今 週 の レ シ ピ |
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・ベーシッククラス(6月第3週)のメニューより●鯵(あじ)の塩蒸し・みどり酢添え 120kcal. 塩分0.9g
[材料] -6人分-
・鯵(あじ) 3尾 塩 小さじ1/2 酒 大さじ1 ・大根の酢どり 18枚 ・さらし葱(ねぎ) ◎みどり酢 大根 100g 胡瓜(きゅうり) 1/4本 酢 大さじ1 出し汁 大さじ2 塩 小さじ1/3 ・醤油 小さじ1
[作り方]
- 鯵は「ぜいご」をとり、三枚卸しにし、塩をふり、皮を上にして皿にならべ、酒をかけて蒸す。
- 皮をむいて薄切りにした大根を、塩水つけてから、三杯酢につけ、酢どりをつくる。
- 日本葱の白い部分で、さらし葱をつくる。
- 大根・胡瓜をすりおろし、余分な水分をのぞき、調味料を加え、みどり酢をつくる。
- 大根の酢どりを3枚位皿にしき、鯵の酒蒸しを盛り、みどり酢をのせ、上にさらし葱を飾る。
- 食べるときに、醤油をかける。
ポイントはここ
☆鯵の三枚卸し
- まず、尾びれの近くの硬い「ぜいご」をとります。包丁で尾から頭に向かって、すきとるようにします。裏側も、同様にとります(皮をむいて使うときは、取らなくてよいです)
- 細かい鱗(うろこ)を取ります。包丁を、尾から頭に向かって動かしながら、丁寧に取ります。
- 胸びれの右側から頭のほうに向かって斜めに、包丁を真ん中より少し先まで入れます。同様に、反対側からも入れ、頭をとります。
- 腹が開きやすいように、腹びれをとります。
- 腹を開き、包丁の先で内臓を取り出します。
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- 流水で腹の内側をきれいに洗い、充分水気をふき取ります。
- 頭を右側に、腹を手前にまな板におき、頭側から尾に向かって尻びれの上に包丁をあて、中骨にそって包丁を引きます。
- 尾を右側に、背を手前にまな板におき、尾から頭側に向かって背びれの上に包丁をあて、引いて、中骨の真ん中まで包丁を入れます。
- 背側を手前に、尾を右側におき、7、8で入れた切れ目に包丁を入れ、背側・腹側をつないで一度尾側(右側)に抜き、刃の向きを変えます。尾を左手でおさえ、包丁を頭に向けて一気に動かして切り離します(包丁を骨にあてるようにして動かし、骨に身がつきすぎないようにします)。これが、二枚卸しの状態です。
7 8 9 9 9
- 7、8、9を繰り返して(魚の向きはすべて逆)、反対側の片身を切り離します。これが、三枚卸しです。
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- 腹骨をそぎ取ります。
- 鯵の切り身に薄く塩をして、皿に皮を上にしてならべます。10分位おき、日本酒を全体にかけて蒸気の上がっている蒸し器で2〜3分位蒸します。
- 蒸し器のかわりに、電子レンジを使ってもおいしく手早くできます。
電子レンジで使える皿に、塩をした鯵をならべ、酒をかけ、ラップをかけずに1分〜1分30秒電子レンジにかけます。(時間は鯵の大きさによります)- 大根の薄切りをつける塩水は3%位(目安は、水=1カップに塩=小さじ1強)にします。大根がしんなりしたら、よく水気を切って三杯酢につけます。三杯酢として酢=大さじ2、砂糖=大さじ1、塩=小さじ1/3を混ぜました。
- さらし葱は、日本葱の白い部分のせん切りをふきんに包み、流水でさらします。(2年度4月第2週「軟溜丸子(肉だんごのあんかけ)」参照)
- 大根をおろし終えたら、つづけて胡瓜もおろします。胡瓜は大根よりやわらかいですから、まわすようにしながらゆっくりおろしてください。
皿かボールの上に「すだれ」をおき、大根・胡瓜のおろしをのせ、余分な水気を切ります。決して、しぼらないでください。すだれからボールに大根・胡瓜おろしを入れ、調味料を加えます。- 大根の酢どりを3枚、少しずつ重ねて皿に横にならべます。その上に酒蒸した鯵を盛り、みどり酢をのせ、さらし葱を飾ります。
- 食べるときは少しだけみどり酢に醤油をかけ、全体をよく混ぜて食べてください。みどり酢に最初から醤油を加えると、色がにごります。涼しげな感じを出すために、醤油は混ぜないでください。
ちょっと一言
- 魚を盛り付けるとき、よく「お頭左、腹手前」といいますが、三枚卸しにすると、表身と裏身ができますので、裏身は逆になります。裏身は頭の位置でなく、「腹手前」の盛り付けにしてください。「人に背を向ける」より、「腹を割って話す」ほうがいいと思いませんか?
