今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(2月第3週)のメニューより

●カリフラワーのグラタン    219kcal.  塩分1.4g

カリフラワーのグラタン [材料]  -6人分-

・カリフラワー小1株(正味250〜300g)
・玉葱(たまねぎ)1/2個(100g)
  バター大さじ1
  塩小さじ1/3
  胡椒(こしょう)少々
◎ホワイトソース
  バター大さじ2
  小麦粉大さじ4
  牛乳2カップ
  生クリーム1/2カップ
  塩小さじ1
  胡椒少々
◎A
  パン粉大さじ1
  チーズ20g
・型塗りバター少々

[作り方]

  1. カリフラワー…小房に分け、小麦粉を加えた熱湯で茹(ゆ)でる。
    玉葱…薄切りにする。
  2. フライパンにバターを熱し、玉葱を炒め、カリフラワーを加えてさらに炒め、塩・胡椒で下味をつける。
  3. バターを塗ったグラタン皿に2を入れ、ホワイトソースをかけ、Aを適宜にふりかける。
  4. 強火のオーブンで、焦げ目(こげめ)がつくまで焼く。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • グラタンは、香ばしい焼き色をつける料理で、熱々の状態で食卓へ出します。火傷(やけど)をしないよう、少し大きめの皿にナプキンをしき、その上にグラタン皿をおいて食卓へ出してください。
    直接テーブルにおくと、熱でテーブルに傷がつくこともあります。また、皿に直接グラタン皿をおきますと、ガタガタ音がするでしょう。食卓に出されたグラタンは、ぜひ熱々のうちに召し上がってください。
  • 野菜のグラタンは、一品料理としてメニューに加えたり、メイン料理の付け合わせとしてもよいでしょう。付け合わせの場合、10人分くらいはあります(カロリーは132kcal.、塩分0.8g )。
  • カリフラワーについては、「カリフラワーのピクルス」にいろいろ書いてあります。参考にしてください。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎コンソメスープ
    ◎牛肉のワイン蒸し
    ◎グリーンサラダ
    ◎レモンシャーベット
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■起き上がり小法師 3 

ペットボトルをいくつも拾っているうち、いつの間にか中身が飲用に値するかどうかの判別が簡単にできるようになった。テイスティングなど、"一連の儀式"を経ないでも品質を鑑定してしまう方法である。ポイントは2点に集約される。その第一は色。コーラの場合でいうと、液の色が5段階くらいに識別できる。

車外に放り出されたボトルは、地面に落ちた瞬間からさえぎるもののない砂漠の熱射にさらされる。その時間の長短によって変色し、鮮度が分かるというわけだ。コーラ本来の濃褐色をベストとすれば、だんだん薄まって最悪は黄色。これは色といい臭いといい、オシッコに近いからすぐにわかる。

色の評価をカバーする第二のポイントは音である。キャップをひねると同時に、シュワーッと炭酸が外に逃げだそうとする。新鮮なほど勢いがよく、音もおおきい。このふたつが、飲める・飲めないの判断基準となり、ほとんど味まで狂いなく当たってしまう。「学習」のたまものというべきだろう。

ハイウエイの落し物は他にもある。パン、ぶどう等の食品は、普通であれば虫やバクテリアの絶好の餌食となる。ところが、砂漠のカラカラ気候ではアリ一匹住めない。動植物が育たないことから、放置された食べ物は手つかずのまま残る。干からびてはいるが、ホンモノの「乾燥食品」としてすこぶる保存状態がよい。砂漠地帯からインカ時代やそれ以前のミイラが、きわめて良好な形で出土するのも不思議はないのだ。

意外なのは木の破片である。トラックの荷台は木枠が圧倒的だ。破損したのがそこここに転がっている。これがまた有益をもたらす。パリパリの乾燥材は、野宿でスープをつくったりご飯を炊くにはもってこいの燃料だ。おまけに砂漠の夜は5〜6℃にも冷え込んで、暖もとれるから助かる。

薪が足りないと思ったら、野宿の1時間くらい前から付近を探しにかかる。一見なにもないようでも、眼をこらすと砂のふくらみや盛り上がりに気がつく。果たして掘ってみると木片が埋まっている。慣れるにしたがって、砂の形状から埋まっている箇所が特定できるようになった。中山さんによれば、"眼力"が養われてくるのだいう。

コーラの識別もそうだし、落し物を見つける場合にもそれがいえる。さらに、だだっ広い砂漠に野宿する場所の選定においても、発揮されるのはやはり眼力によってである。それは実際にものをみる視覚能力のほかに、「学習」によって身についた経験則が加味されたものであろう。厳しい自然条件での一人旅は、知識と経験と人間本来の動物的感覚とが結集した「知恵」を働かせないとサバイバルはおぼつかない。なかでも眼に代表される感覚機能(本能)は、環境が過酷であればあるほど必然的に研ぎ澄まされていく。

さて、アタカマ縦断中、中山さんはもっともうれしい出来事に遭遇した。シルクロードも含めて、後にも先にもなかったことだ。定期バスからの差し入れを受けたのである。基本的にバスは冷たい。というよりは、ヒトサマをお乗せして走行しているのであって、モノを運ぶトラックとはわけがちがう。乗客が最優先されて当然、運行規則からも行きずりの人間になぞ関わりあってはいけないのだ。それがなんと、傍らに停車したかと思うと自動ドアが開き、車掌兼運転手がヌッとばかりに差し出した手元に、数個のクロワッサンがのっかっているではないか。

チリの長距離バスはなかなかしゃれている。朝食は、飛行機の機内食並みにトレーにのってパンや飲物、デザートが出てくる。差し出されたのはその余剰分であろう。ふだん停まることはないし、差し入れなどもってのほかのバスから受けた温情は、ことのほかうれしかった。バスが走り去ったあとしばらくは涙が止まらなかったという。

荒涼としたアタカマ砂漠の毎日は、中山さんにとってサバイバルの連続だった。だが苦しい中にも少しの工夫で新しい発見があり、それが喜びになり、走りつづける糧にもなった。「まるで退屈しなかった」そうである。私もあの砂漠を、チリのサンチャゴとペルーのリマをむすぶ国際バスで往復したことがある。しかし中山さんとは逆に、変哲もない景色がつづいて時間を持て余し、終始「退屈」と戦っていた。思考も感覚も止まったきり。バスの中にいては、砂漠の落し物はわからない。サバイバル学習の喜びもなければ、運転手たちの人情にふれることもない。それらは、地べたを駆ける「自力自走」にだけ許された「醍醐味」そして「贅沢」であろう。中山さんの走り旅の重さ、尊さをつくづくと感じる。(小笠原)  


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