今週のレシピ ・ブライダルクラス(5月第2週)のメニューより
● ワンタン ● 194kcal. 塩分3.6g
[材料] -6人分-
・ワンタンの皮 48枚 ◎中身 豚挽き肉 100g 日本ねぎ 5a位 塩 小さじ1/3 醤油 小さじ1 胡椒 少々 うま味調味料 少々 ◎スープ 中華だし 8カップ 塩 小さじ1 醤油 大さじ5 うま味調味料 小さじ1/3 ラード 小さじ1/2 ・薬味用ねぎ 1本 [作り方]
- ワンタンの皮は、市販品を購入する。
- 豚挽き肉に日本ねぎのみじん切りと調味料を加え、よく混ぜる。
- ワンタンの皮に、2を1枚につき小指の先くらいのせて包む。
- 中華だしに調味料を加えて煮立て、スープを作る。
- 薬味用ねぎは、小口切りにする。
- 中華丼にスープを1/3くらい張り、茹でたワンタンを加え、さらに熱々のスープを注いで薬味用ねぎを添える。
ポイントはここ
- ワンタンの皮はとても薄く、茹でるとすぐ火が通ります。茹ですぎると切れたり伸びたりして、おいしくなくなります。したがって中身の豚肉がたくさん入っていると、肉に火が通らなくてはと、ついつい茹ですぎになります。もともとワンタンは「皮」をいいただくものです。中身はほんのちょっとで充分。残ったら、小さな団子にしてスープに入れてください。
- 肉を入れたワンタンの皮の折り方は、なるべく皮が重ならないように、また中の肉の状態が皮を通して見えるようにしてください。
中華だしについては、八宝菜、汁ビーフンなどに掲載しましたが、今回は簡単に「ワンタン」を楽しめるように、水8カップに対して固形スープの素(チキン味)の場合2個、顆粒状(中華料理用)の場合大さじ2、半練りタイプ(ペースト状)の場合大さじ1を使ってみてはいかがですか? またはこれらを組み合わせていろいろな味に挑戦してみてください。(ただし使い過ぎないように!) 中華丼(いわゆるラーメン丼)に必要な1人分のスープの量は1.5カップ(300cc位)です。したがって6人分なら9カップくらいですから、8カップの水に「中華だしの素」と調味料を加えてみました。 中華の麺類(ワンタンを含めて)は、食べる人が食卓についてから仕上げに入ること。ワンタンを包み、スープを熱々にし、ぐらぐらお湯を沸かし、手際よく仕上げましょう。ワンタンを熱湯に入れたら、中華丼にスープを100cc位の玉杓子に軽く1杯注ぎます。ワンタンは浮き上がればOKです。お湯を切って中華丼へ。さらにあと軽く2杯のスープを注ぎ、ねぎを散らして出来上がりです。はじめの1杯のスープがないと、ワンタン同士がひとかたまりになりがちです。
ちょっと一言
- 市販のワンタンの皮は、2種類売っています。かん水で練ってある黄色のものと、シュウマイやギョウザの皮とおなじ白色のものです。「中華麺」の味が好みでしたら、黄色をおすすめします。
- 「塩分」が3.6gと少し多いようですが、気になる方はスープを全部飲まないようにしてください。
- 皆さんの家庭の玉杓子の容量はどの位ですか? 私のおすすめは「100cc」。計量カップの替わりにもなり、とても便利です。今回の中華スープは300cc位、軽く3杯を中華丼に注げばいいんです。
これにちょっと一言
- ワンタンは「点心」です。
「点心」とは食間の食べもの。「おやつ」のようなものです。それだけで口腹を満たすことのできるものをいいます。ここに掲載した分量で、ちょっとした軽食となります。半量くらいを作り、スープ替わりにしていただいてもよいでしょう。- その場合は、中国風の酢の物に炒め物(青椒肉糸)、揚げ物(鶏のから揚げ)、あんかけ(酢豚)のいずれか1、2点を組み合わせてみてはいかがですか?
