今 週 の レ シ ピ

・当学園は今週(8月12日〜8月17日)は夏休みのため休講となります。

[特集] トマト・とまと・蕃茄  

●鶏肉のトマト煮込み    293kcal.  塩分1.4g

鶏肉のトマト煮込みの写真 [材料]  -6人分-

・鶏もも肉500g
◎A
  塩小さじ1
  胡椒(こしょう)少々
・小麦粉少々
・トマトホール缶1缶(400g)
・玉葱(たまねぎ)中2個(300g)
・ズッキーニ1本(150g)
・ピーマン2個(60g)
・ニンニク1片
・オリーブ油大さじ3
・ブランデー大さじ1
◎B
  白ワイン1/2カップ
  ブイヨン1/2カップ
・塩/胡椒少々
・パセリのみじん切り少々

[作り方]

  1. 鶏肉…5a角位に切り分け、Aで下味をつける。
    トマト缶の準備の写真 トマトホール缶…ボールに中味を全部あけ、フォークでトマトを軽くつぶす。
    玉葱…薄切りにする。
    ズッキーニ…7〜8_厚さの輪切りにする。
    ピーマン…せん切りにする。
    ニンニク…みじん切りにする。
  2. 直径24a位の厚手の鍋に、オリーブ油大さじ2を熱し、小麦粉をまぶした鶏肉を強火で焼きつけて、焼き油を捨て、ブランデーでフランべする。
  3. オリーブ油を大さじ1足して、ニンニク・玉葱を炒め、ズッキーニ・ピーマンを加えてさらに炒め、トマトを加える。 鶏肉をもどす写真
  4. 鶏肉をもどし、Bを加えて20分〜30分位煮て、塩/胡椒で味をととのえる。
  5. 鶏肉をとりだし、皿に盛り、野菜をさらに少し煮て、鶏肉の上からかけ、パセリのみじん切りを散らす。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • 厚手の平鍋があれば、それひとつでこの料理は仕上がります。家庭では、なるべく鍋の数は少なく料理したいと思い、考えてみました。
  • トマトのホール缶には、イタリアの太陽の恵みをたっぷりと受けた完熟トマトが、トマトジュースといっしょに入っています。ない場合は、完熟トマト3個を湯むきにし、汁と種をとり、2a角位に切り、トマトピューレ1/2カップかトマトジュース1缶を混ぜて使ってみてください。
  • オリーブ油で炒めますので、冷たくしてもおいしく食べられます。辛口の冷えた白ワインとともにいただくと、お互いに味を引き立て合うでしょう。


●とまとの和風サラダ    80kcal.  塩分0.7g

とまとの和風サラダの写真 [材料]  -6人分-

・トマト4個
  塩少々
・玉葱1個
◎A 和風ドレッシング
  ごま油大さじ2
  酢大さじ2
  醤油大さじ1
  砂糖少々
  塩小さじ1/3
  うま味調味料

[作り方]

  1. トマト…皮を湯むきにし、厚さ1.5a位の輪切りにし、切り口に軽く塩をふる。
    玉葱…みじん切りにし、ふきんに包んで水でさらす。
  2. Aを合わせて冷やす。
  3. トマトの切り口の水気をふきとって、皿に盛る。
    玉葱をトマトの切り口にたっぷりのせ、冷蔵庫で充分に冷やす。
  4. 3に2をかけてから、食卓へ出す。

ポイントはここ

  • かならず皮を湯むきにしてください。直接火であぶって皮をむくのは、サラダには向いていないように思います。
  • 輪切りは少し厚めにします。皮をむいてありますので、少し厚めでもおいしく食べられます。
  • トマトの切り口に塩をふり、10〜15分位おき、水分を出します。乾いたふきんかキッチンペーパーなどで出てきた余分な水分を、そっとふき取ってください。あとでかける和風ドレッシングが、水っぽくなるのを防ぎます。
  • 玉葱は、できるだけ細かいみじん切りにし、たっぷりのせてください。
  • 盛り付けたトマトとAを、冷蔵庫でよく冷やします。夏の料理で、冷たいものは充分冷やすことも味のうちです。

ちょっと一言

  • 母はトマト嫌いでした。「青臭い]「皮が口に残る」が理由でした。子供のころ、夏のおやつはトマトだったとか。嫌いでも、長女だった母は、弟・妹の手前、我慢して食べたとよく話していました。もう充分食べたから(?)、トマトのサラダは作らない…。ところが、「柊会(ひいらぎかい)」の和食の試食会のときです。ある料亭でこの「とまと和風サラダ」に出会い、「青臭くなく」「皮がないから食べやすい」と、トマトの大ファンになりました。
    トマト嫌いの方、ぜひ一度このサラダを召し上がってください。そして、結果をおしえてください!!


●牛肉炒蕃茄(牛肉のトマト炒め)    194kcal.  塩分1.0g

牛肉炒蕃茄(牛肉のトマト炒め)の写真 [材料]  -6人分-

・牛肉250g
・トマト中3個(400g)
・ピーマン3個(90g)
・ニンニク1片
◎牛肉の味付け調味料
  胡椒少々
  砂糖大さじ1
  醤油
  酒
  酢
  水
  ごま油
・片栗粉大さじ1
・炒め油大さじ3
・醤油大さじ1

[作り方]

  1. 牛肉の薄切りを一口大に切り、味付け調味料をもみ込む。
  2. トマト…湯むきにし、くし型に切る(8〜10切)。
    ピーマン…1a巾のせん切りにする。
    ニンニク…みじん切りにする。
  3. 中華鍋に油を熱し、ニンニクと片栗粉をまぶした牛肉を炒め、つぎにピーマンを炒め、さらにトマトを加えて炒め、醤油で味をととのえて仕上げ、皿に盛る。

