今 週 の レ シ ピ |
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◇シンプルな味が魅力です●豚肉と小松菜の炒め物 164kcal. 塩分1.7g
[材料] -6人分-
・豚もも肉 200g ◎A 醤油(しょうゆ) 大さじ1 酒 大さじ1 片栗粉 大さじ1 ・小松菜(こまつな) 300g ◎B 油 大さじ2 塩 小さじ1/2 ・生姜(しょうが) 1かけ ・油 大さじ2 ◎C 酒 大さじ1 醤油 大さじ2 うまみ調味料 少々
[作り方]
- 豚肉は一口大(ひとくちだい)に切り、Aで下味をつける。
- 小松菜は洗ってから茎を5〜6cm、葉先は4cm長さに切る。茎と葉先は、分けておく。
- 中華鍋を熱し、油を入れ、少し薄い煙が出始めたら塩をふり入れる。
- 小松菜の茎を入れ、手早く炒め、色が変わったら葉先を加え、八分通り炒めて取り出す。
- 中華鍋をサッと洗い、火にかけて乾かし、油を熱する。
- みじん切りの生姜(しょうが)と豚肉を入れ、中火で炒め、小松菜をもどし、強火にしてサッと混ぜ、Cで調味して火を止め、盛り付ける。
ポイントはここ
- 豚肉の下味は、醤油、酒をよくもみ込んでから片栗粉をまぶします。
- 小松菜は、茎や葉を広げるようにしてよく洗います。茎と葉では火の通りがちがいますので、分けておきましょう。
豚肉の下味付け 小松菜の切り方・分け方
- 小松菜を茹(ゆ)でないで、塩の力を借りて高温で手早く炒めます。中華鍋をよく焼いて、油を高温(200℃)に熱し、強火で手早く小松菜を炒めること。この3点が、青々とそしてシャキッと炒めるコツです。
茎から炒める 八分通り炒め、取り出す
- 豚肉を炒めて、小松菜をもどしたら、「強火で手早く」調味料を混ぜ、仕上げます。火力が弱いと、小松菜から水分が出てしまいますので、ご注意。
豚肉を炒める 小松菜をもどす
ちょっと一言
- 小松菜はビタミンA、C、鉄分、カリウムを含む緑黄色野菜です。アクが少ないので、炒め物に向きます。油を使うことで、ビタミンAが吸収されやすい状態になります。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■思わぬ拾い物健康診断を受けた。4年振りである。今回、はじめての検診をいくつか経験した。
ひとつは超音波(エコー)検査。体験者から、透視しやすいように直前に塗られるクリームだか液だかが、ヒヤッとするほど冷たいからとの注意を得ていた。が、まったくそれはなかった。塗られはしたものの、温度差はほとんど感じなかった。つぎなる初体験は内視鏡。胃の検査を行なったのだが、これも別の経験者から、あれは痛いぞ、きついぞとさんざん脅かされ、これに刺激されたこちらの想像力が加わり、前夜からの「絶飲食」の状況の中で、あれもこれもいっしょくたに攪拌させられて戦々恐々の思いでのぞんだ。
検査前にさせられたウガイの“麻酔液”というのもはじめてだった。2分間ずつ2回の顎上げ状態にうんざりするころ、喉元の感覚はすっかり失われていた。穴あきピースをかまされ、心臓を下に横半身になると、あっという間もなく、なにかが口の中に入っていった。
喉や胸元にジワーッとした違和感・圧迫感はあっても、痛くはない。口に棒を突っ込まれた状態でできることといえば、せいぜい情けないわが身を想像すること。こんな格好を見たら、自分でも笑い転げるだろう。そんなモノはごめんだが、ぜひ見たいと思ったのはモニターに映る自分の胃の中の様子である。期待に反してお目にはかかれなかった。だが、わたしのような要望はないのだろうか。そのことを訴えようにも、口が塞がれていてできない。たとえ口が自由になっても、麻酔でしびれた舌ではことばにならなかったろう。
つぎは、はじめてではないにしても限りなくそれに近い。
「これ、使ったことありますか?」
検査の3日前、そういってわたされたものがある。団塊世代としってのことだろう。一瞬、耳かき?と思ったから、質問は的を射ていたことになる。ビローな話で申し訳ない、採便器具である。図解入りの説明書きが同封してある。透明な入れ物とともに、使い方をとくと説明された。なにしろ「マッチ棒・マッチ箱」の世代である。前回の検便はいつだったか、まるで思い出せない。その必要もないほど健康だったといえるわけだが、世の中、変わった! と、つくづく嘆息せずにはいられなかった。
マッチはもはや家庭の常備品ではなくなっている(スーパーでは売っているらしいが)。昔なら街を歩いても喫茶店に入っても、またかと思うほどたくさんもらった。もってこいの宣伝媒体だった。今のティッシュ以上に。それがライターなどの着火具に駆逐されたのだろう、あの図柄に富んだ四角い箱は、ほしくても手に入らない。とくに宣伝用は。それもそのはず、マッチの生産量は1973年の80万マッチトン(1マッチトンはマッチ30万〜40万本)をピークに、昨年は3万マッチトンにまで激減しているそうである。ということは、僅かながらも需要はあるということだ。
現にわたしは利用者の1人である。この時期の登山には必携となる。携帯用コンロの点火に用いるのだ。3000m、−10℃以下の高所寒冷地では、ライターは点きがわるい。火の有無は生死を分かつから、恐くて使えない。おなじ火付け道具でも、どこかマッチは温かい。独特の音と臭いと炎の形は、凍えた体と気持ちに和みと懐かしさをあたえてくれる。
あの愛くるしい棒と箱は、じつに多目的に使われた。たとえば先述した耳かき。間違えるのも無理はない。妻楊枝としても愛用された。ゲームや遊び道具、また手品の小道具などとしてつねに身近にあった。万能の代用品は、新聞紙とならんで日常欠かせないものだった。
あまたある用途の中で、他の追随を許さなかったのが、例の検便容器である。若い人に言えば、その斬新な発想(!?)にたまげるだろう。かつての日本国民がどれほど世話になったか、われわれはマッチにたいして、感謝してもしきれない。今でこそ使い道は限られているが、ふたたび出番がまわってこないともかぎらない。それに、凝縮したキャンバスに描かれた多彩なデザイン、あれに魅入られる蒐集家も少なくないと聞く。130年ともし続ける小さな火は、こうした根強い人気に支えられてこの先も消えることはないだろう。
ひさしぶりの検診で、マッチの存在を見直した。思わぬ拾い物をした気分である。(お)
【野口料理学園】
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