今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(9月第1週)のメニューより● 鶏ささみの清汁(すましじる) ● 23kcal. 塩分1.4g
[材料] -6人分-
・鶏ささみ 1本 ・かまぼこ 小1/3丁 ・かいわれ大根 少々 ◎一番出汁(いちばんだし) 5カップ 水 5.5カップ 昆布 長さ10cm かつお節 20g ・塩 小さじ1 ・酒 大さじ1 ・醤油 小さじ1
[作り方]
- 鶏ささみ…すじをとり、観音開きにして片栗粉をまぶし、まな板の上で肉たたきを使って軽くたたく。
10cm×15cm位の長方形になったら、12枚に切り分ける。
熱湯でサッと茹でる。
かまぼこ…7〜8mm厚さに切り、飾り切りにする。
かいわれ大根…根をとって、きれいに洗う。- 一番出汁をとり、塩・酒で味付けし、沸騰直前に醤油を加え、火を止める。
- 1の鶏ささみ・かまぼこ・かいわれ大根をお椀に盛り付け、2の清汁を注ぐ。
ポイントはここ ☆昆布とかつお節を使った出汁のとり方
- 鶏のささみには、白くとても硬いすじがあります。太いほうからゆっくりと、すじを残さないように取り除きます。
- ささみのように厚みがあるもの(身の厚い鶏や魚の切り身)を薄く広げたい時は、「観音開き」にします。
ささみを例にしますと、ささみの中心を縦長に厚みの半分だけを包丁で切り、左右に開けるようにさらに包丁で切ることで最初の倍の巾になります。- ささみをたたいて薄くのばす時、少し多目の片栗粉を使います。足りないと、肉たたきやまな板に張り付いてしまいます。
- 彩りを考えて、かまぼこは赤いものにしました。
- 青味にかいわれ大根を使いましたが、三つ葉、ほうれん草なども合います。
- 季節の香り「吸い口」として、9月になりましたので「柚子」(ゆず)がよいでしょう。
≪一番出汁5カップのとり方≫
≪二番出汁2〜3カップのとり方≫
- 必要な一番出汁の、1割から2割多い水を用意します。(5カップの一番出汁をとる場合は、5.5〜6カップの水)
- 長さ10cm位の昆布を1に入れ、充分水気を吸って広がるまでおきます。
- 昆布が広がったら火にかけ、80〜90℃(沸騰直前)になったら昆布をとり出します。(ヌメリを出さないため)
- そのまま沸騰させ、20g のかつお節を加えたら火を止め、箸(はし)で軽く1回かき混ぜます。
- 2〜3分おき、かつお節が沈んだら、上澄みをソーッと別の器にとります。
昆布は沸騰させない 箸でひと混ぜ 上澄みをこす
≪エコロジーを考えて…≫
- 鍋に残ったかつお節に昆布と水(3カップ)を加え、火にかけ、沸騰したら昆布だけをとり出し、2〜3分中火で煮て、布巾でこします。これが二番出汁です。煮物、味噌汁に使います。
- 残った昆布を細く切り、水でやわらかく煮てかつお節を加え、醤油・みりん・砂糖で味をつけると「佃煮」ができます。
二番出汁をとった後 昆布とかつお節の佃煮
ちょっと一言
- ささみを、さらにたたいて海苔一枚分の大きさ位にし、3〜4cm角に切り、油でカラッと揚げます。軽く塩をふると「ささみせんべい」のできあがり! ビールのおつまみに最高です。
≪組み合わせメニュー≫
◎いなりずし
◎野菜の白和(あ)え
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■知らないでいることは、幸福?
- 不況風が吹いてます。株価はどんどん急落し、完全失業率が戦後最低の5%となってお先真っ暗な日本経済。大企業でも大量のリストラを行ない、毎月の倒産件数がそのたびに記録を更新するなど深刻さを増しています。でも、「食」にかぎっては無縁のようです。不景気でも、買う買わない(食べる食べない)を別にすれば、食料そのものはなんら欠乏状態ではありません。食べるものは店にあふれ、なんでもそろっています。戦後最高どころか、大正明治江戸…いくら遡ったところで、歴史上これほど豊かだった時代はないでしょう。地球規模で天変地異でもないかぎり、世界中のどこからでも取り寄せることができます。直接現地をたずねて名物料理をたのしむといった贅沢も、それほどのことではなくなりました。毎日の食事だってわざわざ自分で作らなくても、出来上がりを買うなり外食すれば、手間も時間もはぶけて台所も汚れない、それに(ココが大事なところですが)、自分で作るのよりおいしい。であれば、料理に費やす時間とエネルギーは、所得をふやすほうにまわした方が得策といった結論にいってしまいすよね。
- 数年前、お医者さんが習いにきました。若い男性です。それは熱心でした。授業を「口述筆記」したうえ、実習のときにもポイントとおもったらサッとノートをだしてメモをとります。みせてもらったことがありますが、イラスト入りでした。感心しました。コツをおさえる観察力はさすがです。
料理に目覚めた動機もまたユニークです。医学生のときに家庭教師のアルバイトをしたそうです。出される料理、手製のお菓子がそれはそれはおいしくて、自分の母親とは雲泥の相違。「20年間、僕は母に騙されていた」とおもわず思ったそうです。親の嗜好は正直に子に伝わります。味覚も例にもれません。というより、舌の場合、そう簡単には断ち切れないほど緊密です。好みが親に似ていることは自慢の種にしますが、反面教師としてとらえるにはきっかけと決断がいるようです。- ジュニアクラスに小3の男の子がいます。「たのしかった?」授業の後、聞いてみました。「うん」とA君。「おいしかった?」「うん」。それから付けくわえたのです。「習うのぜーんぶおいしい。お母さんヘタクソだから」。いけない事を聞いてしまったと悔やみました。
別の日、チャーハンのメニューでした。最終段階にきたところで、「味をみましょうね。塩加減はどうですか。料理は味見を忘れてはいけませんよ。器に盛る前に必ず味を確かめるんですよ」こう言った私の横で、「俺んちはしない、先生。必要ないもん」。A君でした。そしてまた付けくわえました、「冷凍食品だもん」。私はA君をエライと思いました。小学3年にして、すでに親の嗜好と決別しています。- 世の中あるいは人生で、知らないでいることのほうが幸福な場合ってありますよね。知ったがために不幸を呼び込んでしまった「鶴の恩返し」はその典型です。知らないで損をする例はありすぎるほどあります。「味」もそのひとつ。おいしいものに出合えた幸福感は格別です。でも、おいしさは来るのを待っている「受動態」ではありません。めぐり会う偶然を待つだけではもったいない。自分で作りだせるのです。場合によっては、簡単に。それをしないで一生を終えるのは、もっともったいない。そう思いませんか?
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