今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(7月第3週)のメニューより● 水餃子 ● 1個分 37kcal. 塩分1個分 0.2g
[材料] -40個分-
◎皮 強力粉 200g 水 100〜110g ◎中身 豚薄切り肉 200g ニラ 60g 生姜 10g 卵 1/2個 ◎A 醤油 大さじ1 オイスターソース 大さじ1 ごま油 大さじ1 塩 小さじ1/3 うま味調味料 少々
[作り方]
- 強力粉に、水を少しずつ加えながらよく練る。
少し寝かせてから、直径3a位の棒状にのばし、まわしながら長さ1.5 aに切り、丸める。
打ち粉をしながら、麺棒で直径6〜7aにのばす。- 豚薄切り肉を包丁で細かく切り、生姜のみじん切り・卵を加え、Aで調味し、よく練り、最後にニラのみじん切りを混ぜる。
- 1の皮に、2の具を包む。
- たっぷりの湯に餃子を入れ、沸騰したら差し水をし(2回目の沸騰も同様)、3回目に沸騰したら取り出す。
- 大皿に茹でた餃子をならべ、何もつけずにいただく。
ポイントはここ
- 生地を作ります
- モチモチとした腰の強い皮は、グルテンの多い強力粉を使います。
ボールに粉を入れ、水を3回位に分けて加えます。水を加えるごとに菜箸でよく混ぜます。いきなり手で混ぜようとすると、手についてしまいます。菜箸でひとまとめにしてから、手で体重をかけてこねます。
生地が手につかなくなり、ボールについている生地も全部とれ、生地が一つにまとまって表面がなめらかになったら、丸めて、こねるのに使ったボールに入れます。
こねていたボール、手、生地の三つともきれいになったら、生地の練り上がりです。- 練り上がった生地の入ったボールに、ぬれ布巾をかけて30分位室温(20〜30℃)におきます。強力粉のグルテンを活性化させ、弾力のある生地にするためです。(生地を「休ませる」とか、「寝かせる」といいます)
- 「あん」を作ります
- 生地を休ませている間に「あん」(中身)を作ります。
肉の種類、部位、加える野菜、調味料の種類に決まりはありませんが、切り方、混ぜ方の最低のルールを守って自分の味を開発してください。- 肉は、加える野菜と相性のよいものを選びます。できれば挽き肉より荒挽き肉を、また薄切り肉を自分で細かく切るほうが、よく練ると繊維が出てきて、この繊維が野菜を包んで肉と一体となり、おいしさが増します。
- 豚肉を使う場合、脂っぽいのが好きならバラ肉、さっぱりしたのがよい人は脂身の少ないモモ肉、肉汁を含んだものがよかったら肩肉、うまみが望みならロース肉がよいでしょう。これらをいろいろな割合でミックスしても、もちろんOKです。
- 刻んだ肉の中へ生姜のみじん切り、割りほぐした卵を加え、まずはよく混ぜます。つぎに醤油、オイスターソース、塩、うま味調味料の順に加え、そのたびに練るようによく混ぜ、最後にごま油を加えます。こうすると「あん」にきちんと味がつき、粘りも出ておいしくなります。
- 繊維が出てくるまで混ぜたら、ニラのみじん切りを混ぜ、さらによく練ります。これで「あん」のでき上がりです。
- 生地から皮を作ります
生地を分割 円盤状にする 麺棒でのばす
- 30分位たった生地を台に取り出し、もう一度よく練り直し、生地につやが出てなめらかになったら練り上がりです。
- 生地を4等分し、それぞれ直径2〜3aの棒状にして包丁で10等分に切ります。慣れてきたら、手でちぎってもよいでしょう。一つずつを丁寧に丸めたあと、両手のひらでおさえて直径3〜4aの円盤状にします。
- 小さい麺棒で、一つずつのばします。左手で生地のはしを持ち、右手で麺棒を生地の外側から中心手前までころがし、生地を時計と反対まわりに(少し手前に)回転させます。これを5〜6回繰り返し、直径6〜7aの丸い皮にします。生地のはしが薄くのび、中心はやや厚めになるように仕上げます。
- 「あん」を包みます
- 餃子は「あん」がいっぱい入っていて、合わせ目が細いほどよい形といわれています。といっても、いきなりたくさんの「あん」を包もうとして、「あん」の脂分が生地のまわりにつくと、すべって止まらなくなります。無理なく包める量からはじめて、だんだん慣れたら量を増やしてください。
- 生地の中央に「あん」をのせ、真ん中を軽く留めます。手作りの皮は、水をつけなくてもつきます。左右に二つずつひだを作り、しっかり閉じて、中身が出ないように包みます。
- 茹でます
- 直径24a位の鍋に、たっぷり(3g位)の熱湯を用意し、20個の餃子を入れます。餃子がくっつかないよう穴杓子で湯をかき混ぜます。沸騰したら、差し水をして沸騰をおさえます。また沸騰したら差し水、つぎに沸騰したら茹で上がりです。(差し水2回、沸騰3回目に取り出します)
- 食べ方
- 茹で汁をよく切って器に盛ります。「あん」に十分味がついていますので、そのまま食べます。
ちょっと一言
- 数年前、知り合いの日本語学校の校長先生から、教室を貸してほしいという依頼がありました。自費留学の学生が、お国自慢の料理を学校の先生、友人に作ってあげたいけど場所がないとのことでした。
おいしいものが食べられることには、すぐ賛成する私です。中国、台湾、韓国、タイ、ブラジルなどさまざまな料理を味わうことができました。が、なんといっても、餃子はもっとも印象の強いものでした。
教室で一番大きなボールに、小麦粉を「目見当で」ドサッと入れ、やかんから水をじゃぶじゃぶ入れながら練っていきます。分量は?との質問に、このくらい!と、練り上げた生地を差し出すだけでした。
中身も、中国の留学生みんなで豚肉・ニラを刻み、調味料もドボドボと入れ…その豪快なこと!
