今 週 の レ シ ピ |
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・アドバンスクラス(1月第2週)のメニューより●天津麺(カニ玉入り中華そば) 577kcal. 塩分5.7g (汁を全部のんだ場合)
[材料] -6人分-
・中華麺(ちゅうかめん) 6玉 ◎カニ玉 卵 6個 カニ缶 1/3缶 干し椎茸(しいたけ) 3枚 ゆで筍(たけのこ) 50g 長葱(ながねぎ) 1/2本 グリンピース 大さじ2 塩 小さじ1 ・焼き用油 大さじ4 ◎甘酢あん 中華だし 1/2カップ 醤油 大さじ1.5 砂糖 大さじ1.5 酢 大さじ1/2 片栗粉 小さじ1 ◎中華そばのスープ 中華だし 8カップ 塩 小さじ1 醤油 大さじ6 酒 大さじ2 砂糖 小さじ2
[作り方]
- カニ玉を作る。
割りほぐした卵に、ほぐしたカニ、細かく切った椎茸(しいたけ)・筍(たけのこ)・長葱(ながねぎ)・グリンピースを加え、塩で調味し、中華鍋で6個に焼く。- 甘酢あんを作る。
鍋に調味料を合わせ、煮立てる。- 中華だしに調味料を加え、中華そばのスープを作る。
- 中華麺(ちゅうかめん)をゆでて、丼(どんぶり)に入れ、熱々のスープを加え、カニ玉をのせ、甘酢あんをかけて仕上げる。
ポイントはここ
- カニ玉と甘酢あんは、芙蓉蟹(カニ玉)(2年目11月第2週)を参照してください。
- 中華だしは固形、粒状、ペースト状などのスープの素を使っても簡単にできます。単品でまたは混ぜたりして、好みの味を作ることができます。
- 本格的に「鶏のガラ」から中華だしを作る方法
[材料] -7〜8カップ分-
・水 15カップ ・鶏のガラ 1羽分 ・鶏胸肉 100〜150g ・日本葱 1本 ・生姜(しょうが) 1片 ・人参(にんじん) 100〜120g ・大根 150〜200g ・白菜 100〜120g
[作り方]
- 鶏ガラは水洗いをし、熱湯でさっとゆで、もう一度水でよく洗って内臓の残りや脂肪などをとりのぞく。
- 日本葱、生姜は、包丁でたたいて軽くつぶす。
- 鍋に水と材料を入れて強火にかけ、沸騰直前に弱火にし、アクをとりながら2時間くらい煮る。
- 二重にした布巾(ふきん)で、こす。
水に材料 沸騰直前に弱火 アクをとる 出来上がり - 中華そばはスープ、具、それに盛り付けの器を用意してから麺をゆでます。盛り付けの器に、熱々のスープを1/2カップ分くらい注ぎ、ゆでた麺を入れ、さらに1カップ分くらいスープを注ぎます。カニ玉をのせ、甘酢あんをかけて出来上がりです。
ちょっと一言
- 「天津麺」と聞くと、当然、中国の麺料理と思っていませんか。実は、日本の誰かが考えた中麺そばの食べ方です。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■こんなはずでは (2)北岳が目的なら、このお池小屋から往復、その日のうちに夜叉神まで下山してしまう。水と行動食の10キロに満たないザックがそれを可能にする。縦走はそうはいかない。「所帯道具」一切を担ぎ上げなければならない。体力との勝負である。さあ今日は、難行苦行がお待ちかねだ。
昨晩の雪はたいしたことはなかった。ヘッドランプの灯りが、わずかに窪んでみえるトレースを照らす。埋まるのはくるぶし位まで。傾斜が増すにつれ、それが膝あたりまできて歩行に抵抗をかけてくる。6時をすぎると明るくなってヘッドランプは不要。2時間ほど雪をわけて登る。樹林の中にテントが見えた。そこからトレースがついている。"ラッセル"は終わりだ。あとはそれを辿って登るだけ。
しだいに息が上がる。反対に足は上がらなくなる。立ち止まる回数が増えていく。覚悟はしていたが、これほどとは。雪に体を投げ出し何度も大休止をとる。体力のなさに自分でも嫌になる。さんざん休んだ挙句、やっとの思いで樹林帯を抜け、ボーコン沢の頭に達した。ここは、北岳バットレスの全姿がのぞめるパノラマ地点だ。登るたびに息をのむ。今回はなんの感慨もない。相当に疲れている。大丈夫か。 ともかく核心部まで行こう。
なだらかな稜線も休みが入る。そのあいだに後続者6、7人が追い抜いていった。核心部・八本歯のコルの手前(八本歯の頭)に着いたのは昼の12時。5、6人のパーティーが休んでいる。下ってきたのだ。そう、空身で北岳を往復するなら、下降の通過時刻である。しかたがない、こちらは荷物の重さがちがうのだ。そう慰めてみても時間がかかりすぎる。戻るならいまだ、ここしかない。荷物を置いてラクに頂上を往復できる。テルモスのお湯を飲みながら、そんなことを考えた。雲ひとつない青空である。絶好の気象条件なのに戻れるか。胸にわいた弱気の雲を振り払った。
