今週のレシピ

◇あけましておめでとうございます。2002年、新しい年のはじまりです。お正月に、縁起物のえびを使った“えびチリ”はいかがですか。

● 乾焼蝦仁(えびの辛味ソース炒め)   278kcal. 塩分1.8g

乾焼蝦仁の写真 [材料]  -4人分-

・えび(殻付き無頭)200g
◎A 下味付け
  醤油・酒各大さじ1/2
◎B 衣
  卵白1個分
  片栗粉大さじ2
・揚げ油
◎C
  生姜(しょうが)1かけ
  ニンニク1かけ
  豆板醤(とうばんじゃん)小さじ1
・味付け調味料
  中華出汁(だし)大さじ5
  トマトケチャップ大さじ5
  砂糖大さじ2
  醤油大さじ1
  酒大さじ1
  水溶き片栗粉(片栗粉・水)各大さじ1
・炒め用油大さじ2
・日本葱(ねぎ)のみじん切り10a位分

  [作り方]

  1. えびは背わたをとり、尾の先を切って水を出し、Aで下味付けをし、10分位おく。
  2. 1に卵白を加え、よく揉(も)み、片栗粉をまぶして、170℃の油で揚げる。
  3. 生姜、ニンニクをみじん切りにし、豆板醤を混ぜる。
  4. 味付け調味料を合わせる。
  5. 中華鍋に油を熱し、Cを炒め、味付け調味料を入れ、煮立ってとろみがついたら、2のえびを加えて手早く混ぜ、火を止めて、日本葱のみじん切りを加えて仕上げる。

ポイントはここ

  • ここでのえびは、殻付き無頭の「ブラックタイガー」を使っています。
    下準備として、まず背わたをとります。頭の方から2節目の背中側に竹串か爪楊枝(つまようじ)をさし、そっと上に抜きます。出てきた細い糸状のものを頭の方にむかって抜いてください。糸状のものが黒いときは、それが苦いえびの背わたです。(最近はその黒いものが少なく、無いときもあります)
    つぎに、えびの足と尾の先を切り落とし、さらに尾の中の水を、包丁の先端を使ってしごき出します。このとき尾の先と一緒に、とがった針状のものの先も切り落としてください。(下味付けのとき、えびを揉んでも針はささりません)
    ebikara2の写真 (尾と針の先を切る) ebikara3の写真 (尾の水を出す)
  • 下味付けはボールにえびを入れ、醤油と酒をかけ、手でよく揉んでください。
  • 下味がにげないように、卵白でおおいます。えびのボールに卵白を加え、手でよく揉みながらえびの周りに卵白の膜をつくります。さらに片栗粉を加えて、膜をしっかりさせます。
  • 170℃位の油の中に、えびに衣をたっぷりつけて、1匹ずつ加えて揚げます。衣の残りも、油の中に流し入れて揚げてください。
  • 生姜・ニンニクのみじん切りは、丁寧に細かく切ってください。量的に私は生姜:ニンニクを、1:2位にしています。豆板醤は好みで、辛いのに弱い人は小さじ1/2位、辛いのが好きな人は小さじ2位にしてもいいでしょう。
  • 味付け調味料はひとつの目安です。もう少し酸味が欲しい方は、少し酢を加えてもいいでしょう。同量の水で溶いた片栗粉を加えることを忘れないでください。
  • 「炒め方」に注意してください。
    中華鍋は弱火にかけ、炒め用油を加え、少し温まったらCを加えてください。ゆっくり炒めます(強火・高温の油ではCがこげてしまいます)。ニンニクが少し茶色になったところで、片栗粉が沈んでいるので味付け調味料をもう一度よく混ぜてから加え、強火にします。すぐに煮立ち、とろみがついてきます。すぐ、えびを加えて手早く混ぜ、火を止めて、日本葱のみじん切りを散らします。軽く混ぜて、皿に盛ってもいいでしょう。また、えびだけ盛り付けてから、日本葱は薬味として散らすだけでもよいでしょう。