圧巻は、皮をのばして包むところ。一番上手な女性は、ちゃんと「my 麺棒」を持参。その速いこと速いこと…スローモーションでやってみせてと、注文したほどです。あっという間に300個、イエ、もっとあったかもしれません。でも、20人位で、これもあっという間に平らげました。
それからここに掲載した餃子にたどり着くまで、何度も何度も「実験」を重ねました。私としてはこの餃子、自信作ですが、いかがでしょうか?- 40個も食べきれない、冷凍しておこうという方は、ラップをしいたお盆にきちんとならべ、上からラップをかけて、3時間位冷凍庫に入れます。カチカチに凍ったら冷凍保存袋に入れて、日付を書いておけばOKです。食べるときは、凍ったままを、生のものと同じに茹でてください。
残りはラップして 保存袋に入れて冷凍庫へ
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■仲良くするにもほどがある??
- 山梨県は有数の観光県です。富士山をはじめとする雄大な山岳地帯と周辺の湖、温泉そして全国一の生産を誇る桃の花の満開、さらにはリニアモーターなど自然・人工物ともに魅力的な場所に事欠きません。全国から観光や研修にたくさんの人々が訪れます。受け入れる宿泊施設も、個人経営の民宿から大手資本のホテルまで大小各種さまざまです。当然のことですが、宿泊施設というのはビジネスホテルを別にして、料理部門の占める重要度はきわめて高い。風光明媚であっても、立派な施設がととのっていても食べるものがおいしくなかったら、また来たいと利用者に思わせるのは難しいでしょう。長期滞在者やリピーターには特にそうです。料理が決め手と断言しても過言ではありません。そうした認識があるからこそ、民宿、ペンションといった比較的規模の小さいところでは、豪華さに対抗してアットホームな雰囲気をウリに、料理にもそれを反映させようと腐心します。
- そんな民宿やペンションの経営者が集まって、料理講習会を開くことがあります。主旨はよくわかるのですが、目的とその先を考えると、ハタと懐疑的になります。主旨は地域宿泊施設の料理技術の向上。お客さまに満足していていただくのが目的。まさにその通りです。でも、みんながみんな仲良く足並みをそろえていいのでしょうか。どの宿に泊っても、おなじような味のおなじようなメニューの食事が出される。それでかまわないという人もいるかもしれませんが、利用客に飽きられませんか? それぞれの宿にそれぞれの個性があってしかるべきです。でなかったら、共同の大食堂で食事してもらったほうが、まだ合理的でしょう。ここで食べても、あっちで食べてもおなじですよでは、地域全体が活気を失っていきます。お互い切磋琢磨して個性を打ち出し、お客さまにアピールしていかないと地盤沈下してしまいませんか?
- 八ヶ岳の麓にあるペンションに関係したことがあります。ペンションがまだ珍しい時期でした。脱サラでオーナーになった人が"華麗なる変身"などともてはやされました。おのおの自分の趣味を生かしてペンションに個性を持たせました。馬術が好きな人は馬を飼い、クラシックが趣味の人はミニコンサートを開きます。花好きは、庭を花で埋め尽くしました。星好きはミニ天文台を作りました。登山愛好家、スキーのインストラクター…みなさんかなり個性的です。こうして、同好の士がお客としてあつまって泊っていきます。当然リピーターになります。それはそれで歓迎すべきことですが、問題も出てきました。オーナーの奥さんが音をあげました。メニューに行き詰まったのです。数ヶ月の講習を経たばかりで、家庭の主婦がいきなりプロになったようなものです。ぎりぎりのレパートリーしか持ち合わせていません。何度も来てくれるのはありがたいのですが、メニューが底をつきます。そのうち食事のとき、馴染みのお客が一瞬顔をしかめるのを、奥さんは見逃しませんでした。ふだん家で家族のため料理していたとはいえ、商売で出すとなると話は違います。おなじ料理が、そのつど味や外見がちがっていたらおかしい。そんなこんなで相当プレッシャーになっていたようです。途端に自信を失ったのです。私のところに飛び込んできました。シーズンオフに、車で片道1時間以上かけて通いました。都合2年ほどの間に、あたらしい技能を身につけ自信を取り戻していきました。
彼女の話では、多くのペンションがおなじような悩みを抱えていたといいます。あれほど個性的なみなさんも、「食」の個性までは思いが及ばなかったのでしょう。何軒かが共同で料理講習会を開いたりしたようですが、似たようなものを出していては解決にはならないとばかり、彼女は別行動にでたのでした。費やした時間と授業料は投資と割り切りました。実際、元手をかけた以上に戻ってきたそうです。- 地域全体に共通したメニューでお客を取り込むことは可能です。郷土料理とか名物料理です。一軒一軒の「個]の個性に対して、複数まとまった「全体]の個性を全面に押し出す戦略です。この実現には強力な推進力がいります。漠然とした参加意識では済まされません。足並みをそろえるのではなく、スクラムを組まなければなりません。飲食業者ばかりか他業種、住民、行政まで巻き込んだ地域総ぐるみの徹底した組織と団結心と情熱があってはじめて達成されることでしょう。あのペンションの奥さんのようなバイタリティーのある人材が何人も必要です。
「個」にしろ「全体」にしろ、馴れ合いからは何も生れてこないような気がします。
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