今 週 の レ シ ピ

専攻科のメニューより
●わっぱ飯(めし)

わっぱ飯(めし) [材料]  - 4人分-
・ごはん4人分
◎A
  塩小さじ1/2
  うま味調味料少々
≪具≫
  生鮭2切れ
   ◎照り醤油
     醤油(しょうゆ)大さじ1
     みりん大さじ1
  エビ4尾
   塩/酒少々
  カマボコ4枚
  生椎茸(なましいたけ)4枚
   塩少々
  三つ葉8本
  インゲン4本

[作り方]

  1. 冷やごはんにAで味つけし、わっぱに盛る。
  2. ≪具の準備≫   
        
    1. 生鮭は2つに切り、照り醤油をつけ、直火(じかび)焼きにする。   
    2. エビは殻(から)をむき、塩と酒につける。   
    3. 生椎茸は飾り切りにし、軽く塩をふる。   
    4. 三つ葉はゆでて、結び三つ葉にする。   
    5. インゲンはゆでて、斜めに細く切る。   

  3. 1の上に2とカマボコを彩(いろど)りよくのせ、蒸し器で蒸す。
ポイントはここ
  • ごはんは冷凍、冷蔵、炊き立てなど、どの状態でも大丈夫です。ただし、冷凍、冷蔵は電子レンジにかけて、常温にもどしてから使ってください。
  • 上にのせる具は、それぞれにあった下味をつけます。また、火の通りにくいものは、加熱してください。
  • よく蒸気の上がった蒸し器で蒸し、アツアツのところを食卓へ出しましょう。

    わっぱに彩りよく 蒸し器でアツアツに

ちょっと一言
  • 母がとても大切にしていた郷土料理研究会「柊会(ひいらぎかい)」(1)(2)の会員のお1人、新潟の先生から教えていただいたものです。
    鮭とイクラがたっぷりの豪華版、と母の口癖。私も新潟を訪れた際、郷土料理のお店でアツアツのところをいただきました。
    我が家では、鮭とエビはかならずのせますが、あとは栄養、味つけ、彩りなどがバランスよく組み合わせてあれば大丈夫です。みなさんの家の「わっぱ飯」をお楽しみください。
塩 ひ と つ ま み

■「男」

「料理ができる男がモテる時代!?」
こんな見出しのニュース記事がインターネットに載っていました。
本当かな? と思います。

「今、にわかに料理ができる男が人気を集めている」のだそうです。
テレビのバラエティー番組で、男性タレントの△△が料理の腕をふるっている。某俳優が某番組で料理に挑戦。有名人のだれそれは料理がうまい。意外、あのヒトも料理が得意なんだ。etc.

これまで、食べるほうだけに傾きがちな食への関心が、いよいよ作ることにも向けられてきた、と歓迎したいところではあります。

その風潮の根拠として、記事ではつぎのように言っています。ORICON STYLE(どういうものかよくわかりませんが)の調査結果によれば、「やってみたい習い事ランキング」の男性編で、語学、法律系資格などについで、料理は「堂々の6位」にランキング入りをしているというのです。

そう言っているのはもっぱらテレビを中心としたメディアで、タレントや芸能関係者の間だけの話じゃないの、と思われるフシがないでもありません。「今、にわかに〜」が、ひっかかります。

とは言え、若い人にとってメディアの影響力は絶大ですから、世の中の流れとして無視はできません。意図的にアオッテいるにせよ、「男も料理する時代だと思う」「男も料理ができたほうがかっこいい」「自分でおいしいものを作れるようになりたい」などといった発言にあるように、男性が自分で料理することに関心をもってくれるのは、料理学校として正直うれしくもあり、コノマシイ現象です。

この現象は、10代から40代まで幅が広いというのですが、さらに50代から上の世代にも、じつは別の理由からじわじわ及んでいるらしいことがわかりました。

「定年離婚」。
いわゆる団塊の世代(私もその1人です)が、60歳の定年を迎える来年あたりから、奥さんがその時をまってご亭主に三行半を突きつけるというコワイお話です。会社勤めをしていたご主人が、定年で仕事を辞めることによって、一日中家にいるようになります。それまで、夫の勤務時間は自分の時間として自由にやりくりしてきたのができなくなります。家にいてぶらぶらされては、妻にとってストレスはたまる一方。そこでひとおもいに、家からも夫からも解放されて残りの人生を楽しみたい、というわけです。

これを強力にバックアップする制度ができるそうです。定年後、退職した夫に支給される年金が、離婚しても妻が半分もらえるという制度(2007年4月施行の「離婚時の年金分割制度」と2008年4月からの「第三号分割制度」)。経済的な裏づけがあればもうガマンすることはないとばかり、妻たちは虎視眈々とその時のくるのをまっているといいます。

定年後、のんびり暮らしたいと思っている夫にとって、このような謀反の計画は想像もしていないでしょう。そこで「妻に離婚されないように」、せめて1日1食昼食ぐらいは自分で作れるようになりたい。そのために料理をならう。こんな構図が成立するらしいのです。

なんだか、料理をダシにした引き止め作戦のようで切ない気分にさせられます。おなじ男の料理でも前半の華やかな現象と比べると、いかにもワビシク、タソガレタ感じです。でもこれを機に、「夫は外で仕事、妻は内で家事」というこれまでの役割分担を根本から考え直す必要がありそうです。

この若い層のかっこいい現象が、一時的なもので終わらないように祈ります。そうすれば、やがてその人たちが熟年をむかえても、当たり前のようにごく自然に家事をサポートし、夫婦共有する時間をゆっくりたのしむことができるようになるでしょう。それまでは、「料理ができる男」「男の料理」などと前後に「男」がくっついて、ことさら男性が強調される時代はもうしばらく続きそうです。

【野口料理学園】

§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】  ichiban@kateiryouri.com


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