今 週 の レ シ ピ |
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・アドバンスクラス(5月第4週)のメニューより●豚肉の酢みそ和(あ)え 128kcal. 塩分0.9g
[材料] -4人分-
・豚肉 100g ・ワカメ(戻して) 100g ・キュウリ 1/2本 ・日本葱(にほんねぎ) 10cm ◎A みそ 大さじ3 砂糖 大さじ2 みりん 大さじ1 出し汁 大さじ2 ◎B 酢 大さじ2 練り辛子(がらし) 小さじ1/2〜1
[作り方]
- 豚肉の薄切りを茹(ゆ)で、一口大(ひとくちだい)に切る。
- ワカメは水で戻して、一口大に切る。
- キュウリは板ずりし、小さめの乱切りにする。
- 日本葱は、白髪葱(しらがねぎ)にする。
- 鍋にAを合わせ、ひと煮立ちさせて、練りみそを作る。冷めたらBを加え、辛子酢みそにする。
- 5の辛子酢みそで1、2、3を和えて、小鉢に盛り、白髪葱を天盛りにする。
ポイントはここ
- 豚肉はロース肉、モモ肉、肩肉など好みの薄切りを用意し、熱湯でサッと茹でます。色が変われば充分。熱がとれたら、一口大の3〜4cm角に切ります。
- ワカメも、豚肉と同じくらいの一口大に切ってください。
- キュウリは板ずりしたら、縦(たて)2つ割りにしてから乱切りにします。
サッと茹でる 小さめの乱切り ぬたの具、3種
- 日本葱は4〜5cm長さに切り、まわりの白く薄い部分を細く切り、布巾につつんで、水道の流し水でさらします。たっぷりと白髪葱を作ります。真っ白で細く白髪のようなので、この名前があります。(「肉だんごのあんかけ」参照)
- 「辛子酢味噌」を作ります。
- Aを鍋に合わせて、なめらかになったら、火にかけて煮立てます。煮立てることで砂糖が煮え、みりんのアルコール分がとれて、おいしい練りみそになります。
- 酢と辛子は、熱がぬけてから混ぜます。熱いうちでは、香りや味が変わりやすいものです。
- 辛子を練りみそに加えるとき、なかなかなめらかに混ざりにくいものです。まず、辛子を和えようと思うボールに取り、酢で少しずつとかします。その中へ冷めた練りみそを加えると、きれいに混ざります。混ぜるときの順序は、料理の進行にとってとても大切です。
- 用意した材料を辛子酢みそで和えるのは、盛り付ける直前にします。材料からの水分で、味が薄まってしまいがちです。
酢と辛子を混ぜ、みそを加える 手早く和える
- 小鉢に盛ったら、白髪葱はたっぷり山のように盛り上げます。これを、「天盛り」といいます。
ちょっと一言
- 「天盛り」は、ほかに白髪ウド、針生姜(はりしょうが)が、この酢みそ和えに合うでしょう。
- 酢みそ和え、辛子酢みそ和えは、「ぬた」といいます。いろいろな材料で、「ぬた」を楽しんでください。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■ひとつ利口になる土曜、日曜と葬式が続いた。それも、隣りと3軒隣り。町内のおなじ組に、1週間2度は珍しい。葬式の打ち合わせをしているところに、もうひとつ訃報がとび込んだ。どうしよう、隣り近所はウロタエタ。おじいさんは87歳、おばあさんは91歳、それぞれに平均寿命を上回って天寿を全うした。
おじいさんの葬式の段取りに5人ほどが集まった。その席で喪主のことばが気になった。通夜は親戚、近所だけの内輪ですまし、少し日をおいた休日に、あらためて多くの人々にご焼香をお願いしたい。穏当な判断である。が、つぎのことばは聞き捨てならない。
―みっともないですから。
みっともない、とは? 会社の営業中に葬儀を行なうことを言っているらしい。なるほど手広く事業を展開している、社業は順風満帆、一日たりとも業務を停止したくない事情はあろう。顧客に不便・不都合を与えてはならないのだ。これはこれで正論である。
創業者が亡くなった場合、「社葬」としてとりおこなうことはよくある。ここでは、関連の別会社をたちあげ、大きく発展させたのは喪主である。礎(いしずえ)になったとはいえ、故人が現業を創立したわけではないから、そこまでやることはないだろう。これも理解できる。
みっともないですから。彼はまた口にした。父親の死がみっともない、のだろうか。「死」そのもの、あるいは「死の儀式」がみっともない、のか。ちなみに、死因は大腸がん。病死である。享年からいって、自然死ともとれよう。「不祥事」でも「不名誉なできごと」でもない。恥じ入る必要がどこにある? 人間最期の通過儀礼を、厳粛な営みとして受け入れたくないのだろうか。聞いていて胸の中がもやもやしてきた。二度も口をついて出た。ことばをまちがえたのではない。こんど発したら、何か言おう。言うべき場ではないと思ったが。……三度目は出なかった。
香典の表書きを立て続けに書く。所用で欠席する町内会長の分までしたためる。袋をとろうと引き出しを開けた。あるのはほとんど祝儀袋。束で山となっている。金融関係からのもらい物。たまに、祝い事があって包んでいくと、返礼にドドッと束で返される。どうしてこうも祝儀袋ばかりなのか。世の中、慶事ばかりではない。身辺でいえば圧倒的に弔事が多い。なのに、もらうのは赤一色(黒が混じっていることもあるにはある)。
不祝儀の袋を入れたり、多くするのは、不幸を呼びこむと忌み嫌われる。縁起でもないと思うのだろう。それこそ、みっともないことかもしれない。いや、ここは慎み深いとしたほうがいい。日本人の特性のひとつだ。だが、少なくとも現実的ではない。不祝儀の用意もしてこそ親切であり、実用に即しているといえる。
「慎み袋」も二束(ふたたば)三束(みたば)なら気にならない。束が束になって山と積まれるとただの障害物。こんどのように赤い山をくずし、黒を一遍に3通もさがすとなると妙にいらだつ。なんで赤ばかりなんだ! 慎みも膨らみすぎれば邪魔になる。10束ほど、無用の長物とばかりお引取り願った。
大きな葬儀だった。香典を帳面に控える役を仰せつかったが、平成の大合併で住所が変わったのが目に付いた。そのせいでもなかろうが、郵便番号が書かれてあるのは10通に1通もない。あとで使うものである。なるべくなら入れたい。
なかには、姓名だけで所属団体や社名はおろか、住所すらないものがある。故人とはことさら記す必要もないほど親しいつもりでそうしたのだろうが、遺族に通じるとはかぎらない。たとえば、前園長(義母)の葬式の控帳を繰ってみると、名前のみの会葬者が何名かいる。逝って10年、女房や義弟を始め親戚縁者の誰に聞いても、いまだに身元が判明せず宙に浮き、小骨が喉に引っかかった状態だ。住所は必須である。
感心したことがある。帳場のシステムである。弔問客が押し寄せると予想して、受付を親戚・一般・会社関係と別にした上で、さらにその中でつぎのように香典を金額別に3種に仕分けたのだ。3,000、5,000、1万以上。これが決め手となって、氏名記載も金勘定もすべて滞ることなく流れていった。こんどの大型葬儀で、会場の担当者が考え抜いたアイデアだそう。おかげでこちらも、生活の知恵をひとつさずかった思いである。(お)
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