今 月 の レ シ ピ |
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・私の好きなブラジル料理 《フェイジョアーダ》と《パステウ》
●フェイジョアーダ
盛り付け方 フェイジョアーダセット 食べ方
[材料]
・フェイジョン・プレット(黒い豆) 2カップ ・塩肉 1kg ・ソーセージ 500g ・ベーコン 200g ◎A 玉ねぎ 1個 ニンニク 2片 ◎付け合わせ マンジョーカ芋の粉 ケール(コウベマンテイガ)のソテー 油炒めごはん ピメンタ(唐辛子)の油漬け
[作り方]《1日目》
- フェイジョン・プレット(黒い豆)を水洗いし、たっぷりの水につけてもどす。
- 塩肉の塩を洗い流し、たっぷりの水につけて、3回くらい水を変えて塩出しをする。
《2日目》
- フェイジョン・プレット(黒い豆)を漬けていた水も一緒に鍋に入れ、灰汁を取りながら、少し柔らかくなるまで煮る。
- 塩肉をたっぷりの水に入れて火にかけ、沸騰したら取り出す。
- 1の豆に2の肉を入れて30分くらい煮て、肉を取り出す。
- さらに豆が十分柔らかくなるまで煮る。
《3日目》
- 肉を適当な大きさに切り、豆の鍋に戻し、温める。
- ソーセージを4〜5cm長さの斜めに切り1の鍋に加える。
- ベーコンを2cm角位に切り、フライパンでカリカリに炒める。
- 3のフライパンの油を使って、玉ねぎとニンニクのみじん切りをよく炒め、1の鍋に加え、10分くらい煮て仕上げる。
◎付け合わせ
- ケール(コウベマンテイガ)は幅1cm位に切り、サラダ油で炒め、塩で薄味をつける。
- 米を油で炒めて湯で煮る。
◎盛り付け
- 土鍋に肉、豆、ソーセージを煮汁と一緒に盛る。
- ケール(コウベマンテイガ)とベーコンの炒めた物を一緒に皿に盛る。
- 油炒めごはんとマンジョーカの粉をそれぞれ深い器に盛る。
◎食べ方
- ミート皿に油炒めごはんを取り、肉、豆、ソーセージ、ベーコン、ケール(コウベマンテイガ)を添え、煮汁をかける。
- マンジョーカの粉を全体にふりかけ、好みでピメンタ(唐辛子)の油漬け(とても辛いので気をつけて!)もかけて全部をよく混ぜて食べる。
◎食べ終わったら
- 野菜サラダ(グリーンサラダ、クレソンのサラダなど)、パルミット(ヤシの新芽)のサラダなどをフレンチドレッシングで食べる。
- デザートはオレンジ1個を皮をむいて丸ごと食べる。
- 砂糖たっぷりの甘いコーヒーを飲む。
ポイントはここ 《フェイジョアーダの作り方》
- フェイジョン・プレット(黒い豆)は一度洗ってから、たっぷりの水で2〜3倍になるまで充分戻します。翌日、その黒い水のまま鍋に入れて煮始めます。
- あくがたくさん出てきますので、ていねいにとってください。
大き目のボールに 充分戻す 鍋に入れて煮る
- 「塩肉」は 豚ばら肉に3〜5%の塩(できれば岩塩)をすりこんで冷蔵庫でねかします。時間がないときは一晩でもできますが、できれば5日から1週間くらい置き、染み出してくる水気はふき取るようにします。この塩肉を水につけて塩出しして、茹でこぼして使うのですが・・・
今回は甲府近郊の「ブラジル食材店」で「フェイジョアーダ用の肉セット」を買って使いました。肉セットの中には塩肉、スペアリブ、ソーセージ、ベーコンが入っています。お店のオーナーのおすすめでさらに「スモークスペアリブ」「リングイッサ(ソーセージ)」も買ってきました。
その中の塩肉は水につけて塩出しをして使いました。
ベーコンは少ししか入っていませんでしたので、日本のベーコンンの塊を買い足しました。
包装されたフェイジョアーダ用の肉類 色々なフェイジョアーダ用の肉
- フェイジョン・プレット(黒い豆)が柔らかく煮えていることがおいしさの大事な条件の一つです。ゆっくり煮込んでください。
- 色々な部位の肉も豆と一緒にゆっくり煮ることで、味に深みが出てきます。もし、煮汁が少なくなってきたら、水を足しても大丈夫ですから、焦がさないように弱火でじっくり煮込みましょう。
- さらにうまみを足すために、ベーコンをカリカリに焼いたときに出た油で玉ねぎとニンニクのみじん切りをしっかり炒めて煮込んでいる鍋に加え、10分くらい煮ます。これで煮込みが完了!!
