今 週 の レ シ ピ |
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・アドバンスクラス(9月第2週)のメニューより●アメリカ風サラダ 264kcal. 塩分0.8g
[材料] -6人分-
・ポテト 3個 塩 少々 酢 少々 ・セロリ 1/2本 ・タマネギ 1/2個 ・ピーマン 2個 ◎フレンチソース サラダ油 大さじ2 酢 大さじ1 塩 小さじ1/3 コショウ 少々 ◎マヨネーズ 大さじ3 ・トマト 1個 ・茹(ゆ)で玉子 3個 ・レタス 6枚
[作り方]
- ポテトは丸ごと茹(ゆ)でて、皮をむき、1cm角に切り、熱いうちに塩と酢をふり、下味をつける。
- セロリは、2cm長さの短冊切りにする。
タマネギ、ピーマンは1cm角に切る。
フレンチソースで下味をつける。- 1と2を、マヨネーズソースで和(あ)える。
- トマトは、くし型に切る。
茹で玉子は、星型に切る。
レタスは水につけてパリッとさせ、水気を切る。- サラダ鉢にレタスをしき、3のポテトサラダを盛り、トマトと茹で玉子を飾る。
ポイントはここ
- ポテトは、皮付きで丸のまま茹でます。ちょっと時間がかかりますが、水っぽくなく、ホクホクに茹であがります。
- ポテトは熱いうちに皮をむき、1cm角に切ります。ヤケドをしないように注意してください。下味の塩、酢は、熱いうちにふりかけることで、ポテトの表面だけでなく、中までしっかり味がつきます。
丸ごと茹でる 熱いうちに皮をむく
- セロリは切った後、水でサッと洗い、よく水気を切ってください。
- タマネギ、ピーマンは、1cm角に切ったらそのままです。さらす必要はありません。セロリといっしょにフレンチソースにつけて、下味をつけます。
- ポテトが充分熱が抜けて冷めたら、セロリ、タマネギ、ピーマンを加えて、マヨネーズで下味をつけます。
野菜の切り方 ポテトに野菜を入れる
- トマト、茹で玉子の切り方は、あなたのセンスにお任せします。
ちょっと一言
- 東京オリンピックの年、もう40年前になりますが・・・、まだホームステイが珍しい頃、「国際生活体験生」の制度で、高校1年生だった私の家に、アメリカの女性で、小学校の先生が1ヶ月半滞在しました。母より少し年上の四十代後半で、よくいっしょに料理やお菓子を作っていました。このサラダは彼女から教えてもらったもの。母は「アメリカ風サラダ」と名前をつけてアドヴァンスクラスのメニューに入れました。授業の中で、皆さんが驚くのはタマネギを1cm角に切り、さらさないでそのまま使うところ。その反応は「辛くないですか?」「タマネギくさくないですか?」・・・さらに、ピーマンも1cm角。でもフレンチソースで下味をつけたあとポテトといっしょにマヨネーズソースで和え、さらに、茹で玉子といっしょに食べるとタマネギ、ピーマンともに違和感がありません。いろいろな「ポテトサラダ」を作ると思いますが、これもレパートリーに加えてください。
- 「ポテト」の下味は、かならず「熱いうちに」をわすれないように!「味わう人生(3)」を参照。
もう、ちょっと一言
- サラダ鉢に美しく盛られたサラダは、どこから取り分けたものかと迷ってしまいがち。本当にサラダをおいしく食べるには、サーバーでよく混ぜてから取り分けるのが1番! 茹で玉子は、おひたしの上にのっている「かつお節」と同じ。たとえば、ほうれん草の上のかつお節だけを先に食べる人、とっておいて後で食べる人はいないでしょう。ほうれん草と混ぜて食べるでしょう。茹で玉子がきれいに飾り切りしてあっても、よくくずしてから混ぜ合わせて食べましょう。
- 皮付きのポテトは、茹でると大分時間がかかります。もし、100〜120gのポテト1個だけ茹でたいときは、皮のまま洗って、少し水が付いているままラップにくるみ、電子レンジに3分くらいかけてください。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■「食運」このたび、『消えた移住地を求めて』というタイトルの本を出版いたしました。
