● なすみそ ● 143kcal. 塩分0.6g
[材料] -6人分-
| | ・なす | 5個(400〜450g) |
| | ・ピーマン | 2個 |
| | ・炒め用油 | 大さじ6 |
| | ・砂糖 | 大さじ3 |
| | ◎A | |
| | みそ | 大さじ2 1/2 |
| | みりん | 大さじ1 |
| | 出汁(だし) | 大さじ2 |
[作り方]
- なすはヘタをとり、縦2つ割りにして乱切りにし、水につけてすぐザルにあけ、水気を切る。
- ピーマンは7〜8_のせん切りにする。
- フライパンまたは中華鍋に油(大さじ3)を熱し、強火でなすを炒める。
- 油を足しながら炒め、なすが少し柔らかくなりだしたらピーマンを加えて、さらに炒める。
- なすが充分柔らかくなったら、砂糖を加えてからめる。
- 合わせておいたAを加えて、手早く混ぜて仕上げる。
- 切ったなすを水につけすぎると、水っぽくなります。ボールに用意した水の中をくぐらせるだけにしてください。そして、ザルにあげて充分水気を切ります。
- 使う鍋は、かならず鉄製のフライパンか中華鍋です。ほうろう、アルミ、ステンレス、テフロン加工などの材質では、つややかに仕上がりません。火加減は、最初から仕上げるまで強火です。
- なすと油は仲良しです。炒める時、使い出すとどんどん油が入ってしまいます。上手に油を使って、使いすぎにならないよう気をつけてください。
- なすがなかなか柔らかくならないからと、出汁で煮ようなんて考えないでください。かならず油で炒めることで、火を通してください。
- 砂糖は甘味のためだけでなく、料理のつやを出すためでもあります。なすが完全に柔らかくなってから加えます。
- 味付けは、手早くできるよう調味料を合わせて混ぜておきます。一気に加えて仕上げ、すぐ器に盛り付けます。
- 「なすみそ」は夏の家庭料理の定番の一つでしょう。切り方、炒め方、味付けと各家庭の「味」があると思います。我が家は、主人の実家の「なすみそ」が主流です。なすの切り方は、7〜8_厚さの斜めの薄切りにしてから棒状に切り、なすだけを油で炒め、「砂糖」は隠し味程度、みそ・酒・出汁の味付けです。
- 仕上げに、好みで一味または七味唐辛子をふりかけたり、せん切りのしその葉を加えるのも、夏の香りがしておいしいです。
● 清炸茄子(中華風茄子のはさみ揚げ) ● 202kcal. 塩分0.6g
[材料] -6人分-
| | ・茄子 | 6個 |
| | ◎A | |
| | 挽き肉 | 120g |
| | 日本葱のみじん切り | 10a分位 |
| | 生姜汁(しょうがじる) | 小さじ1 |
| | 卵 | 1/3個分 |
| | 塩 | 小さじ1/2 |
| | 胡椒 | 少々 |
| | ◎衣 | |
| | 薄力粉 | 大さじ5 |
| | 卵 | 2/3個分 |
| | 水 | 大さじ2〜3 |
| | ・揚げ油 | |
| | ◎二杯酢 | |
| | 酢 | 大さじ2 |
| | 砂糖 | 大さじ2 |
[作り方]
- 茄子はヘタをとり、縦2つ割りにし、さらに上部2〜3aをつなげた状態で2つ割りにする。ボールに用意した水をくぐらせ、ザルにあげて水気をよく切る。
- Aをボールに入れてよく混ぜる。
- 茄子の切り口に2をはさむ。
- 卵(2/3個)に水(大さじ2)を加え、さらに薄力粉を加えて混ぜ、硬かったら水を足す。
- 3の茄子に4の衣をつけて、茄子が柔らかくなるまで揚げる。
- 大皿に5を盛り、二杯酢をそえる。
- 茄子の切り口に水気が残っていたら、ふきんかキッチンペーパーでよくふき取ってください。
- はさむ挽き肉は豚肉、鶏肉、牛肉またはそれらを混ぜ合わせてもよいでしょう。
- 「衣」は、卵の大きさとAに加えた量で水の量は調整します。なすに、滑らかにつく位がちょうどよい状態です。
- この料理は「揚げ方」が大切です。油は170℃〜180℃です。まず衣をつけたら、なすの切り口を上にして油に入れます。ヘタをとった切り口が薄く茶色になったら、返します。切り口全体が茶色になれば、茄子も柔らかく、肉にも火が通っています。この揚げ方なら、なすが美しい紫色に仕上がります。
- なすが揚げたままでは大きくて食べにくかったら、2つか3つに切ってもよいでしょう。たまには豪快に、大きいまま食べるのもいかがですか。
- なすは油をたっぷり吸っています。二杯酢をつけると、サッパリと食べられます。紅生姜もおいしいです。
【野口料理学園】
■カゾえる (つづき)
- 箸は「1膳」、「2膳」と教えましょうという話をしましたが、偉そうなことはいえません。私にもわからないことがたくさんあります。レシピに出てくる材料の単位の中には、アレッと思うことがあります。自分の無知や不勉強をさらすようでお恥ずかしいのですが、思いつくままに挙げてみましょう。
魚は「1尾」「2尾」ですが、海老とかカツオ・マグロは「1本」です。イカ・タコ類は「1杯」「2杯」。水や酒など器に入った液体をハカる単位が、なぜイカ・タコに使われるのでしょう?