豆のあくをとる 肉を加えて煮込む 玉ねぎ、ニンニクを炒める
《付け合わせ》
- マンジョーカ芋の粉はマンジョーカ芋をすりおろして乾燥させたものです。ブラジルでは肉料理などに振りかけて食べます。
フェイジョアーダには欠かせない食材です。油炒めのご飯の上にいろいろな具をのせてさらにこのマンジョーカ芋の粉をかけます。
マンジョーカの粉(商品) マンジョーカの粉
- 「ケール」はブラジルでは「コウベマンテイガ」と言われています。キャベツの仲間です。1cm幅くらいに、ザクザクと切り、フライパンで油炒め(ソテー)して、薄く塩味をつけます。たくさん用意してください。
ケール(コウベマンテイガ) 1cm幅に刻む 油炒めにする
- 油炒めごはんはブラジルでは「長粒種」の「インディカ米」を使ってますので、油炒めして、湯を加えて煮て、水分がなくなったら出来上がりです。パサパサした御飯です。私は日本ではうるち米のごはんにしています。
- ピメンタ(唐辛子)の油漬けは色々な種類があります。私には辛すぎてとても混ぜては食べられません。以前ブラジルで見た「ピメンタの酢漬け」のビンには「ドラゴンが火を噴いている」イラストがありました!!そんなわけで、今回は用意しませんでしたが、辛いのがお好きな方は「ラー油」もいいかもしれません。
《盛り付け》
- ブラジルでは写真の土鍋のような器に一人分の豆と肉の煮込みを盛ります。ベーコンとケールの炒めたもの、マンジョーカの粉、油炒めのごはんもそれぞれ盛っておきます。
土鍋に盛る ベーコン、ケール、マンジョーカの粉、ごはんを添えて
《食べ方》
- 食卓では、各自のミート皿にごはん、肉と豆の煮込み、ベーコン、ケール(コウベマンテイガ)を盛り、全体にマンジョーカの粉をふりかけ、よく混ぜて食べます。
ミート皿の上で全部をよく混ぜて食べる
《食べ終わったら》
- たっぷりと肉類を食べますので、生野菜のサラダをしっかりと食べてください。
- さらにオレンジを1個皮をむいて食卓に出します。さすがオレンジがたくさん取れる国だけあって一人一個丸かじり!!
- 最後は、砂糖たっぷりの濃いコーヒーをデミタスでグッと一気に飲み干します。(初めてブラジルで飲んだ時はその甘さに倒れそうになりました・・・大げさでなく!!)
サラダとオレンジを添えて
ちょっと一言 ●パステウ
- 30年ほど前、永住権を取得してサンパウロで移民の研究をしていた学生時代の友人に誘われて、初めてブラジルを旅行。帰国する日の昼食で「フェイジョアーダ」を体験!!何やら真黒な煮汁が土鍋の中でぐつぐつ煮えていて、何かごろごろと肉のようなものが入っていました。 なんといってもその色に驚きました。でもおいしそうな香りにつられて、食べ方を教えてもらいながら、口にして、じっくり煮込まれた深い味わいに引き込まれていきました。
2回目に訪れたとき、「フェイジョアーダはどうですか・・・食べられますか・・・お好きですか・・・」と日系のご長老に尋ねられ、「大好きです!」とお答えしたところ、「素晴らしい!!奥さんはブラジルに住めますよ」とのこと。移住した方の中にはなかなかフェイジョアーダになじめない方も多いとか・・・「大好きだから」だけではありませんが、その後、3回、合計5回もブラジルに出かけました。(学生時代の友人が主人で、2回目は新婚旅行・・・5回目は6年前。単身赴任中だった主人を尋ねて、大学に合格した娘を連れて行きました。もしお時間がありましたら、「塩ひとつまみ」の「野暮な条件」をおよみください。)
3回目に渡伯した折、やっと本場のフェイジョアーダを「プロの料理人」から教えてもらうことができました。日系の2組のご夫婦(奥様が姉妹)がサンパウロのビジネス街でブラジル料理のレストランを開いていました。お客さんはブラジル人!営業は平日の昼食だけ、行列のできる人気のお店でした。その妹夫婦の家に主人はお世話になっていました。主人を自分たちの息子のように接してくださっていました。もちろん結婚した私にも本当にやさしくしてくださいました。お店の仕込みの忙しい中、ノートを片手にメモを取る私に事細かに教えてくださいました。この「フェイジョアーダ」はその時に教えていただいた作り方を参考にしました。
教えていただいたからには日本に帰って作らなくては!それには盛り付けの器がいる!!早速知り合いに連れて行ってもらい、「フェジョワーダ用陶器」を2セット分購入し、日本まで、抱えてきました。もちろん、「フェイジョン・プレット(黒い豆)」、「マンジョーカの粉」、ブラジルの友人たちに笑われながら、「岩塩」も持ち帰りました。30年ほど前ですと、まだブラジルの食材を買える店は山梨にはほとんどなかったと思います。したがって、持ち帰れなかった「塩肉」は自分で作り、ソーセージはスーパーで買い、ケール(コウベマンテイガ)はキャベツで代用。何とか、それらしい料理ができ、学園の先生方に味わってもらいました。その時の反応は・・・あまりに?古い話で忘れてしましました!!