- 「鯵(あじ)せんべい」を知ってますか?
三枚卸しの真ん中・骨の部分を盆ざるにのせ、なにも上にかけずに半日から一日位冷蔵庫に入れ、乾かします。うっすら片栗粉をつけて、180℃の油でカリカリに揚げます。熱いうちに軽く塩をふります。それはまさに「骨のおせんべい」、ビールのおつまみ、子供のおやつにお勧めです。
乾かす 揚げる できあがり
≪組み合わせメニュー≫
◎豆腐、ワカメとしその葉の清汁
◎揚げ茄子(なす)の煮物
◎わかめと胡瓜の酢の物
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■料理の音
- 当HPでは、ご覧のように毎週レシピを更新しています。順序だてて、わかりやすい説明を心がけています。本当なら、直接目の前で作り方をお見せできればいちばんいいのです。具体的に、形もにおいもある実物を使った説明に勝るものはありません。質問があればその場でその都度してもらえますし、予想もしない方向に話題がおよぶのも歓迎で、とにかく楽しい料理の時間を共有したいのです。それだけに、できあがった料理を試食していただけないのがなにより残念でしかたありません。
- 教室で使うテキストは、あくまで授業の手助けです。サイト上のレシピは、実際に授業に参加しない人を対象に、幅広いレベルを想定し、画像をとりこみ調理現場を彷彿させるような臨場感をだし、リンクでとんで過不足ない情報が手に入るよう工夫しているつもりです。教室の生徒さんには、予習・復習に活用していただいて好評です。
「先生、HPのレシピはとても詳しく載ってていいけど、音がしないから物足りません」、こう評した生徒さんがいました。"音"とは、意外でした。意表を突かれた感じです。見た目でもなく、においでもなく、音を連想したところに感心しました。- 言われてみれば、なるほどと思います。野菜を切るザクッとした音、せん切りをするときの包丁がまな板に当たる音、落とした鍋のふたがタンバリンのように悲鳴を上げ、油がはねたり、フライパンがガス台にぶつかったり、煮物がグツグツ沸騰し、醤油瓶を置く音、胡椒挽きや胡麻すり器をまわし、卵を割って、ボールの中で箸でかき混ぜる、フライ返しがフライパンの底をさらい、圧力釜がヒューヒュー唸りを上げる…これに混じって、冷蔵庫や戸棚の開け閉め、蛇口から出る水や栓をひねる音、せわしくスリッパが行き交い、ときどきアッと声があがったり、鼻歌や独り言が聞こえてきたりと、実にさまざまな音が想像できるものです。身近で、聞きなれた音ばかりです。雑音と言ってしまえばそれまでですが、台所は多彩な音に満ち溢れています。
- 知り合いが言っていたことを思い出します。ご主人の外国赴任についていきました。都合で彼女だけが1年で帰国しましたが、ご主人が嘆いたそうです、「台所から、包丁の音が聞こえてこなくなった」と。いつもの時間にいつもの場所からいつもの音が、突然しなくなった。妻の姿ばかりでなく、台所ごとそっくり消えたような寂寥感は埋めようがなかった、とのちにこぼしていたそうです。台所で音がしなくなって、あるべき「日常」が断ち切られた思いがしたのでしょう。それは「ぬくもり」「やすらぎ」であり、「彼女」そのもの、「家庭」そのものだったのかもしれません。「雑音」といっては、罰があたります。
- 近ごろ、こうした音が台所から減ってきている気がしませんか? ほんとうに静かになりました。器具も道具も、したがって料理する(台所で過ごす)時間もめっきり少なくなってしまいました。お気軽・簡単・スピード・手抜き料理がもてはやされる時代です。「チン!」の電子レンジ音だけ、という家もあるでしょう。
往来から懐かしい物売りの音(声)がいつの間にか消滅してしまったように、いずれ台所から料理の音がなくなってしまうときがくるかもわかりません。そうとしたら、料理する場(台所)が必要とされなくなるときでもあります。「家庭」もどこかへいってしまうのでしょうか。
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