今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(1月第1週)のメニューより

●若竹ほうれん草   44kcal.  塩分0.3g

若竹ほうれん草 [材料]  -4人分-

・ほうれん草1/3束
・海苔(のり)1枚
・卵1個
  ◎A
    塩少々
    水溶き片栗粉
     片栗粉小さじ1
     水小さじ1

[作り方]

  1. ほうれん草をゆでる。
  2. 卵にAを加えて、薄焼き玉子を1枚焼く。
  3. スダレに1/2枚分の海苔(のり)をおき、2の薄焼き玉子の1/2枚をのせ、ほうれん草を芯(しん)にして巻き、水気をとる。
  4. 玉子焼き鍋またはフライパンを熱して3をころがし、海苔を乾かす。
  5. 長さを3等分してから斜めに切り、盛り付ける。
ポイントはここ
  • 薄焼き玉子の作り方  
       
    1. 片栗粉に水を加えて「水溶き片栗粉」を作り、卵に加えます。  
    2. 塩を加えて、箸(はし)でよく混ぜます。泡を立てないように気をつけてください。  
    3. 中火で熱して、薄く均等に油をぬった玉子焼き鍋(一辺18aの正方形のもの)に2を全部流しいれます。  
    4. 卵液が動かなくなるまで鍋を動かし、均一な薄焼き玉子にします。  
    5. 火を止めて、箸2本を薄焼き玉子の一辺の中央からさし入れ、、反対側まで破らないよう箸をまわしながら進めます。  
    6. 箸を持ち上げ、薄焼き玉子を玉子焼き鍋の端から返すようにおいて、裏側を乾かします。  


    海苔の表(左)裏(右)と切り方
  • 海苔は正方形ではありません。長いほうを2等分にして、2枚にします。海苔は、より光っているほうが「表」、ちょっとざらざらしているほうが「裏」です。スダレには、「表」が表面に出るようにおきます。
  • 薄焼き玉子を2等分にして、海苔の手前の端にあわせてのせます。海苔の裏の上に、薄焼き玉子の「表」(先に焼いたほう)が重なるようにおきます。海苔の長さにあわせて切り、全体が均一になるようにととのえたほうれん草を、薄焼き玉子の上にのせます。(7)
  • ほうれん草を芯にして、しっかり巻きます。(8)(9)
  • もう一度スダレで巻き直し、充分水気を切ります。(10)(11)

    10 11

  • 玉子焼き鍋またはフライパンの油気をよくふきとり、その中で巻き物をころがして、水気を含んだ海苔を乾かします。
  • 長さを3等分し、そのひとつを上下1a位のこして、斜めに切ります。

    海苔を乾かす 斜めに切る

ちょっと一言
  • ほうれん草の巻き物を斜めに切って、「竹」に見立てます。これから大きくのびて行こうとする「若さ」をあわせて、「若竹ほうれん草」というお浸(ひた)しです。
    子どもの誕生日、成人式など、成長を祝う膳にぜひのせてください。 「豚肉の風味焼き」に添える
  • 何本も巻いたときは、1 本巻くたびに海苔を乾かしてください。巻いたまましばらくおきますと、ぬれた海苔がだんだん縮んで巻き物が広がってしまいます。
  • 「ほうれん草のお浸し」として小鉢に盛るほかに、添え物としていかがですか。「豚肉の風味焼き」(2年目1月第2週」)に添えてみました。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■こんなはずでは (1)

冬山を登ってきた。昨年は体をこわし、一昨年は悪天候に阻まれて頂上を踏めなかった北岳(3192m)(52.「ジレンマ」参照)である。3年振りの今回は、北岳の先、間ノ岳(3189m)とさらにその先にある農鳥岳(3050m)まで足をのばし、大門沢を下る3泊4日の縦走である。この時期このコース、反対方向からの縦走をふくめると、単独で6回ほど経験している。ところが今度ばかりはこれまでにない苦戦を強いられ、冬山の楽しさの微塵も感じられないまことに惨めな山行とあいなった。

