傾斜がかかって願ってもない条件だ。簡単には引き下がらないぞ。どうやったら、あのオバサンを説得できるか。いや、ギャフンと言わせるかだ。

待てよ。地元の人間と決め付けているが、ナンバーを確かめたわけではない。藪から棒のお小言にたじろいで、確認する余裕はなかった。県外車(者)ということもある。であれば、闖入者は向こうである。ヨソの土地でしかも初対面であんな言動をとれるとしたら…これはこれでたいしたもの。ことの良し悪し、好き嫌いは別にして感心してしまう、その図々しさに。図々しさもここまでくれば度量かも。呆れるほかはない。

あれから1週間、こんな気持ちで“武装”しつつ、追い越していく車に赤い軽を探しているが、いまだに見つかっていない。脇から声もかかってこない。なんだか狐につままれた感じがあるにはある。頃は真夏、時刻は夕暮れ、通りのすくない道の端。“ちょっとちょっと…”。「車」に「オバサン」はひっかかるが、舞台装置はそろっている。いささか背筋が冷たくなってきた。しばらくは、あそこを通るのはやめにしようか。(お)

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