今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(10月第4週)のメニューより

●鶏手羽先のスープ   48kcal. 塩分0.9g

鶏手羽先のスープ [材料]  -6人分-

・鶏手羽先(とりてばさき)6個
・鶏ガラ2羽分
・ニンジン1本
・長ネギ1本
・セロリ1本
◎A1本
  タマネギ1個
  丁子(ちょうじ)2本
◎B1本
  ブーケガルニ1個
  コンソメの素1個
  粒コショウ小さじ1/2
・熱湯8カップ
・塩、コショウ
・刻みパセリ1本

[作り方]

  1. 手羽先は関節で「手羽中」と「羽先」に分ける。
  2. 鶏ガラは水で洗ったあと、熱湯でサッとゆでる。もう一度、よく洗う。首をはずして3〜4個に切る。
  3. ニンジン、長ネギ、セロリは一口大(ひとくちだい)の乱切りにする。 野菜の乱切り、材料AB
  4. 熱湯に3の野菜とA、Bを入れ、10〜15分煮る。
  5. 1、2を加え、弱火で1時間くらい煮る。
  6. 塩、コショウで味をととのえ、ブーケガルニは取り出す。
  7. スープ皿に盛り、刻みパセリを散らす。
ポイントはここ
  • 鶏手羽先を二つに切るには、関節で分けるように包丁を入れます。

    関節で二つに 内側から切る ガラと首と手羽先

  • 鶏ガラは内臓、脂肪、血液などがついています。水で取れる分をまず洗い流します。熱湯に入れて、沸騰したら取り出して、もう一度水でよく洗います。

    左側は洗う前、右側は洗った後 熱湯でゆがく

  • 「丁子(ちょうじ)」という香辛料は、釘(くぎ)のような形で、タマネギに刺すことができます。
  • ブーケガルニは「香りの束」。セロリの葉、パセリの茎、ローリエの葉をタコ糸でしばって使います。

    タマネギに丁子 ブーケガルニの材料 タコ糸でしばる

    野菜と材料ABを煮てから手羽先などを入れる

  • 弱火でゆっくり煮込むことで、手羽先のゼラチン質や材料のおいしさがスープの中に溶け出して、おいしく仕上がります。
ちょっと一言
  • このスープに、好みのパスタはいかがですか。「パーミセリ」、とても細いパスタで日本のソーメンのようです。この場合は、ちょっと浮かし実程度です。「スパゲティ」なら、すこし多めにすれば軽食になるでしょう。ほかにいろいろなパスタ、「ペンネ」(ペン先の形)、「シェル」(貝の形)、「ファルファリーネ」(蝶々の形)など・・・こちらは、浮かし実、軽食のどちらにもなります。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■鍋のルール

食事のとき、家族に声をかけますが、あなたはつぎの3つのうち、どれが適当だと思いますか?
1.ごはんができていますよ―
2.ごはんができましたよ―
3.ごはんができますよ―

1を選んだあなた、タイミングが遅すぎます。支度ができているのはいいのですが、料理が冷めていませんか。

2を選んだあなた、これもまだすこし遅い。呼ばれて、すぐにテーブルに着いてくれるならいいのです。5分10分かかるとしたら、熱いものは冷め、冷たいものは温くなってしまいます。一番おいしい瞬間を逸するということです。

味噌汁とかスープ類は、フーフー言いながら熱々のところを飲んで欲しいですよね。また、豆腐蒸蛋(豆腐と卵の蒸し物)のように、短い時間のあいだに表面が乾いてしまうものもあります。時間の経過によって、見た目のよさも、おいしさも失われるのです。せっかく作ったのにこれではもったいない。

3の「ごはんができますよ―」、そう呼んであげてみてはどうでしょう。料理の最終段階で席に着いてもらうのです。ですから、テーブルには料理はまだ全部ならんでいません。それをみて、「なんだ、まだできてないの」と言われたら、「あとちょっと。熱々を食べてもらいたいから」と言いましょう。待てないと取って返しても、気持ちのなかではこちらにアンテナが向いていますから、再度コールすると至近距離から飛んでくるものです。

時間の違いで味の違いがわかってもらえたらシメタモノ。それにはグラタンがもっていこいです。テーブルに出してから呼んで食べるのと、事前に座って、でき立てを食べるのとを比べさせます。違いは歴然です。すかさず言いましょう。「ねっ、わかったでしょ、早く食べてもらいたいわけが」。

以後、「ごはんですよ―」と呼ぶときは、「もうじきできるから、早くテーブルに着いて!」の意味であることを認識させましょう。食べ手の顔を確認してから、仕上げに入るということを徹底させるのです。

徹底には、条件があります。でき立てを重視すると、テーブルのセッティングや配膳が手薄になりがちです。そこで、あなたがシェフに専念できるように、給仕係を設けるのです。食事中、ビーフステーキを焼いたり付け合わせを温めたりと、中座しなければならないことも出てきます。家族を積極的にウエイター・ウエイトレスとして登用しましょう。

おあつらえ向きに、これからは鍋の季節です。肉や野菜を切ったりの仕込みはあなたがするとして、テーブルセッティングは全面的に任せましょう。鍋・コンロを運び、箸(はし)や取り皿、ビールのコップ、お猪口などをならべます。ふだんは手伝わなくても、鍋料理とわかれば喜んで手を貸してくれるはず。おだてて鍋奉行に仕立てる(?)のも手です。具の補充、アルコール類の追加、すべてを仕切ってもらいましょう。知らず知らずのうちに、「手伝わざる者食うべからず」のルールを植え付けるのです。

鍋の季節が終わっても役割分担はやめてはいけません。食事のときはなにかしら手伝うものという「鍋のルール」を、習慣として刷り込ませてしまう。どうですか、この冬の数ヶ月は「鍋ルール教育月間」(?!)とさだめて、ひそかに実行してみてはいかがでしょう。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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