今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(7月第4週)のメニューより● 白身魚のベニエ ● 187kcal. 塩分0.4g
[材料] -6人分-
・白身魚 切り身2枚(200〜250g) 塩・胡椒 少々 <ベニエの衣> ・薄力粉 60g ◎A 卵黄 1個 水 大さじ4 塩 少々 サラダ油 小さじ1 ・卵白 1個 <付け合わせ> ・レモン ・パセリ
[作り方]
- 白身魚…骨・皮を取り除いて小さい切り身にし、塩・胡椒で下味をつける。
- ベニエの衣を作る。
ボールにAを入れ、よく混ぜ、薄力粉を振り入れ、さらにしっかり泡立てた卵白をのせ、さっくりと混ぜる。- 揚げ油を160〜170℃位に熱し、魚の切り身に衣をたっぷりつけて揚げる。
- 皿に魚のベニエと櫛(くし)型のレモン、パセリを添える。
ポイントはここ
- ベニエにしておいしい魚は、真ダラ、カレイ、銀ムツなどの白身魚です。白くありませんが、生鮭もとてもおいしくできます。あまり脂っこくなければ、「白く」なくても大丈夫です。
- ベニエの衣はふわふわ柔らかいものですから、魚の皮、骨は取り除き、3〜4a角、7〜8_厚さの小さい切り身にしてください。大きいと、衣がたっぷりふっくらつきません。
- 「衣」を作るために、直径20a位のボールが2つ必要です。材質はガラス、ステンレス、ほうろうがよいでしょう。
- 衣の材料Aにサラダ油を加えておくのは、揚げる時、衣に余分の油が入らないようにするためです。そうすれば、軽くサッパリ揚がります。
- ボールにAを入れてよく混ぜ、その上に薄力粉を振り入れます。別のボールでしっかり泡立てた卵白(ボールを逆さにしても落ちてこなくなるまで泡立てます)を、その上にのせます。3つがそろってから、菜箸で大きく軽く混ぜます。この時、少し粉も残り、卵白の泡も残っている状態にします。
この中に魚の切り身を入れ、まわりにこのふわふわの衣をつけようとすると、粉も卵白の泡も混ざりながら魚につきます。くれぐれも衣は混ぜすぎないように。
3つ重ねる 粉と泡を残す ふっくら揚げる
- 油の温度は、天ぷらより低い160〜170℃位です。高温(180℃以上)では、衣が広がってしまいます。ベニエは、衣が散らないように揚げるのが大切です。
- 揚げ物には、菜箸が2膳必要です。1膳は油の中に入れるため、もう1膳は油から出します。1膳だけで揚げると、菜箸の先が「天ぷら」になってしまいます。
ちょっと一言
≪組み合わせメニュー≫
- ベニエはフランス語、英語ではフリッター。ふわふわの衣をつけて揚げる「衣揚げ」です。中国にも「高麗」と書くおなじような衣揚げがあります。洋の東西を問わず、料理法には似ている物があるものです。
- 今回の「ベニエ」は魚ですが、シロップで柔らかく煮たフルーツ(パイナップル・りんご等)を素材にし、デザートを作ります。いずれにしろ、揚げる素材は柔らかいことが大切です。
◎ガスパチョ(スペイン風の冷たい野菜スープ)
◎豚肉と夏野菜の炊き込みご飯
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■エスニックでないエスニックレストラン
- 甲府の隣り町に、ブラジル料理店があります。日本人にはあまり馴染みのないブラジル食を食べさせてくれるレストランです。日本人を対象にしたエスニック料理店ではありません。甲府盆地に住む2000〜3000人のブラジル人が相手で、経営者も日系のブラジル人です。利用客のほとんどがブラジル人ということは次のような意味があります。まず、味付けが日本人向けにアレンジされていない。ブラジル人が食べる量で多い。値段がブラジル人にあわせて安い。だからおいしくて、いっぱい食べられ、そのうえ安いのです。