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■ジュニアクラス (つづき)
- 子供たちが通ってくる要因の一つに、料理は予習・復習がいらないからというのがあります。学習塾は言うに及ばず、習字、ピアノ、そろばんなど…予習・復習はついてまわります。「予習しなさい」「復習やったの」などと親から言われないですみます。そのうえ家に帰ってからお母さんに教えてあげたり、熱心に聞かれたりで、お稽古の恩恵を受けているのは子供さんだけではなさそうです。
- 教室では、子供だからという理由で禁止行為は設けていません。天ぷらは油がはねるとか、せん切りは無理とか、普段、家庭でお母さんたちが見ていてハラハラドキドキする動作や、汚れがひどく後始末がたいへんな作業でも、かまわずやらせます。このことを知ってか知らずかお母さんたちは、「ここでは、何でも自由にやらせてもらえるんですよね」と、過剰な(?)期待を抱いて子供さんを連れてきます。彼女たち若いお母さんは、忙しいのと面倒なのとで、子供にじっくり料理なんか仕込んでいる暇も根気もなさそうです。子供のほうではやりたがっているのに、危ないからダメ、の一語で許そうとしません。
- 正しい方法を教えてあげれば危険なことはありません。たとえば、天ぷら。水気を切るか、水分を抑えるなどして材料の下ごしらえをちゃんと行なうと、油がはねる心配は軽減します。材料を油の中に入れる場合でも、鍋肌に沿わせてそっと入れてあげればよいものを、ポンと無造作に投げ入れてしまうから危ないのです。また包丁を扱うにも、頭から危険視しないで、人に刃を向けないだとか、よく言われる「猫の手」を材料にあてがうだとかの基本的な注意を与えれば問題ありません。子供の力ではそうそうたやすく指を切れるものでなく、ちょっとでも刃があたると、痛いから素早く指をひっこめます。誤って切ったにしろ、それはそれでまた包丁扱いが慎重になるきっかけになります。たくさんの子供を見てきた経験上、自信を持って言えることです。
- 28年前の「ジュニアのための料理クラス」が出発点でした。動機は、前年のフランスでのホームステイです。40代の両親と四人の子供のいる普通のサラリーマン家庭でした。末っ子は六歳の男の子、彼も食事の支度から後片付けまで、ちゃんと役割が決まっています。あとの三人の子供はもちろんお父さん、そしてお客様までも率先して手伝うのです。テーブルクロスに各自好みの色のナプキン、料理とワイン、弾む会話、あの時代の日本にはなかった食の楽しみ方がいっぱいありました。このときの見聞がその後の私の進路を決めました。小さい子でも日頃から食の大切さや楽しみ方と関わっていく必要がある、また実際に子供たちにそのことを教えてあげたいと。
- 小5の女の子4人をあつめてはじめました。月1度、日曜日の午前中です。メニューは大人と変わりありません。テキストはさすがに子供用にと、イラストを主にした手描きのものをつくりました。これも今と変わりません。最近、このジュニア用テキストを一般クラスの若い人が欲しがるようになりました。「こっちの方がわかりやすい」と持っていきます。おなじ内容なのですが、大人でも字面を追うより絵のほうが理解がいく時代のようです。
- 大人とちがって、子供間の年齢の格差はとても大きい。技能の面でも理解する力でも、小1から中3まで幅がありすぎます。教える側からするともっとも苦労するところです。大人の何倍も時間がかかります。ともなう疲労もそれに数倍します。この点で、上級生の存在はとても助かります。大きい子は下の子の面倒を見、教えることでさらに理解を深めます。責任感も育っていきます。有能な助手といっていいでしょう。知識、技術ともに身につける「歩留まり」は、大人の比ではありません。砂が水を吸うように、教えたことはしっかりと覚えこんでいきます。
- こうして、子供たちが「食」の大切さを学んで成長していってくれるのが何よりの楽しみです。子供たちの口からとびだす、「お母さんって、こんなにたいへんなことを僕たちのために毎日してくれているんだ」のことばが支えでもあります。
前園長(母)の手伝いで始めた頃は、「お姉さん」でした。それがあっという間に30年、おばあちゃん先生と呼ばれる日も遠くはありません。「ジュニアのジュニア」が入ってくる日はすぐそこです。
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