ポイントはここ

    牛肉の下味付けの写真
  • 牛肉の味付け調味料は、書いてある順番にひとつずつもみ込んでいきます。胡椒と砂糖をかけたら、2つが分からなくなるまでよくもみ込みます。
    つぎに醤油、酒…ともみ込んでいき、さいごにごま油をもみ込みます。油を最初にもみ込んでしまいますと、油の膜ができて、味が入りにくくなります。調味料の順番は大切です。
  • 気にならない方はいいでしょうが、できたらトマトの皮は、湯むきにしたほうがまろやかに仕上がります。
  • 炒める直前に、片栗粉をまぶした牛肉とニンニクをまず炒めますが、あまり中華鍋で油を熱くしずぎないこと。ニンニクがこげないようにするためです。
  • 牛肉に火が通ったら、ピーマン・トマトは手早く炒め、醤油で味をととのえます。

ちょっと一言

  • 牛肉の代わりに豚肉、鶏肉でもおいしくできます。また、白身魚の切り身を唐揚げにし、牛肉の味付け調味料を全体の味付けとして使ってみてはいかがですか。
  • ピーマンの代わりに「ちんげん菜」を使ってみては? 変化に富んだ料理になりますよ。

【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■東北の夏 
  • お盆休み。一足早く、帰省を済ませてきた。途中、娘とともに秋田市の竿灯祭りを見物した。彼女にとってはもちろん初めてだが、私も実質それにひとしい。中学時代に一度、垣間見た程度にすぎない。米の国らしく、米俵をかたどった堤燈をいくつも段重ねにし、稲穂に見立てた竹の竿を、手・肩・頭・腰にのせて技を競う。ただでさえバランスをとるのがむずかしいところへもってきて、当日はすこぶる風が強かった。見上げる観客はハラハラし通しで、祭りはいやがうえにも盛り上がった。あれほどの長竿を上手にあやつる器用さは、こつこつ根気よく練習を積み上げた上で結果され、わが秋田の県民性を象徴してあまりある。
  • 両親のふるさとはお隣り青森県である。こちらの祭りの代表は何といっても青森のねぶた。勇壮さにおいて竿灯を上回る。山車の緩急をつけた機動力は見るものを圧倒し、大太鼓の大音量がくりだす独特のリズムは、人々を飛び跳ねさせずにはおかない。とくにハネトの、のたうちまわるような動きは尋常ではない。編み笠と口元の布で外からの視線を遮断、囃子や身にまとった無数の鈴の音で聴覚も麻痺、自らも奇声を発してトランス状態におちいっているかのようだ。"じょっぱり"で表現される気性の激しさが真骨頂である。
  • 子供の頃より何度も見てきた私も、びっくり仰天するねぷたがある。五所川原市の立佞武多(たちねぷた)だ。平成10年、90年振りに復活した。高さ22m、重量16tという偉容は、ねぶたを見慣れた者でも腰を抜かさんばかりだ。こうこうと明かりが灯った5,6階建てのビルが、しずしず動くのを想像していただきたい。驚きの声をあげるか、声を失うほど感動するかだ。一見をお勧めする。
  • きびしい寒さと、のしかかる雪に封じ込められた半年間の鬱積したエネルギーが、集団ヒステリー的に大爆発をおこすのが竿灯やねぶたとすれば、一人の人間の底知れない営みが隙間なく大地に染みわたり、のちに昇華して民衆の絶大な信仰をあつめているのが即身仏である。衆生救済に限界を超えた難行苦行の末、生身のまま土中に入定し果てたといわれる。その即身仏が安置される山形県朝日村の大日坊と注連寺にも立ち寄った。
    陽/陰、明/暗、動/静、喧騒/静寂、希望/落胆、楽天/悲観…1年の半分が冬といっていい東北には、正反対のものが極端な形で併存する。夏に日照時間が十分でなければ食糧減産となり、越冬は生死にかかわる。飢饉への恐怖は甚大で、常にその危険にさらされてきた。夏祭りは、寒冷地に住まう人々が無事冬場をこえられた喜びの爆発的表現であると同時に、秋の収穫に向けた五穀豊穣を願う切実な祈りでもある。
  • ところで、郷里には老いた両親がいる。94歳と90歳、ともに車椅子の世話にもならず達者である。と言いたいところだが、母親にボケの症状が著しい。軽い兆候はあった。そこへ転んで骨折、入院中急速に進行した。正気と痴呆が頻繁に行き来する。文字通りお天気しだい。雨や湿気が高いと情緒が安定しない。強迫観念というか、被害妄想が強くあらわれる。とくに、食い物にたいしては露骨である。食べたのに食べていない、盗られる・狙っている・持っていかれるとおののき、独占欲は強烈だ。不思議に食べ残しは忘れない。嫌いなものでも、おなじように皿に盛らないと怒る。食い意地は幼児そのものだ。といってそのつもりで叱ると、猛烈な反撃にあう。大人のことばで悪態をつく。痴呆に怒気が加わると狂気に近い。味覚は健在のようだ。まずいときはかならず言う。独り言が多い。だんまりはそれ以上だ。母親とはまるっきり別の人格である。なさけない。見るのはつらい。が、そのDNAはこちらにもある。むしろ見ておくべきだろう。母の空腹にたいする恐れと執念深さが、雪国の危うい食糧事情、ひたむきな信仰、エネルギッシュな夏祭りの行事とダブって見えてくる。 (小笠原)
<これまでの塩ひとつまみ>

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