■食品の“危機”
- 食品の安全性が揺らいでいます。狂牛病、遺伝子組み替え食品、乳製品の集団中毒、牛肉・鶏肉のラベル改竄（かいざん）、輸入冷凍野菜の残留農薬、法定外添加物混入の肉まん、さらにここへきて違反食品添加物使用の香料が摘発されました。関連製品の種類の多さと、製造メーカーが20社以上にわたって大きな騒ぎになっています。この先、どんな食品がどういう形で問題になるか想像もつきません。たとえ"明るみに出ても"、もうそれほどのショックは受けないでしょう。「あってはならない」ことばかりが起こって、なにがあってもおかしくない、不思議はないという気持ちに私たちは慣らされてしまったようです。
- 救いがたいのは、これらの不祥事（遺伝子組み替え食品は別にして）が偶然でも突発でもなく、たまたま"明るみに出てしまって"問題化したことです。わからなければそのまま、発覚しても闇から闇に葬りさられて表に出てくることはなかったでしょう。わかっていて違法行為を続けたり、隠蔽したり、偽装したりしているということです。ですから、出回っている食品が１００％安全という保証はないもひとしい。なにを食べさせられているかわかったものではありません。やりきれない思いがします。
- こうした不祥事は、食品業界（民間）にとどまりません。厚生省の薬害エイズ隠し、旧大蔵省の官官接待、外務省の機密費・経費詐取、防衛庁の個人情報リスト作成・漏洩など中央省庁はおろか、県警のかずかずの怠慢と失態、県庁ぐるみのカラ出張不正蓄財、特異なところでは考古学の旧石器捏造など枚挙にいとまがありません。政治家に至っては、国政レベルであれ市町村レベルであれ、口利きを仕事として裏でなにをやっているのかわからないほど不信感を抱くようになったのは私だけではないでしょう。
- これらはすべて、≪モラル≫という大カッコでくくれます。モラルの欠如が、全項目を貫いています。残念ながら、良識・常識・良心のたぐいは今の時代、素直には信じられないようです。地位も名誉もある著名な人が、「天地神明に誓って」平気で嘘を言うのですから。道徳も自己規範も地に堕ちたみたいです。お天道様をまともに見られなくなっても、なんの痛痒も感じないでしょう。
- モラルとは、たいそうなものではないはずです。「思いやり」、相手の身になって考えることです。ゴミを捨てない、列に並ぶ、拾い物を届ける、大声で騒がない、席をゆずるなど人に迷惑をかけない配慮です。会社、役所とて変わりはありません。大きな組織においても、特定の個人・グループの特定の利益を排除して、公平な立場に立つことです。
思いやりの原点は、もっと近いところにあります。家族においしいものを作って食べさせてあげたい。我田引水ですが、私の思いやりのはじまりとトドメはこれです。それゆえに食品の危機は、この土台のところ、基本部分が脅かされているから許しがたいのです。
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[材料] -６人分-
板ずり
斜め薄切り
せん切り
卵液を入れる
卵液を広げる
焼き上がり
ひっくり返す
中央で切る
せん切りにする