“ジョキング”。ジョギングのまちがいではありません。“除菌真っ最中”の意味です。私ではなく、主人。胃がんの原因となりやすい、あのピロリ菌の除去のことです。
日本人のピロリ菌感染者は約３，５００万人といわれ、団塊世代以前の人では、じつに８０％以上が持っているそうです。上下水道が十分普及していなかった井戸水世代で、乳幼児期に口から入ったと考えられています。

夫婦ともども同年齢の団塊世代ですが、私はなんでもありません。甲府市内は戦前から水道が通っていました。一方、地方の小都市で生れ育った主人は
「そういえば、道路わきに共同の手押しの井戸ポンプがあって、そこから家の台所まで運んで大甕（おおがめ）に入れ、それを使っていた」
そうです。ポンプのある共同の井戸端は道幅の３分の１を占めるほど出っ張っていて、漬物用の大根を洗ったり、洗濯など複数の人がたくさん水を使うときの洗い場も兼ねています。そうでなくても水汲みはたいへんな作業です。水場へ行ったほうが時間も労力もはるかに楽。大量に水を使うからといって、いちいち運んではいられなかったのでしょう。主人が住んでいた町内には、おなじものがもう一か所あった。市内のいたるところで見かけた風景と思われます。もちろん無料です。昭和３０年前後はまだまだ４〜５万の都市であっても、家庭の井戸か共同井戸かの井戸水全盛の時代でした。

県庁所在地・甲府にしてもエラそうなことはいえません。中心地を離れれば主人の田舎と変わりなかったでしょう。現に私の住んでいるそばには刑務所がありました。こうした特殊施設があるのは町はずれと決まっています。本来なら、水道の敷設は後回しになるところでしょうけど、逆に、この施設のおかげで早めに水道が通ったのかもしれません。

さて、ピロリ菌は感染しているといっても自覚症状はないとのことです。主人も７年前の検査で初めて知りました。でもそのときは、除菌してもしなくてもいいような医師の物言いだったので、そのままにしておいた。ところが最近、ネットで偶然にピロリ菌の記事が目にとまりました。ほかにも検索をかけたところ、どれもこれも除らなきゃだめ、胃がんになるぞのオンパレード。これに不安と恐れをなし、除りたいと言い出したのです。

方法は簡単。５種類の薬を１日２回、７日間服用するだけです（アルコール類はひかえる）。で目下、ジョキング中というわけですが、趣味のランニングも続けていますから、ジョキング＋ジョギング。相乗効果があるのか、反対に相殺作用があるのかわかりません。今のところ副作用などの変化はなさそうです。飲み終えたあとの４週間後に呼気検査があって結果がでます。