結果的には順当にスケジュールを消化したかに見える。問題は中身。限界スレスレの体力で、よくぞ下山までもったものと呆れるばかりだ。日頃、ランニングで鍛えていると自負はするもの、荷を担ぐとカラキシである。ザック(25キロ)の重みに耐え、全身に冬山装備をまとったアイゼン歩行は、宇宙服や潜水服とはいわないまでも、手かせ足かせ首かせと緩慢不自由極まりない。

2年はただのブランクではない。その間の加齢によって体力は着実に後退している。したがい、実際の力量は予想よりはるかに縮んでいるのに、当の本人はあまりわかっていないのだ。

31日の入山日は雨だった。まずこれが誤算。例年なら雪のところである。夜叉神峠から入ってまもなくヤッケにオーバーズボンを着用。動きは鈍く、体力を消耗するとともに濡れが中まで沁みると厄介だ。買って?年、防風防寒はまあまあでも、防水の威力はかなり落ちている。

約7時間、吊尾根お池小屋の幕営地に着くも、霙(みぞれ)状態にテントを張るのがためらわれた。一面雪原のはずが、笹が出ていて設営スペースが限られる。雪が少ないということだ。テントはわずかに1張り。避難小屋をのぞくと、これも2張りのみで、正月にしては入山者の姿が見えない。

降雨のさなかの雪上テントは、避けたいもののひとつである。これ幸いと、小屋の土間にテントを張らせてもらう。だが雨・風・寒さからのがれても、防ぎようのないものがある。お隣りさんの物音、話し声である。テントはフスマ・障子とかわらない。文字通りの筒抜け。手をさする微かな音まで聞こえてしまう。今夜は寝られそうもない。

湯を沸かしお茶とコーヒーを立て続けにのむ。初日はお定まりのレトルトのごはんとカレーだ。軽さではアルファ米に敵わない。けれどアルファ米の味には抜きがたい不信感があって、設営メニューにこのレトルト2品はかならず入れることにしている。

同宿の一方は若者3人。他方は中高年4人組で、女性がひとり混じる。世代のせいか人数のちがいか紅一点のなぜるわざか、発散する音の量は圧倒的に4人組。若い連中は朝早く下るらしく、7時すぎには就寝した。中高年は9時をまわっても話し声が止まらない。どうやらこっちとおなじコースを辿るらしく、明晩も北岳山荘で相宿ということになる。気が重くなった。

目、耳ともに冴えわたる。ラジオ(紅白)は聞こえてこない。かわりに寝袋のすれ合い、あくび、しわぶき、鼻水、寝息、いびき、寝返り、歯ぎしり、さまざまだ。放屁もまた。12時ごろひとりが小用で外にでた。雪が積もった、星がきれいだとつぶやいた。

午前3時。下山組が目を覚ました。こちらも起きだす。といっても不眠状態のまま、まんじりともしなかった。0時までは時間経過ののろさを呪い、すぎたら起床時刻が気になった。

朝食はラーメン。具に、あらかじめ刻んだキャベツを3回分小袋にわけて用意した。ウインナーソーセージも3個浮かべた。作業はロウソクの炎で十分明るい。ヘッドランプは要所要所に使うだけ。燃料同様、電池の浪費も極力さけたい。

もったいないといえば点火用のマッチである。百円ライターは寒さで用をなさない。マッチは点けやすいが消えやすい。そこで今回、輸入物を持参した。確かにたやすく消えない。しぶとくのこる。それはいいが、肝心の火点きが悪すぎる。何度もすっているうちに箱の側面が坊主になった。本来ならそれで万事休す。コンロの故障もおなじで引き返すしかない。用心に、もう一箱もってきていて助かった。ヒヤヒヤものである。

小屋内に張ったおかげでテントの撤収は速くて楽だ。その割には時間をくった。水作りに手間取ったのだ。今日の行程は長くなる。テルモス用(0.8リットル)のお湯と、1.5リットルの水筒を満たした。水といっても雪を溶かしてのそれだから、煮沸殺菌は欠かせない。

2組に先んじて6時すこし前、小屋をあとにした。 (おがさわら) (つづく)


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