今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(9月第4週)のメニューより● 変わり柳川 ● 227kcal. 塩分1.9g
[材料] -6人分-
・豚バラ肉 150g ・豆腐 大1丁(500g) ・ごぼう 1本(120〜150g) ・卵 2個 ◎煮汁 二番出汁(にばんだし) 大さじ5 醤油 大さじ4 砂糖 大さじ3 みりん 大さじ2 塩 少々 うまみ調味料 少々
[作り方]
- 豚バラ肉…薄切りにして、長さ3a位に切る。
豆腐…3〜4a角1a厚さに切り、熱湯で茹でて、ザルに上げ、水気を切る。
ごぼう…皮をこそげてささがきにし、水をくぐらせアクをとり、茹でる。
卵…割りほぐしておく。- 煮汁を直径24a位の鍋に入れ、茹でたごぼうを入れ、ふたをしてやわらかく煮る。
- 豆腐を鍋全体に広げて入れ、その上に豚バラ肉をおき、ふたをして煮る。
- 最後に割りほぐした卵を加え、半熟状態に固め、暖かいところをいただく。
ポイントはここ
ごぼうのささがき 豚バラ肉は重ねないで
- 豚肉は「どじょう」のかわりですから、脂身のおいしい「バラ肉」が適しています。薄切りをどじょう位の大きさ3〜4aの長さ位に切ります。
- ごぼうは、皮をこそげて「ささがき」にします。7〜8_巾、4〜5a長さ、1〜2_厚さに包丁で「削る」ような切り方です。まな板にごぼうをおき、まわしながら切り、水に入れます。慣れない場合は、「鉛筆削り」のようにし、水を入れたボールに切り込んでもよいでしょう。切り終わったら、ザルで水気を切ります。鍋に水を入れ、ごぼうを加えて火にかけ、沸騰後5〜6分茹で、ザルにとります。
- 豆腐は熱湯で3〜4分茹で、ザルにとり、よく水気を切っておきます。
- 直径24a位の鍋に、煮汁とごぼうを加え、ふたをして3〜4分中火で煮ます。鍋全体に、豆腐を重ならないように広げます。さらにその上に、豚バラ肉をどじょう1匹ずつと思って丁寧に広げてください。重ならないようにしましょう。 またふたをして、肉に火が通るまで煮ます。最後に、卵を入れ、半熟位に煮えたら出来上がり!
ちょっと一言
- 明治時代、日本に肉を食べる習慣が外国から入ってきましたが、洋風料理の形ではなかなか一般家庭には普及していかなかったようです。そこで、日本料理の中に取り入れられないかと工夫した方がいました。「柳川」に使う脂ののった「どじょう」を、「豚バラ肉」にかえてみたのです。この料理をひろめようと、日本各地へ出かけていったと聞いています。本当に、バラ肉の「脂」 がピッタリの料理です。「牛バラ肉」でも、もちろんおいしく出来ます。試してみてください。
- 「変わり柳川」を煮物としてだけでなく、丼のごはんの上にのせ、「変わり柳川丼」もおいしいですよ。親子丼に飽きたら(?)、たまにはいかが…
≪組み合わせメニュー≫
◎里芋のみそ汁
◎ひじきと油揚げの煮物
◎ほうれん草のおひたし
【野口料理学園】
塩ひとつまみ
■無実の罪
- 「食」の世界において、「塩」の存在はきわめて重要です。人間の体にとっても同様、ミネラルとしてなくてはならないものです。熱量(カロリー)とならんで、たいていの料理にその数値が表記されます。食料の乏しかった時代、農村を中心にもっぱら味の濃いおかずや味噌汁の力を借りて、ご飯をたらふく食べることで空腹を満たしていました。完全に塩分のとりすぎです。蓄積された塩分が原因の、脳卒中などで倒れる人が大勢いました。そこで、「減塩」「塩ひかえめ」がさけばれました。以来、塩分は常に「要注意人物」としてマークされ、おかげで摂取量はかなりおさえられるようになりました。ところが監視の目が行き届くのはいいとして、「塩分(のとりすぎ)は体に悪い」の、カッコ内が抜け落ちてしまった観があります。今では「厄介者」もしくは、いわれのない無実の罪を背負う「お尋ね者」といった印象です。石持て追われるどころか、ひどいのになると毒物と同一視し、恐怖の対象にされるという不当な扱いをうける場合さえあるようです。
- 塩分の摂取量が、多すぎると健康に害なのはわかります。でもひかえるあまり、料理のおいしさが犠牲になってはいませんか? お稽古で、「先生、味を見てください」とたのまれます。どうも物足りません。「お塩、入れた?」「はい」。どのくらい?ときいてみると、「ひとつまみ」。「テキストをちゃんとごらんなさい。小さじ1でしょ」というのですが、みなさん「塩」とくれば、いつも「ひとつまみ=少々」と思っているらしいのです(『塩ひとつまみ』の影響でしょうか??)。ひかえるのはいいですが、過ぎると、味も素っ気もなくなってしまいます。
- つい、このあいだもありました。4〜6人分のスープを作るお稽古でした。この量ですと、塩は小さじで1杯は要ります。ところが生徒さんを見ていると、小さじで計るのに、こんなに入れて大丈夫かしら、といったこわごわの様子です。塩を恐れるあまり、「テキトウ」と「適量」をわかっていないみたいです。
- 塩を使わないか、極力少なくした料理を教えてください―こんな講習を依頼されたら、私は断ります。塩が料理の味を決めるからです。もちろん塩がすべてではありません。俗にいう"塩梅"、塩と梅(酢)が味を左右します。この二つだけかというと、これもまたノーです。砂糖が加わらないとおいしさが出ません。塩梅に甘さを加えた三つの要素が、「三味一体」となって味の基本をささえているといってよいでしょう。なかでも塩はリーダー格なのです。
- では、料理で塩の「適量」とはどのくらいでしょうか。人間がおいしいと感じる塩分は、0.8〜1.2%、真ん中をとって、1%と覚えたらいいでしょう。たとえば、清汁(すましじる)を5カップ作るとします。5カップ=1,000cc の1%で10gだと、小さじ2杯の塩になります。でも、かつお節と昆布の出汁(だし)や具の味のおかげで、小さじ1で旨味が出てきます。そこからの塩の量は、好みの領域となります。ひかえるなら、このあたりでしょうか。それでも生徒さんは、こんなに入れるんですか?といってきます。聞いてくるのはまだいいほうです。塩が恐いものだから、自己判断(ひとつまみ)で済ましてしまいます。物足りなく感じるのは当然なのです。
- 塩を使うのは、酢・砂糖とくらべて、ぐっと少量です。微量で味が変わりますから、ためらうのも無理はありません。逆にそこが「妙味」といえます。今は「専売」の鎖が解かれて自由になりました。昔ながらの塩田から作る塩も、種々出回っています。また外国からのお土産に、そこでとれた塩をもらうこともでてきました。もう悪者扱いするのはやめて、バリエーションを楽しんで上手に使いこなしましょう。
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