今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(2月第2週)のメニューより● 大根のふろふき ● 85kcal. 塩分 1.5g
[材料] -6人分-
・大根(3cm厚さ) 6個 ・煮出し汁 3カップ ◎A 赤味噌 80g 砂糖 大さじ5 みりん 大さじ1 煮出し汁 大さじ2 ・胡麻 大さじ1 [作り方]
- 大根は3cm厚さの輪切りにし、皮をむき、面取りをし、隠し包丁を入れる。米のとぎ汁で固めに茹(ゆ)で、荒熱がとれてからきれいに洗う。
- 鍋に大根をならべ、煮出し汁3カップを加え、やわらかくなるまで弱火で煮る。
- 鍋にAを加え、練り混ぜて火を通す。
- 大根を器に盛り、3の練り味噌をかけて、切り胡麻をのせて仕上げる。
ポイントはここ
- 大根の真ん中の白くてみずみずしい部分を、3cm厚さの輪切りにして、皮を厚めにむきます。切り口をみると、皮から3〜4mm内側に1本筋がみえます。そのすぐ内側で、皮をむきます。
- 煮くずれしないように、面取りをします。
- 味がしみやすく、火が速く通り、食べやすいようにするためには、盛り付けるとき、下になる方(裏側)に十文字の切り込み(隠し包丁)を、厚みの半分まで入れます。
皮を厚くむく 面取りをする 隠し包丁を入れる
- 下茹(ゆ)では、苦味をとるため米のとぎ汁を使い、竹串がやっと通るまでとし、荒熱をとり(手を入れられる位まで温度を下げる。約40℃)、水できれいに洗います。米のとぎ汁がない場合は、糠(ぬか)を少し入れるか、洗わない米を一握り入れてもよいでしょう。
米のとぎ汁を使う 沸騰してから中火で5〜6分 荒熱を取ってから洗う
- 出汁はたっぷり用意して、本当にやわらかくなるまで弱火でゆっくり煮てください。
- 練り味噌は、ふろふき大根の味に個性を出すものです。好みの味噌を用意してください。味だけでなく、色も大切です。ゆずや胡麻などの香りもお忘れなく。
ちょっと一言
- 一口に大根といっても全国には色々な特徴のある品種があります。一年中出回っている人気者は「青首大根」。あまり辛くなく甘味があり、生の状態では、おろし・和え物・サラダに、煮るとふろふき・金平・みそ汁の具など料理法もさまざま。その上、栄養的にも消化酵素(ジアスターゼ)や食物繊維があり、毎日の食卓に欠かせません。また、大根は葉から先端部分まで部位により特徴がありますので、それを生かした料理を作ることが大切です。
- 葉はビタミンA・Dが多く、油炒め、汁の実、混ぜご飯などに使えます。八百屋さんに「おいてこないで」積極的に食べるようにしましょう。
- 葉のすぐ下の薄い緑色の「首」の部分は少し筋っぽくて、甘味がありますが、旨味が少々足りません。辛味に日本葱、旨味にハムを加えたせん切りのサラダ、鶏挽き肉を加えた金平煮などに挑戦してみてください。辛い大根おろしが苦手な人は、この部分をおろしてみてはいかがですか。
- 真ん中は「味よし」「形よし」。生でも、煮ても、何をしてもおいしい部分です。かつらむきに最適。さしみのあしらい、なます、ふろふき、おでんの具、ぶり大根……きりなくあります。
- 先端は繊維がぎっしり詰まっていて、さらにその方向もさまざまなために硬く、辛味があります。ピリッとした大根おろしが好きな人にむいています。また、せん切りにして汁の実、炒め物にも使えます。
もう、ちょっと一言
≪組合わせメニュー≫
- 厚くむいた大根の皮はどうしていますか? 捨てていた人は、これからは大根干しを作ってみましょう。まず、クルッとむいた皮を幅5cm位に切り、繊維にたいして直角にせん切りにします。盆ザルにひろげて、天日で充分に干し、カラカラにしたらでき上がり。それを熱湯でもどして煮物にすると、とてもおいしくいただけます。
繊維に直角にせん切り 盆ざるに広げて干す
◎かき玉汁
◎ほうれん草のお浸し
◎焼き魚
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■3万円のおみそ汁
- 日本には、世界各国からたくさんの留学生が勉強にきています。若い人を中心に、先端技術から古典芸能までその分野は幅広く多岐にわたります。甲府市にも、そうした外国人が日本語を学ぶための語学学校が存在します。その学校の年中行事のひとつに、学生が自分たち出自国の自慢料理を作って食べあうというパーティーがあります。当学園が何度か会場になり、私をはじめ助手さんも日本料理を作って参加しました。中国、台湾、韓国、タイ、ブラジルなどからの留学生がチームを組んでそれぞれお国の料理を作ります。男性もいますが、女性が多いです。
- 彼女たちは日頃から自炊しているので、お手のもの。手際といい、出来映えといい、それは見事です。なかでも中国の留学生は目立って、その上にたくましい。使い慣れ、よーく自分の手になじんだ持参の麺棒で、シュウマイの皮から餃子の皮、肉まんの皮を粉から作っていきます。その速いことといったらまさにプロ級。あっという間に山のようにできてしまいます。 タイ美人の留学生の味にも、うなりました。おかげで世界三大スープのひとつといわれるトムヤンクンをたらふくごちそうになりました。また韓国のお嬢さんたちは、着ているものや身につけているものが他の留学生と比べてぐっと派手、一目で裕福なのがわかります。料理の腕前はどうかなと危ぶんだのでしたが、なかなかどうして、チヂミやユッケジャンなどちゃんとしたものを作りました。しかも味は確かでした。
- さて、日本からも若者が世界中に行っています。彼ら彼女たちも、留学先でいま見てきたような料理の腕をふるって、現地の人あるいは各国からの人たちと交流できているのでしょうか。残念ながら、昨今の日本の"食"事情を考えると、否定的にならざるをえません。それどころか事態ははるかに深刻で、うすら寒いものを感じます、まともに料理できないのではないかと。
- 当学園の生徒さんの中にも留学経験者がいます。かの地での惨めな体験から一念発起して習いにきました、と正直に言う人もいます。アメリカでもヨーロッパでもちょっとした都市なら日本食の食材は手に入ります。以前なら、食材がそろわないのを理由に断ることもごまかすこともできましたが、今は通用しません。日本人なのだから日本食の二つや三つは作れてあたり前と周囲はみなすでしょう。その期待にそえないと、ただでさえ打ち解けるのが苦手な日本人はいっそう疎外感を感じてしまうことになります。
- そのひとりAさんは、5年前の高校生のとき1ケ月間アメリカにホームステイしました。ステイ先の家族との話から、ジャパニーズ・スープすなわちおみそ汁を作る羽目になりました。断るわけにいきません。運が悪いことに(?)、みそを売っているお店がその町にはありました。ところが、なにをどうしていいのか皆目わからない。思いあまって、国際電話で日本のお母さんに泣きつくほかはありません。生まれてこのかた、毎朝出されて飲んでいたおみそ汁が、自分では作れない。情けなくて悔しくて…そう述懐するAさんです。一から十までこと細かに電話口でメモをとって、かさんだ電話代が〆て三万円。高い高いおみそ汁代となったわけです。(つづく)
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