今週 の レ シ ピ |
---|
若かりし頃のウイーンの思い出
●ウィンナーシュニッツェル
[材料] -4人分-
・豚背ロース 1枚100g4枚 塩 小さじ1 胡椒(こしょう) 少々 ・小麦粉/卵/パン粉 ・サラダ油/バター(焼き油) ◎薬味 ゆで卵 1個 ケッパー 大さじ3 パセリのみじん切り 大さじ1 レモンの輪切り 4枚 黒オリーブ 4個 アンチョビー 4本 ◎付け合わせ マッシュポテト さやいんげんのソテー
[作り方]
- 豚背ロースは筋切りをし、肉たたきでたたき、形をととのえて、塩・胡椒で下味をつける。
- 1の肉に小麦粉、卵、パン粉の順につける。
- 薬味を用意する。
ゆで卵は黄身と白身に分ける。黄身はフォークで細かく砕く。白身は包丁でみじん切りにする。
ケッパーは汁気をよく切っておく。
パセリはみじん切りにして晒す。
レモンは皮をむき、輪切りにし、種を取る。
黒オリーブをアンチョビーで巻き、レモンにのせる。- 付け合わせを用意する。
ポテト350g、または粉末状のポテト50gを材料にした「マッシュポテト」を用意し、少し深さのある皿に盛り、肉用のナイフで模様を描く。
さやいんげんは青ゆでにして、長さ4cm位に切り、サラダ油でソテーし、塩、胡椒で味付けをし、皿に盛る。- フライパンにサラダ油を熱し、中火で肉の片面を焼き、返して、バターを溶かし、弱火で完全に火が通るように焼く。
- 5を肉皿の中央に盛り、肉の上下に薬味を飾る。
- 付け合わせのマッシュポテトに温めた牛乳を少し流し入れ、さやいんげんのソテーといっしょに肉に添える。
ポイントはここ ◎肉の準備と焼き方
- 豚肉の1枚の切り身をみると、肉の色は全体がおなじではなく、わずかですが色の違いがあり、それは肉の性質が違うのです。その境目には、白い筋があります。それを、筋に直角に包丁を入れて切ります。これで肉に火が通った時、肉がねじれてしまうことがなくなります。
- 筋切りをしたら、肉たたきでたたきます。肉たたきがない場合は、空ビンでもできます。これは肉をやわらかくして食べやすくするためです。しっかりたたいてください。そのあと形をととのえます。
筋切りをする 肉たたきでたたく
- 下味の塩は、肉の重さの1%。4枚で400g位あったら4gです。塩の種類によっても多少は違いますが、小さじ1の塩は、大体5gです。4gは小さじ1を少しだけ控えて使ってください。
下味は、お盆か大きな皿を使ってつけます。固くしぼった布巾で、お盆か皿をふきます。細かい水滴がつきます。その上に分量の塩の半分を、乾いた手で30〜40aの高さからふります。細かい水滴に塩がついて動きません。胡椒も挽(ひ)いてください。その上に、準備した肉をおきます。残りの塩を全体にふり、胡椒を挽きます。こうして、10〜15分おいてください。- 小麦粉は、万遍(まんべん)なくうっすらとつけます。余分な粉は、よく落としてください。充分割りほぐした卵の中をくぐらせ、全体に卵がついているのを確認してからパン粉の中に入れます。たっぷりのパン粉の中で、押さえるようにしっかりつけます。10〜15分、乾いたお盆かまな板の上におきます。パン粉を落ち着かせてください。
下味をつける パン粉をつけて休ませる
- フライパンに、サラダ油を少し多目に熱します。パン粉のついた肉の厚みの半分位までの油が必要です。油が少ないと焦(こ)げやすいです。油の中に肉が入ってしまうのでは、揚げることになってしまいます。
- 中火で、肉の上面のふちから少し火が入ってきたら返してください。おいしそうな茶色になっています。
肉を返したら、バターを入れます。バターは焦げやすいので火加減は弱火で焼きます。サラダ油で焼いた側よりも少しだけ色が濃く焼けますが、バターの風味でおいしさが増します。
肉に弾力が出てきたら焼き上がりです。◎薬味の用意
- 固ゆで卵(水に卵を入れて、夏は15分、冬は17分ゆでます)を黄身と白身に分けます。
黄身は皿にのせ、フォークで砕くようにして細かくします。包丁で切ろうとするとつぶれて、ペースト状になりがちです。
