今 週 の レ シ ピ |
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・ベーシッククラス(7月第2週)のメニューより●糸こんにゃくの磯辺和(あ)え 47kcal. 塩分0.9g
[材料] -6人分-
・糸こんにゃく 1/2 袋(100g) ◎吸い物 出汁(だし) 大さじ3 醤油(しょうゆ) 小さじ1 酒 小さじ1 ・鶏肉 100g ◎照り醤油 醤油 大さじ1 みりん 大さじ1 ・海苔(のり) 1/2 枚 ◎わさび醤油 醤油 大さじ1 練りわさび 小さじ1/2
[作り方]
- 糸こんにゃくはサッとゆで、4〜5cmに切り、吸い味で下煮をしておく。
- 鶏肉は大きくそぎ切りにし、照り醤油につけて焼き、細く切る。
- 海苔(のり)は乾かして、もみ海苔にする。
- わさび醤油で1、2を和(あ)え、小鉢に盛り、もみ海苔をかける。
ポイントはここ
- 糸こんにゃくは、5〜6cm角15〜20cm長さのひも状のこんにゃくです。ゆでた後、食べやすい長さ(4〜5cm)に切ります。吸い物くらいの味の汁で、下味がつくように煮ます。このことを「吸い味で下煮をする」といいます。
- 鶏肉は、胸肉をできるだけ大きく3〜5cm厚さくらいのそぎ切りにし、照り醤油に漬けます。10分くらいしたら、網焼きにします。乾いたら残っている照り醤油をつけて、また焼きます。照り醤油がなくなる頃には焼き上がっています。包丁で4〜5cm長さ、7〜8cm幅に細く切ります。
大きめのそぎ切り 乾いたら照り醤油
- 今は、海苔(のり)は「焼き海苔」で売っていることが多いのですが、軽く乾かしてからもみ海苔にするほうが香りもよく、細かくもめます。(「長芋のノリ酢和え」参照)
- 練りわさびと醤油を混ぜ合わせて、糸こんにゃく、鶏肉を和えて小鉢に盛り、食卓にだす直前にもみ海苔をかけます。食べるときは、海苔をよく混ぜてください。
全部混ぜて盛るより、香り、味はもちろん、見た目もいいように思います。
ちょっと一言
- 「磯辺和え」「磯辺揚げ」など、「磯辺」がついていたら「海苔(のり)」を使っていることを表わします。
- 糸こんにゃくは、「1袋200g」で売ってますので、一度にゆでて、磯辺和えに100g使った残りは、煮物や鍋物などに使ってください。ただし最近は、「100g入り」や「アク抜き済み」もあります。
- 鶏肉を網焼きにすると、タレが落ちてコンロやその周りを汚しやすいのですが…。フライパンで、油を使って焼いてもいいでしょう。でも、直火(じかび)焼きのおいしさは、掃除の手間を考えても、格段のはずです。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■合体また1組新婚さんが誕生しました。半年前ほどからお稽古に通っているA子さんです。二人でアパートを借りて住むようです。
―先生、不安いっぱいです。毎日なにを作ればいいかなってこともそうだけど、作ったものが彼の口に合うかどうかのほうがもっと心配です。
自分が育ってきた家庭の味が、相手の慣れ親しんできた味と融合するか反発するか、疑心暗鬼なのです。
―いよいよ、「勝負する」ときがきたわね。
こう言って私はA子さんをオドカシ、不安の淵へと突き落としてしまいます。もちろん冗談ですが、彼女の悩みはもっともなことです。お姑さんたちといっしょに暮らすのであれば、選択の余地はありません。一もなく二もなく相手方の家の味に、自分の舌を合わすだけのことです。では、二人だけで暮らす場合はどうなるでしょう。
まずは自分の味で作ってみて、反応を待つしかありません。それも、薄い、しょっぱい、甘い、辛いなどの前に、マズイがこないように祈りたいところです。でも、新婚早々は大丈夫。お互いマダ遠慮があります。幸せすぎて(?)、そこまでは気が向かないでしょう。とくに、作ってもらっているほうの男性は、二重の遠慮があります。
結婚するまで、それぞれの家庭で何十年と食事をとってきました。本人はその味が一番だと思っています。その感覚を頼りに、相手の味覚を評価するのですが、似通っていたり満足できるものであれば言うことはありません。相手が味に無頓着な場合も、これはこれで問題なしとしませんが、まあ、文句がでないという意味では波風は立ちません。
食事は毎日のことです。誰しもたのしくおいしく食べたいものです。好みの問題だからといって軽く考えないことです。“食い物の恨みは〜〜”。ちょっとした不満でも、だんだん時間がたつにつれて積もっていきます。直接表面にでることはなくても、いつかなにかの拍子に別の形をとってあふれ出るかもしれません。もし不平不満があったら、そのことを相手につたえて話し合うのがいいと思います。
相手の好みがわかるのに、時間はかからないでしょう。薄味派か濃いめが好きか、好物は何かなどは、しぜんにわかります。好みがわかったところで、お互いが家庭の中で背負ってきた食味感覚の「すりあわせ」が行なわれます。県内同士、他県、関西、九州、東北…、それぞれの地域の出身地で特徴がでます。具体的なメニューがわかれば、より一層はっきりします。
そこで自分が主導権をにぎるか、相手の味覚に合わせるか、またはお互いの「お袋の味」が合体するか、食に関心のある人なら、とても重要なことだと気づくはずです。抱いていた先入観の通りだったり、くつがえされたり、思わぬ発見があったりします。
ちなみに私の例で言いますと―。主人は東北山間部の出身です。一体に東北の人間は濃いめの味が好みと思っていました。下戸に近いせいもあるのか、主人は薄味です。その点では私と共通していました。好き嫌いはほとんどありません。ただ、塩辛と海蛸(ほや)が苦手です。
無類にナスが好きです。とりわけ、味噌炒めに目がありません。これがお袋の味だといってはばかりません。私におなじものを作るよう要求してきました。なんど試作しても満足させられず、義母に分量や調理法を電話で聞いたりしてやっと合格点をもらいました。今やナス好きはしっかりと娘に受け継がれ、これからの季節、我が家の食卓は、ナスの味噌炒めをめぐって醜い父娘のアラソイが繰り広げられます。
切りたんぽを知ったのも主人を通じてです。また、三陸に近い港町出身の義父の影響で、いくつかのコブ料理を覚えました。こうして相手本人のほかに、その両親が背負う味覚も芋づる式にたぐり寄せることになります。こちらもそうです。私の母は甲府ですが、父親は埼玉の秩父出身です。姉の嫁ぎ先の料亭から中学に通っていた関係で味にうるさく、その父の仕込みで母は本格的に料理の道にすすみました。
自分の味覚は譲りたくないものです。そんなときは、健康管理という錦の御旗をかかげましょう。味が濃すぎたら、塩分の摂りすぎは体によくないといって控えさせます。自分がそうだったら、そのように努めなければなりません。話し合うことによって、両方の親(家)から受け継いだものを合体させ、さらに自分たち独自の家庭の味と新しいメニューを獲得していくことができます。それがまた自分たちの子や孫へとつたえられていくのです。
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