おなじ海のもので海苔(のり)があります。昔、火であぶって大きさを自在に切ることができたフレキシブルサイズは、近頃家庭ではとんとお目にかかりません。小さく切って袋に入った焼き海苔がほとんどです。おなじ1枚でも随分ちがいます。10枚まとまって「1帖」という言い方を、若い人が知らないのも無理はありません。
- いま話題の「米百俵」の逸話も、米俵なんて見たこともさわったこともないでしょうから、実感がわかないかもしれません。俵は5キロ、10キロのナイロン袋に取って代わられました。1升、1合もそうです。ただし1合は、例外的に生きています。これが面白いのです。尺貫法はご禁制ですから、お米も建前は「カップ」を使います。1カップは200ccで統一されています。ところが、自動炊飯器の1カップはご存知のように180cc。1カップ(200cc)といいながら、実際は180cc、つまり1合の単位なのです。
- 米びつも「合」ですよね。ボタンを押してザーッと出てくる量は、1合、2合です。お米に1カップ、2カップは馴染まないというわけでしょうか。炊飯器の製造メーカーも、ユーザーの要望に抗しがたく、法律を曲げて「1合」を採用しているのでしょうか(本音を聞いてみたいところです)。
これに引きずられる格好で、「1升」(10合)は命脈を保っているフシがあります。その上の「1斗」(10升)はさすがに出る幕はありません。これに比べれば、「升」はほかに「1升瓶」で使い道があるから生きながらえています。日本酒や醤油・酢の1升瓶は少なくなったとはいえ健在です。たとえばワイン生産量日本一の山梨県では、1升瓶入りのワインが売られています。お酒ならまだしも、ワインと1升瓶ではミスマッチの感がしないでもありませんが、需給の度合いが1升瓶入りでも充分通用するのでしょう。ただ、「1.8リットル」の呼称も、1升瓶とならんでそれなりに定着しているのも事実です。
- おなじ単位を用いながら、大きさも重さもちがうのは自然界では当たり前です。早い話、人間「1人」とっても、見た目も中身もまるでちがいます。魚でも野菜でも、おなじ1尾・1個でこれまた大きさはまちまちです。しかし象も1頭なら蚊も1頭とカゾえられるのは、よほど頭の柔らかい人です。単位付けはなるほど便利ですが、かえって翻弄されてしまいそうなところがあります。日本語は特に種類が多い気がします。しかも数によって、言い方までちがってきます。1本・2本・3本、1匹・2匹・3匹…日本語を習いたての人なら混乱をきたし、このあたりで挫折してしまいそうで気の毒になってきます。
- 話をもどして、料理に関して言えば、せめて加工品でサイズを統一してもらいたいと思う製品があります。豆腐・こんにゃく類です。1丁の大きさは一様ではありません。調理する側としては、1丁ならバラつきなく一定の大きさにちゃんと規格をさだめてもらうとありがたいです。
このほか勘定の仕方について、ふだん気がつかないでいる疑問や面白いことがいっぱいあるでしょう。みなさんからも教えていただきたいものです。
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