白身は固く絞ったぬれ布巾を4つにたたみ、その上で細かく切ります。4つにたたんだ布巾は包丁をひいても布巾が切れることはありません。布巾の上で切るとまな板を汚さず、細かく切った白身を皿に移しやすい良さもあります。- ケッパーは酢漬けになって売っています。使う分だけざるにあけ、よく汁気をとっておきます。
- パセリは葉の部分だけをつまんで、包丁でできるだけ細かく切り、ふきんに包んでボールの水の中で振り洗いして、余分な色をとり除き、よく絞り、水分をとってから使います。
細かく切る 振り洗い 水分をとった後
- レモンは黄色い皮を厚めにむき、さらに、白い部分を少し残すくらいにむきます。種があったら取り除いてください。こうしておくと香りをつけるだけでなく、肉といっしょにレモンも食べやすいです。
- 黒オリーブは種があったら、とってください。レモン同様、食べやすいです。
- アンチョビーは「フィレ」状を用意して、オリーブに巻き付けます。それをレモンの上にのせておきます。
オリーブにアンチョビーを巻く レモンにのせる ◎付け合わせの用意
- マッシュポテトはポテトをゆでてつぶして味付けをする方法(ジュニアクラスの「ツナコロッケ」参照)と、市販の「ポテトの粉」を使う方法があります。
◎市販の「ポテトの粉」を使う方法
[材料]
・ポテトの粉 50g ◎A 塩 小さじ1/2 胡椒 少々 バター 大さじ1/2 牛乳 1/2カップ 熱湯 1カップ
[作り方] ボールにAを合わせ、ポテトの粉を少しずつ振り入れながら、箸(はし)でかき混ぜます。粉を全部入れた後もさらになめらかになるまで混ぜてください。
(ただし、「ポテトの粉」のメーカーによって、作り方が違います。よく作り方を確かめてから作ってください。ちなみにこの方法は「カルビ」の製品です。)
- 出来上がったマッシュポテトは少し深さのある皿に中心が高くなるように盛り付け、周りを肉用のナイフで放射状に模様をつけます。食卓へ出す前に少しだけ温めた牛乳を周りに流しいれます。牛乳を先にに入れておきますとポテトが吸ってしまいます。
ナイフで模様を描く 周りに牛乳を流す
- さやいんげんは筋をとり、洗って塩をまぶし、15分位置いてから熱湯で茹でます。爪でさやいんげんが切れるようになったら、水に取り急激に冷まします。4cm長さに切り、サラダ油を熱したフライパンでソテーして、塩、胡椒で味付けをします。 さやいんげんは必ず肉を焼く前にソテーしておきます。洗わないでそのままのフライパンで肉を焼くことができます。
◎盛り付け
- 肉皿の中央に焼けた肉を盛ります。肉の上下の皿に中心にパセリのみじん切り、その両側に黄身と白身(1)、そのふちにケッパーをならべます(2)(3)。
- 肉の上にはアンチョビーで巻いた黒オリーブをのせたレモンを置きます(4)。
(1) (2) (3) (4)
◎食べ方
- 肉の上のレモン、オリーブ、アンチョビーをくずして肉に味と香りをつけます。肉の周りの薬味を肉の上にのせて全体によくなじませて食べます。
薬味を飾る 薬味をよくなじませる
- 付け合わせのマッシュポテト、さやいんげんのソテーもとり分け、肉を食べながら、いただきます。
ちょっと一言
- 30代前半、フランス料理を教えていただいていた川上のぶ先生にヨーロッパ2週間の食べ歩きの旅に連れて行っていただきました。3か国目に訪れたのがオーストリアのウイーン。レストランでこの料理が出てきたときには驚きました 、肉皿から肉の左右がはみ出していましたので。肉は「仔牛」、とても薄くたたいてあって食べやすかったことを憶えています。
【野口料理学園】
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
ホーム | | | 月別 | | | ジャンル別 | | | これまでのお菓子 | | | これまでのジュニア | | | これまでの塩ひとつまみ | | | 学園案内 | | | ケーキ屋さん |
---|