詳細はそのサイトを見ていただくとして、私は16年前まで、およそ9年間にわたってブラジルに暮らしていた。同国最大の都市サンパウロの中心で、日本人の老夫婦のアパートに下宿していた。勤務先(サンパウロ人文科学研究所、ブラジル日本移民史料館)が近いこと、低家賃であること、それに下宿先が日本人で安心できることなどの条件からだった。絵にかいたような老夫婦の人柄のよさとともに、私を喜ばせたのは、この家の食事のうまさである。日本食はもちろん、ブラジル食のうまさといったら天下一品。それもそのはず、この夫婦は、「ブラジル人向け」の食堂をやっていた。サンパウロで一番(ということはブラジルで一番)のビジネス街・パウリスタ大通りから少し入ったところにその店はあった。
看板も目印もなにもない。店といっても、老夫婦のおかみさんの姉夫婦が住む普通の家屋である。およそ馴染み客でもなければ見つけられない。ここで二組の老夫婦4人が、昼食専門の「一膳めし屋」としてブラジル食を調理して出していた。この界隈のオフィスで働くブラジル人が相手である。
昼食時、20人も入れば満杯となる部屋は客でごった返した。廊下から入口から、外にもあふれて待ち客が列をつくる。サラリーマンにとって毎日の昼食は、外食の場合、すこしでも安く、よりうまいところに殺到するのは、日本もブラジルもかわりはない。
ブラジルの大衆食堂では、メニューは曜日で決まっている(店によってはちがうこともある)。いわゆる日替わり定食、定番というやつだ。月曜日=ヴィラード・ア・パウリスタ(骨付き豚肉ロース)、火曜日=ドブラジーニァ(牛の胃)、水曜日=フェイジョアーダ、木曜日=ハバーダ(牛の尻尾)、金曜日=ペイシェ(魚)、土曜日=フェイジョアーダ、日曜日=マカホナーダ(マカロニ)。
フェイジョアーダが水曜と土曜の2回ある。黒いフェイジョン豆と、牛・豚のさまざまな部位を煮込んだブラジルの代表的料理である。ブラジルの「お袋の味」といってよい。ということは、家庭によって、店によって味が全部ことなる。そんな中で、日本人の老夫婦たちがつくるお袋の味は、ブラジル人たちにも大好評なのだ。私ももちろん、ここのフェイジョアーダが大好きだった。ほかにドブラジーニャ、ハバーダがお気に入りで、その曜日がくるのがとても待ち遠しかったものだ。
平日は、店の仕込みがあって老夫婦は朝が早い。私が寝ている間に、アパートを出て行く。朝食は向こうの習慣で、カッフェ1杯か、それにクッキーが付く程度。昼休み、下宿に戻る私のために、昼食を用意していってくれている。和食のときもあればブラジル食のときもあって、決まっていない。後者の場合は、前日、店でつくっておいた分を持ってきてくれる。夕食は、私が外食するから必要ないとことわらない限り、かならず用意して待っている。扱いは下宿人の待遇を超え、息子のように親身になって世話をしてくれた。
この老夫婦を、出利葉(いでりば)さんという。福岡県の出身で、おやじさんは戦前、かなり早い時期に1歳で家族に伴われてブラジルに渡った。日本人の移住地で日本的な環境の下に育ち、日本語はもちろん心情的にも日本人そのものだ。おかみさんも戦前、少女時代に広島から家族とともにやってきた。こちらも日本人移住地育ちである。
二人とも、ブラジル語(ポルトガル語)はすこぶる達者。特におやじさんのほうはブラジル人からは”ジョゼー”というブラジル名でよばれて、ブラジル人とたがわぬほど流暢である。感心するのは、バイリンガルの二人とも、日本語で日本人で話すときと、ブラジル語でブラジル人と話すときを、完全に使い分けていることである。言語上のことだけではない。
われわれとはおだやかにいつもニコニコ、やさしく接してくれる。相手がブラジル人となると、語調のちがいは当たり前として、顔の表情、身振り手振りのゼスチャーなどがちがってくる。「言語」が「自動スイッチ」の役目を果たして、メンタルな面でも無意識のうちに完璧に切り替わっているらしい。
食事にもそれが現れる。共に箸(はし)とナイフ・フォーク・スプーンは不自由なく使う。が、仔細にみれば、おかみさんのブラジル食のほうに、若干ではあるが、「箸の影響」が見て取れる。これに比べておやじさんは、食べる姿勢から、フォーク等の持ち方、動かし方、テーブルクロスでナプキン替わりに口をふくなど、ブラジル人以外のそれではまったくない。おやじさんのほうが、二面性の完成度が高いのである。
それはともかく、「金運」には縁のなかった私のブラジル生活は、出利葉家のおかげで、「食運」にだけは恵まれていたようである。(お)
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
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