その名の通り、不揃いに歯が8本ならんだような難所である。さも虫歯を病んであちこち欠けた岩稜が、鋸状に降下している。雪不足がさいわい、ところどころ岩が出てガバでいける(手がかけられる)。10mほどの残置ロープがあるのもありがたい。慎重に足場をえらんで下った。両側がスッパリ切れたナイフエッジも難なく通過、鞍部に降り立った。"ルビコン川は渡った"。もう後へは退けない。先へ行くだけだ。目前に、山頂へ突き上がるルートがくっきりと見て取れた。
ここからは5歩、10歩の世界。雪に半ば埋もった梯子(はしご)をよじ登る。動いているより休みが多い。8000m峰でもめざしている錯覚だ。恥も外聞もない。といって、はばかる人目はほとんどない。のしかかる自分にたいしての情けない気持ちをいっしょに背負って登っていく。
越していった人たちが、つぎつぎ下山してくる。惨めさがピークに達する。やっとのことで北岳山荘との分岐に登りついた。なんとか今夜の宿泊地までは行けるメドがついた。ザックをのこして上をめざした。14時20分、頂上を踏んだ。
あとは山荘へと下るだけ。分岐点でザックを拾い、岩稜を伝う。気を抜いてはならない。15年前の3月、ここで不覚にも60〜70m滑落した。忘れようにも忘れられない。そのときは左足首の捻挫だけで済んで這い上がり、縦走を続行した。仮にいま、このフラフラ状態で滑落するとする。無傷だとしても立ち直れないだろう。時間をかけて慎重に下った。
15時30分、山荘に到着した。二階にある避難部屋の鉄製の引き戸を開く。見覚えのある6畳と10畳ほどの二間続き。誰もいない。大門沢方面からも、塩見岳方面からも縦走者はないということだ。この時期にしては珍しい。以前に2、3度、いっぱいで危うくあぶれそうになったこともあったのに。
広々とした部屋にテントを張る。人が多いとできない贅沢だ。山荘一帯は強風の通り道。唸りをたてて止むことがない。風下に面したこの部屋は、外に向かって一間ばかり窓が切ってある。隙間があるのか、吹き込む風はそれほどでもないのに、その風音たるやすさまじい。たけり狂ったようである。
コンロを焚いて人心地つく。火の恩恵は偉大である。魔法のランプだ。寒さ、闇、飢えといった人間の生を脅かす根源的な不安を融かしてくれる。それに孤独をも。冬の高所にはその四つがある。いや、それしかない。そんなところへ自分を運び上げる。ルートのすべてがナイフエッジだ。極限状況を経れば、生まれ変わった気分になれる。言ってみれば、冬の登山は胎内くぐりだ。
夕食にとりかかった。メニューは、チーズが上にのったハンバーグ。調理済みで密閉した袋に入り、そのまま5、6分熱湯につければ食べられる。口の中に入れたけれど、どうにもまずくて飲み込めない。吐き出した。「人間、腹を空かしたときは何でも食べられる」はホントかもしれない。が、極度の疲労が加わったらどうなるか。そんな俚諺はあてはまらない。むしろ、「疲労困憊で腹を空かしたときは、うまいものしか受け付けない」・・・。
急遽、メニューを変更した。旧臘30日、わが家で搗いたばかりの餅と豆餅を2枚ずつ。ついでにニンニク1個を網にのせた。油っこい物をもと、小さなフライパンにバターをひいてウインナー、キャベツ、タマネギを炒める。スープにブイヨンを溶かし、デザートに山梨名産のコロ柿。食事の前後にはお茶、コーヒーをそれぞれ2杯。なんとも支離滅裂な食事となった。平地ならまちがいなく腹をこわしている。
夕方5時すぎ、階段に靴音がとどろいた。思い切り戸が開けられた。複数の人間の到着だ。聞き覚えのある女性の声。すっかり忘れていた。おなじルートだったのだ。4人は隣室に陣取った。昨夜にまして賑やかだ。前門の虎(風切り音)、後門の狼(人声=部屋が仕切ってあるせいか遠慮がない)。どちらもうるさいに変わりはない。相殺されるならいいが、相乗して今夜も悩まされそうである。
"騒音"に耳をつんざかれながら窓をのぞく。甲府盆地の明滅とそれを照らす蒼白い月の光、天上に散らばった無数の糠星(ぬかぼし)が、スクリーンに映し出された別世界のように恐ろしいほど静まり返っていた。(おがさわら) (つづく)
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