今 週 の レ シ ピ |
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・我が家の味より●ナスの味噌炒め 155kcal. 塩分0.8g
[材料] -4人分-
・ナス 5個(450g〜500g) 砂糖 小さじ1 ◎A 味噌 大さじ3 日本酒 大さじ1 出し汁 大さじ2 ・炒め用油 大さじ3〜4
[作り方]
- ナスはヘタをとって、7〜8mm厚さ、5〜6cm長さの斜めのうす切りにしてから、7〜8mm角の細切りにする。
- サッとナスを洗ってザルにとり、水気を切る。
- 中華鍋を強火にかけ、油を熱し、ナスを炒める。
- 少ししんなりしたら砂糖を加え、さらに炒める。
- 完全にナスに火が通ったらAを加え、手早くからめ、仕上げる。
ポイントはここ
- ナスは切った後、手早く水の中を通してザルにあけ、水気を切っておきます。水につけておくと、細く切ってあるため、水っぽくなりがちです。
斜めに薄切り 細く切る サッと洗って水切り
- つやよく仕上げるために、鉄製の中華鍋やフライパンを使ってください。
- ナスはよく油を吸います。炒め用の油を先ず、半分熱し、途中で残りを足します。
- 強火でフライ返しをしっかり動かして、こげないように炒めます。
- 充分火が通ったら、強火のまま、味付けをします。日本酒のアルコール分がとれて、味噌がちょっと香ばし風味になります。
鉄製の鍋を使う しんなりしたら砂糖 手早く味付け
ちょっと一言
- 「ナス料理ならなんでも大好き」とはいっても、主人がやはり一番にあげるのがこの「ナスの味噌炒め」。結婚してまもない頃、私の実家、つまり「野口料理学園」の「なすみそ」(「ナス、なす、茄子」を参照)を作ってもあまり喜ばなくて、「違うんだな・・・」というばかり。これは、小笠原の母に聞くしかないと出かけていって、切り方、炒め方、味噌の調合、味付けのタイミング・・・すべて教えてもらいました。
ナスの皮が柔らかくなりだす6月ともなれば、「毎日でもいいよ」。夏の夕食メニューの一品はほぼ決まりの我が家です。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■変わるもの、変わらないもの久しぶりに従姉(いとこ)に会った。久しぶりも久しぶり、40年を超えている。音信不通だったわけではない。情報は身近かにありながら、たまたますれ違ってばかりいたから疎遠な気がしない。今回会えると知って、無上のたのしみとしていた。
さいごに会ったのは彼女が二十歳少し。青春真っ只中だった。今は7人の孫がいる。いくらこちらが想像力ゆたかでも、昔の輪郭がチラついて現在が思い描けない。持てる感性をフル稼動させて対面にのぞんだ。自分の想像力がどこまで通用するか、それもたのしみだった。
果たして、現実は的外れもいいところ。まるで別人である。おなじ人間がこうまで変われるか(?)ショックでことばもでない。顔がこわばっていたかも知れない。娘盛りが一挙にしわくちゃ婆さんだ。映画を観ているようだった。会わなきゃよかった! 率直な感想である。
容貌だけをいっているのではない。全体のふんいきもだ。あのにぎやかな笑い声、よく動く腕とヒジ、きりりとしまった足首、黒々とした髪、取り巻く空気が波打ち、光を放ってすべてが眩しかった。それにひきかえ……
これはこっちの言い草。従姉の印象もおなじだろう。こちらは中学生だった。童顔が白髪頭に変貌した。孫こそまだないが、少し前なら定年過ぎのおじさんである。お互い、心の動揺を隠すのに懸命だったのだ。むろんだれのせいでもない。恨むは歳月である。否応なしに若さを奪い、輝きを失わせる。しかも、時は平坦には流れない。山あり谷あり、人生いろいろに推移する。そんな中、相手の想定内に“上手に老いる”のは至難の業である。
子供時分目にした風景も似たところがある。故郷の山河や町並みが、大人の目で見ると、同一の風景とは思われないことがあって戸惑う。対象が不変であってもだ。見る側のほうで変化を遂げているのである。人間の感覚というもの、子供と大人では、長年月空白が介在すれば、変形は避けられないのかもしれない。
ひとつ、変わらないものがある(条件がそろえばだが)。それは「料理」。子供のころ食べたとおなじものが、大人になっても味わえる。あいだにいくら空白が割り込んでも、変わらない料理をたのしめる。おなじ食材、おなじ料理法で作ってくれれば、子供時代の味に浸ることは可能である。よし、作る人がちがっても、おなじ味をだすことだってできるのだ。
「ナスの味噌炒め」と「ニラの卵とじ」。私にとって“おふくろの味”である。そのおふくろが作れなくなって何年にもなる。作り方は家内に伝授され、その味に違和感はない。またそれをそっくり娘が受け継いでいる。バトンタッチがうまくいけば、時間も空白も代替わりも超越できる。我が家の「食文化」のひとつ、といってよさそうである。(お)
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