今 週 の レ シ ピ |
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・思い出の料理より●片栗粉そばの炒め物 242kcal. 塩分1.1g
[材料] -4人分-
◎A 片栗粉 1カップ 水 1/2カップ 卵 2個 ・豚こま切れ肉 100g ・干し海老(えび) 10g ・ニラ 10本 ・日本葱(にほんねぎ) 1本 ・干し椎茸(しいたけ) 1枚 ・生姜(しょうが) 1かけ ・炒め用油 大さじ1 ◎B 中華出し汁 1カップ 醤油(しょうゆ) 小さじ1 酒 大さじ1 塩 小さじ2/3
[作り方]
- Aを合わせて、よく混ぜ、中華鍋で薄焼き玉子のように4〜5枚焼き、冷ましてから5mm巾に切る。
- 豚こま切れ肉は、さらに細めに切る。
- 干し海老は、ぬるま湯でもどし、5mm角くらいになるように切る。
- ニラは4〜5cm長さに切る。
日本葱は、せん切りにする。
干し椎茸は水でもどして、細めのそぎ切りにする。
生姜は、せん切りにする。- Bを合わせておく。
- 中華鍋に油を熱し、豚肉を炒め、3、4をさらに炒め、5で2〜3分煮て、1を加えて仕上げる。
ポイントはここ
- 片栗粉そばの材料をボールに合わせて混ぜても、おいておくと、片栗粉は沈んでしまいます。焼くときに、かならずもう一度よく混ぜ、均一の状態にしてください。
- 直径30〜33cmくらいのよく熱した中華鍋に、100ccくらいの玉杓子(たまじゃくし)に軽く1杯分の片栗粉そばの生地(1)を流し入れ(2)、中華鍋をゆっくり回しながら薄焼き玉子のように焼きます(3)(4)。かならず、返して裏側を乾かします(5)。中華鍋の温度が低いと、生地が鍋肌につかないために、真ん中が厚いものになります。熱しすぎると、焦(こ)げて、張り付いて、破れやすいです。
(1) (2) (3) (4) (5)
- 焼けた片栗粉そばは、重ねないで、熱をぬくと同時に少し乾かします。そのあと、5mm巾に切ってください。
盆ザルで冷やして乾かす 重ならないように
- 炒める具は、片栗粉そばとおなじように細めに切った方が、いっしょに食べやすいでしょう。
- 中華出し汁は、干し海老、干し椎茸のもどし汁に水を足して1カップにし、その中にBの調味料を加えて混ぜます。
具は細めに切る 干し椎茸、干し海老をもどす
- 強火で具を炒め、Bを加えて、2〜3分煮ます。少しだけ汁気がのこっているところへ、片栗粉そばを加えます。そばが汁気を吸い込みます。さっぱりしたところを盛り付けます。
具を炒める 調味料を入れる 片栗粉そばを加える
ちょっと一言
- 片栗粉そばの炒め物は、母(前園長)の友人で、中国料理のベテランの先生から教えていただきました。もう30年くらい前です。干し海老を使うのが特徴で、福建省の料理との説明がとても印象的でした。中国料理で麺を作るのは時間がかかりますが、このやり方は、中華鍋で薄焼き玉子を焼く要領。焼いてから冷やして、少し乾かして細く切るのがポイントです。ぜひ一度、挑戦してみてください。
- 中国の「干し海老」が手に入らないときは、「サクラ海老」の干したものを使ってみてください。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■失ったもの近頃、知り合いと話す内容が、とみに変わってきたように思います。バッタリ道で会ったり、買い物途中で出くわしたりしての立ち話程度ですが、以前はほとんど子供のことに限られていました。最近はこれに代わって、庭いじりや親の介護、自分たちの老後のことなどが話題にのぼります。さらに、孫の自慢話もチラホラでてきました。理由は単純明快、齢を取ったということなのですが。
私なども庭にバラ、温室にラン鉢が少しあります。でも、「ある」というだけで、どちらも手入れをするなどとは言うもおこがましく、水をやるので精一杯、放ったらかしに近い状態です。熱心な人は、それこそ子育てよろしく丹精をこめます。そういう人と話をしても、知識も経験も乏しいこちらは、もっぱら聞き役です。
親の介護についてもおなじ。両親とも介護するマもなく他界しました。だから想像でものを言うしかありません。孫も当分は無理。唯一、老後に関しては、経済面はさておき、健康面にかぎって話についていくことができます。
これは切実です。先日、高校(男女共学)の同期会の集まりがありました。そのなかで、「食」が話題になりました。ついこの間までは「単身赴任」についてあれこれ喋っていたのに、このごろは「単身赴任」から「赴任」がとれた、というのです(??)。「単身」、つまり一人になる、パートナーに先立たれることを意味します。仕事上の単身者もまだいますが、人生で独り身になってしまうことを言うのです。
60歳定年退職でいうと、全員あと4〜5年で到来です。人によっては、すでにご主人が定年を迎えています。一方があるとき突然ぽっくりということも、ソウテイナイに入れておく必要がありそうです。現に数年前の集まりで、乳がんにかかったAさんを、Bさんと話題にして心配しました。ところがしばらくして、そのBさんに乳がんが見つかって驚かされたことがありました。
こうした心身の変化にそなえて、いっそう「食」のたいせつさが見直されてきたようです。「中高年の食生活」が言われるようになりました。この年齢は成長期と同様に大事、だからして老化をおさえるビタミンCや骨粗しょう症を予防する食材を摂取し、新鮮な果実、野菜、青味魚を欠かさないこと、などが強調されます。
といって、年寄りはなるべく食を細くし、脂っこい物は控えましょうとは一概に言えません。人はそれぞれです。「高齢だから・若いから式」の固定した物の見方・考え方は意味をなさないように思います。要はバランスのとれた食事です。そして、この定義は世代を問いません。(先週の電話の主は、明らかに栄養のバランスを欠いていました。それに沿ったアドバイスをしたつもりです。)
齢をとってくるとしぜんに食事の量は減ります。作るのが億劫になるのも事実です。夫婦二人とか、一人暮らしだったりすると余計そのようになりがちです。そこで、バランスのある食事を心がけるために、もうひとつ見直してみたいことがあります。「大家族」、親との同居です。
核家族にはないよさがあります。いっしょに暮らす中で、伝承されることがたくさんでてきそうです。親の世代では調理の負担が軽減されてバランスのよい食事をとりやすくなり、下の世代は親の面倒がみられると同時に、子育てのお目付け役にもなってもらえます。「孝行」と「育児」の両立です。
もちろんいいことずくめではないでしょう。親子といったってズレはあり、嫁姑の関係も微妙です。それでもいちばんのプラスといえば、世代間の交流による、孫世代にとっての躾(しつけ)と情操の育成ではないでしょうか。昨今の頻発する凶悪事件をみるにつけ、それが戦後失ったものの中では最大級のものであると、わたしたちが気が付きはじめたからにちがいないからです。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
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