今週のレシピ |
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・ベーシッククラス(1月第2週)のメニューより● 豚肉の風味焼き 144kcal. 塩分1.3g
[材料] -6人分-
・豚もも肉 1枚50g切り身6枚 ◎A 人参 50g(3〜4a) 日本葱 50g(1/2本) 胡麻 大さじ2 みかんの皮 3〜4a角 七味唐辛子 少々 ◎B 醤油 大さじ3 みりん 大さじ1/2 砂糖 大さじ1 ・焼き用油 大さじ2
[作り方]
- 豚もも肉の切り身は筋切りをし、肉たたきでたたく。
- 人参…すりおろす。
日本葱…みじん切り。
胡麻…細かくきざむ。
みかんの皮…みじん切り。- バットに用意したAと調味料Bを混ぜ、豚肉を20〜30分漬け込む。
- 豚肉のまわりのタレをよく落とし、中火にかけたフライパンで焦がさないように焼く。
- 肉を焼いたフライパンに、漬け込みに使ったタレを入れ、中火より少し弱めの火加減でじっくり火を通す。
- 焼いた肉を1.5 〜2a巾に切り、皿に盛り、5のタレをかける。
ポイントはここ
- 豚肉の部位は背ロース、肩ロースもおいしくいただけます。もちろん、お好きな方はバラ肉もおいしいですよ。ただ、薄切り肉ではなく、厚さ7、8_〜1a、50g位の切り身を用意してください。筋切りをして、肉たたきでしっかりたたきます。こうすると、やわらかく焼くことができます。
- 漬け込みに使う材料Aは、できるだけ細かい方がひとつの風味となります。
- 「みかん」の皮は、普通の「みかん」。柚子(ゆず)の方がいい香りのようですが、火を通すとちょっと苦味を感じます。「みかん」は甘味があっていい香りです。でも、たくさんあるからといって入れ過ぎないようにしてください。
- 豚肉を漬け込む時間は、20〜30分がよいでしょう。焼くまでに時間があるときは、30分位たったときに豚肉のまわりのタレをよく落とし、別々にしておいてください。
- 豚肉のまわりのタレは、できるだけ丁寧によく落としてください。細かく切ってあるので、肉についている分が、焼くとき焦げやすいです。
- 焼く火加減は中火位。表面を焼きつけてから、中までしっかり火を通します。
- フライパンにタレの焼け焦げが残っていましたら、それだけふき取ってください。フライパンには肉の焼けたうま味がありますから、決して洗わないこと。タレを全部フライパンに入れ、中火より少し弱めの火加減で焦がさないように、グツグツ煮えるまでじっくりと火を通してください。
- 箸(はし)で食べますので、肉を食べやすい大きさ、1.5〜2a巾に切ってから盛り付けます。1枚の肉は、4〜5切れ位に切れます。皿には、こんもり盛り付けます。平らには盛り付けないでください。火を通したタレをたっぷりかけます。
ちょっと一言
- 「豚肉」といえば「生姜(しょうが)焼き」というくらい、惣菜の定番のようですが、ちょっと手間をかけて、「風味焼き」はいかがですか。
私が子供のころ(40年以上前…)は、豚肉は高価なものでした。「鯨肉」は安価でしたが、独特のにおいがありました。それをおいしく食べるため、母がこの風味焼きにしてくれました。最近は「鯨肉」は手に入りません。そのかわり、いろいろな肉がさまざまな部位別に、どこでも買えるようになりました。この風味焼きは、豚肉だけでなく、鶏の胸肉・もも肉でもおいしくいただけます。ぜひ一度試してみてください。- 汁気がなく、少し濃いめの味のタレもいっしょに仕上がりますので、お弁当のおかずに最適です。「ポイントはここ」にも書きましたが、夜のうちに30分位漬け込んだら、肉とタレを別々にしておき、翌朝、焼いてください。
≪組み合わせメニュー≫
◎ポテトとわかめの味噌汁
◎里芋の含め煮
◎きのこのおろし和(あ)え
【野口料理学園】
塩ひとつまみ |
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■ジレンマ
- この正月も冬山へ。久しぶりに南アの北岳をめざした。あいにくと寒気団の襲来に遭い、荒天に阻まれて頂上は踏めずに下ってきた。山歴はかれこれ30年を越す。といって、いたずらに"馬齢"を重ねてきただけで、誇るべき山行はなにもない。中高年にいたってもこうして冬山を続けていられるのは、まったく装備・用具のおかげによる。ありがたいことに軽小を徹底し、性能アップする改良・開発のスピードは、加齢による体力の衰えをカバーして余りある。
- 食料についてもそれがいえる。登山は荷を背負い、斜面を登下降する激しい運動である。ザックの限りあるスペースは、できるだけ軽くて小さい、保存のきく、高カロリーで栄養価の高い食品を要求する。そのうえで、火を通すものと通さないものに大別する。日帰りや山小屋を利用する場合、煮炊きの必要ないおにぎりやパン、歩きながらでも口に持っていける菓子類を用意すればこと足りる(非常食も火はいらない)。山小屋泊まりでも自炊する場合やテント泊では、食材とともに調理道具や食器類は必携。冬はこれに寒さや雪対策の装備が加わって背中の荷はさらにかさばる。軽小は絶対で、保存性にすぐれ調理簡単の条件を満たす食品といえば、以前ならアルファ米、インスタントラーメンぐらいしか思いつかなかった。それがフリーズドライ(急速真空凍結乾燥)食品の登場で一変する。乾燥物だから軽い小さいは当たり前、栄養価も逃がさないし寒冷地でも凍らない。素材のままでも調理したものでも簡単に復元でき、お湯で戻すだけで食べられるという画期的なものだ。その製法は、NASAの宇宙食にも使われていると聞く。究極のお手軽食品といえよう。
- しかしである(やはりというべきか)、味はイマイチ、うまくないのである。いいことづくめに見えて、最大の欠点がここにある。山だから便利さに譲っているが、平地ではおよそ食指が動かない。それでも冬山の厳しい環境では選択の余地はあるまいと思われるが、そうでもない。だいいち、食が進まないようでは体力を温存できない、寒さ疲労に負けてしまう。うまい物を食べれば回復できるのだ。
- 山での最大の楽しみのひとつは、食事である。エネルギー補給だけが目的ではなく、飲み食いを通して仲間と交流する。それなくしてなんの山行か、と言ってはばからない山男は少なくないはず。山であれ平地であれ、食べるからにはおいしく食べたい。少しくらい重くたって材料を運びあげ、手間ひまをかけてもうまい料理にありつきたいのだ。 「味」をとるか「便利」をとるか。かくして日常のジレンマは、山上においても変わらない。(小笠原)
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