- ブラジルから日本に働きに来ているいわゆる「出稼ぎ日系ブラジル人」は、20万人以上といわれます。これだけの数はマーケットとしても十分採算が取れる規模で、食料品をはじめ衣料、書籍、雑誌・新聞、CD、化粧品など日常雑貨が各地に点在するブラジル人のために販売されています。レストランの一角にこうしたブラジル製品を陳列する棚があって、ミニショップにもなっています。またカラオケの設備があるほか、衛星放送でブラジル国内のテレビ番組が直で見られるようにもなっていて、郷愁をもとめるブラジル人たちが大勢あつまってきます。サッカーが国技の人たちですから、国際試合のときなど、それはたいへんな騒ぎとなります。
- ここは娯楽をふくめて、ブラジル人同士の重要な情報交換の場でもあります。仕事の話ばかりではありません。日本で暮らす中で持ち上がるさまざまな不安、悩み、、疑問などが話し合われ、同時に遠い故国ブラジルの情報を得ることができます。いわば異郷日本におけるブラジル日系人のコミュニティーなのです。ご承知のように明治以降、多くの日本人が北中南米へ新天地をもとめて移住しました。そして現地に日本人社会・日系人社会を形成しました。ロサンゼルスのリトル東京は有名です。時を経て、今は南米ブラジルを中心に2世〜4世が逆に日本に働きに来て、日本の中に日系人のコミュニティーを作っているわけです。時代も条件も異なりますが、置かれた境遇は、重なる部分が多々あるように想像されます。
- ブラジル人があつまる店だからといって、日本人の客を拒んでいるわけではありません。私のようにブラジル食が大好きな人間もいます。用意されているメニューは、日本人にも料理の内容がわかるように日本語で書かれ、写真ものせています。さらに日本語の話せるマスターが歴史的背景から食べ方まで懇切丁寧に説明してくれるので、ブラジル料理を見るのも食べるのも初めての人でも大丈夫です。
- ブラジル人は意外にもお米をたくさん食べます。日系人だからというわけではありません。日本人が移住する前からお米を食べていました。日本のようにふっくら炊いた粘り気のあるご飯でははなく、陸稲の長粒種を油炒めにしたところへお湯をそそいで水気を吸わせたパサパサのご飯、そこへフェイジョン(豆)をかけて食べます。でも、ブラジル料理といえばまっさきに思い浮かぶのが肉。その代表がシュラスコです。炭火で焼いた串刺しの肉の塊を豪快に剥がして食べます。これにならぶのがフェイジョアーダ。牛肉のほか豚の皮、耳、足、尻尾などと黒いフェイジョンを鍋に入れ、1、2時間ぐつぐつ煮たものをやはりご飯にかけて食べるのです。その昔、奴隷労働に耐える黒人の体力を養ったというほど栄養価の高い食事です。
- 実は10年くらい前、このレストランとおなじ頃に甲府市内にブラジル料理店がオープンしました。ラーメン屋さんの看板だけを取り替えた日系人の店とちがって、内外装ともトロピカルなムードを上手に演出したこぎれいなレストランです。都会風なサンバやショーロをBGMに流し、かわいいラテン系の女性をウエイトレスにつかっていました。あきらかに日本人を対象のエスニックレストランです。
- 料理をオーダーして運ばれてくる時間が、日系人相手の店の半分以下でした。味付けがどこか淡白でスパイスも弱くて物足りない。量的にも満足を得ないし、それでいて値段は安くない。二度ほど行ってやめました。その後このレストランは1年もたたないうちになくなっていました。各地に複数の店をもつチェーン店のようでした。
- 豆料理が好きな私は、生徒さんにもくだんのブラジル料理のレストランをすすめます。が、ことばの違う日系人が出入りするせいか、気後れしてなかなか入りずらいようです。もしあなたの近くに、こんな「エスニックでないエスニックレストラン」があったら、幸運なことです。ぜひ勇気を出してドアを開けてください。そして、じっくり煮込んだ肉汁のお豆をご飯にかけた"ごった煮の妙味"を試してみてください。
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