最近は日系、非日系のブラジルの方が大勢日本にすんでいますので、ほとんど本場と同じ味のブラジル料理が味わえます。機会がありましたら、皆さんもブラジル料理を作ることに挑戦するか、ちょっと大変そう!と思われる方はブラジル料理のレストランで召し上がってみませんか。ブラジル食材店には「レトルト」「缶詰」もあります。- この「フェイジョアーダ」はブラジルがまだポルトガルの植民地だったころ、アフリカから連れてこられた黒人の奴隷が作っていた食事がもとになっています。主人家族が食べなかったり、いらない肉の部位を奴隷たちに与えていました。それが腐敗しないように塩漬けにして保存しておきました。塩抜きをした肉を、豆と一緒に煮込んで食べていたのです。
現在の食べ方は肉類、豆類、穀類(油炒めごはん)、野菜(ケールのソテー、生野菜のサラダ)、フルーツ(オレンジ)など、栄養のバランスは完ぺきに近いと思います。[材料]
・パステウの皮 ◎中身 ミートソース チーズ トマト ・揚げ油 ◎モーリョ 玉ねぎ 1/2個 ピーマン 小1個 トマト 小1個 きゅうりのピクルス 小2本 サラダ油 大さじ4 酢 大さじ2〜3 塩 小さじ2/3
[作り方]
- パステウの皮をひろげ、巾10cmで切る。
- 好みの中身を大さじ1くらい、皮の半分の中心におく。
- 皮の周りに水をつけ、半分に折り、周りをしっかり止めてから、さらにフォークで抑える。
巾10cmに切り、中身をのせる 周りに水をつける しっかり止める
- 160℃位の揚げ油で、ゆっくり、風船のように膨らむように油とかけながら薄い茶色に揚げる。
油をかけながら揚げる 風船のように揚げる
- モーリョを作る。
玉ねぎはみじん切りにしてさらす。
ピーマンはみじん切りにする。
トマトは皮を湯むきにし、果肉をみじん切りにする。
きゅうりのピクルスをみじん切りにする。
サラダ油、酢、塩を混ぜた中にみじん切りの野菜類を加えてよく混ぜる。
野菜類のみじん切りとドレッシング モーリョ
- 《食べ方》
角を一口食べて、中にモーリョを入れて残りを食べる。
揚げたてを紙でくるんで モーリョを入れる
ポイントはここ
- パステウの皮は作ることもできますが、今回は肉と一緒にブラジルの食材店で買いました。シート状に巻いてあるものや、直径10〜12,3cmの円形のものもあります。
パステウのことを「ブラジルの揚げ餃子」とも言いますので、餃子の皮2枚で中身を挟むようにしてもつくることができます。
パステウの皮
- 揚げているとき、周りの止め方がしっかりしていないと、中の空気が出てしまい、風船のように揚がりません。周りに水をつけて止めてからさらにフォークでしっかり押さえてください。
- 揚げる時の油の温度も大切です。150〜160℃位を保つようにして、ゆっくり揚げます。あまり低いかったり、高すぎても固く揚がってしまいます。風船のように膨らむことと、うすい茶色に仕上げるのがコツです。
- 充分膨らんでいると中に「モーリョ」が入れやすく、おいしくいただけます。
ちょっと一言
- 「パステウ」はブラジルのファストフードの代表と言えそうなくらい人気があります。バール(立ち飲みでコーヒーやビールなどが飲める店)やフェイラ(通りや広場などの市)の屋台・・・いろいろなところでたべられます。
私が最初に食べたのはサントスの町の屋台。一度で大ファンになってしまいました。
20年くらい前に甲府の近郊に日系のご夫婦がブラジル料理のレストランを始められ、すぐに親子3人で食事に行くようになりました。お店に入ると、まず「パステウ、ミート、チーズ、パルミットを一つずつ!!」と注文。料理が出てくるまでパステウを食べて待っていたものでした。
とても悲しいことに、2006年、奥様が亡くなられ、店を閉めてご主人はブラジルに戻られてしまいました。
最近では、日系の方たちとおつきあいさせてもらって、「パステウ」の上手な作り方を教えてもらうことができ、やっと、気に入ったものが作れるようになりました。食材も簡単に手に入るようになり、ほとんど本場ブラジルと同じ味をたのしんでいます。【野口料理学園】
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
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