ちょっと一言
  • 「えび」の中国名は、種類によってつぎのようになります。
    車えびは「明蝦」、伊勢えびは「竜蝦」、大正えびは「対蝦」、芝えびのような小さなえびは「蝦仁」です。この料理も、車えびを使うと「乾焼明蝦」となります。
  • えびを油で揚げると、油がはねてこわいという人がよくいます。一番大切なのは、尾の中の「水」を出すこと。下ごしらえで説明したように、尾の先を切って、中の水は包丁の先端でしごき出してください。衣をつける前にはふきんでふいて、水気を切ることも忘れないでください。
  • 殻付きのままでは食べにくいとよくいわれますが、殻からはいい出汁がでます。殻と身の間においしい汁があります。殻ごと口の中に入れて味わってください。殻を食べてもいいと思います。気になる方は、身を食べたあと殻をとり、皿のすみにまとめておいてください。
  • この辛味ソースは、えびの他にもよく合う素材があります。たとえば、淡白なあさりのむき身をさっと茹(ゆ)で、葱の小口切りと一緒に衣をつけてかき揚げにし、皿に盛って辛味ソースをかけます。また、一口大に切った白身魚に塩・酒をからませ、片栗粉をまぶして揚げて皿に盛り、辛味ソースをかけます。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎豚肉とほうれん草のスープ
    ◎セロリの和え物(あえもの)
    ◎鶏のもつ煮
【野口料理学園】
塩ひとつまみ

■共に勉強
  • 今年の4月から、いよいよ小中学校の完全週休二日制が施行されます。「ゆとりの教育」を目標においた制度です。これによって、家族団欒の時間が増えるのは大歓迎ですが、手放しで喜んではいられません。お母さん達にとって、二日間=計6回の食事の支度が増えるのは、頭の痛いところではありませんか。休みなんだから朝食はなし、1回は外食…などと、それなりに工夫して算段しなければなりません。ご亭主なら放っておいてもかまわない(?)でしょうけど、子供はかわいそうです。大人とちがって成長過程にあるのですから、質・量ともにしっかり食事から栄養をとる必要があります。子供が喜ぶからと、毎週毎週ファーストフード店やファミリーレストランへいくわけにはいかないでしょう。
  • そうした悩めるお母さん達にちょっとアドバイス。塾に行く時間や回数を増やすのではなく、子供といっしょにいる時間を増やす。たとえば、買い物に子供さんを伴ってみてはどうですか。買い物をともにすることで食材の名前、産地、旬、さらに鮮度、時価などをそれとなく学習させるのです。ミソは“それとなく”です。学習効果を期待すると、どうしても押し付けがましさが勝って敬遠されますので、自分も勉強するつもりで万事謙虚に控えめに。売り場は食材が豊富だけではありません。学ぶべき教材はいくらでもころがっています。店のディスプレイから店員の接客態度、買い物客のマナーなど無数といっていいでしょう。カテゴリーを広げることで楽しくなります。社会勉強の場でもあるのです。
  • さて、帰宅したら保存の仕方、食材の下準備、調理の基本(切り方、茹で方、煮方、焼き方、揚げ方、炒め方etc. )、味付け等々、決してむずかしいことではありません。基本に忠実に料理することです。そうです、買い物をいっしょにするなら、当然料理もいっしょにした方がいい。この際、お母さん達も基本にたち帰る必要がありそうです。
  • 当校では、30年近くジュニアクラスをおこなっていますが、子供とおなじように、お母さん達にも学んで欲しいと痛切に感じます。子供を通して、家でのお母さんの料理の仕方が見えるからです。そこで完全週休二日の実施にともなって、親子教室の開設も視野に入れています。夏休み、冬休みの一時的なものではなく、月1回の常設として。母子に限定しません。父子も可です。食材もこちらで用意するのではなく、自分達で買い物してもらう。時間的に余裕があれば、そんなことも考えています。
<これまでの塩ひとつまみ>

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