今 週 の レ シ ピ |
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・アドバンスクラス(2月第4週)のメニューより●海の幸のふく酢 131kcal. 塩分0.5g
[材料] -6人分-
・甘エビ 12尾 ・ホタテ貝柱(刺身用) 3個 ・ほうれん草 1/3束 ・黄菊(きぎく) 少々 ・ウド 5a ≪ふく酢≫ マヨネーズ 大さじ5 胡麻(ごま) 大さじ1 ◎A 酢 小さじ1 醤油(しょうゆ) 少々 塩 少々 うまみ調味料 少々
[作り方]
- 刺身用の甘エビ、ホタテ貝柱を酢洗いする。
- ほうれん草をゆで、スダレに広げ、黄菊を芯にして巻き、長さ3a位に切る。
- ウドは細く切って、白髪(しらが)ウドにする。
- よくすった胡麻にマヨネーズを混ぜ、Aを加えて、好みの「ふく酢」を作る。
- 小鉢に1、2を形よく盛り、白髪(しらが)ウドを天盛りにし、4のふく酢を添える。
ポイントはここ
- 甘エビは、尾を残して殻(から)をむきます。
ホタテ貝柱は、厚みの半分位切れ目を格子に入れ、4等分に切ります。
薄い酢水を作り、甘エビとホタテ貝柱をくぐらせます(酢洗いといいます)。- 黄菊は生花を干したもの。酢をおとして熱湯でサッとゆで、冷水にさらし、よく水気を切っておきます。
- ゆでて水気を切ったほうれん草を、スダレの上に幅20a長さ7a位に広げ、芯になるように黄菊をおき(1)、しっかり巻きます(2)。水気をよく切ってから(3)長さ3a位に切り、切り口を上にして盛ります(4)。
(1) (2) (3) (4)
- すり鉢で粒がわからなくなるくらい胡麻をよくすり、マヨネーズを加えます。さらに酢、醤油、塩、うまみ調味料を加え、好みの味を作ってください。胡麻の香りがもっとしたほうがよいと思われる方は、胡麻を増やしてみてください。
ちょっと一言 ≪組み合わせメニュー≫
- 「食用菊」は、「料理菊」「甘菊」ともいい、花の色、味、香り、歯ざわりを楽しむものです。
主産地は青森、新潟、山形、岩手など。生花の場合は、花びらがみずみずしく、裏側のガクが緑色のものを選んでください。花弁をむしってサッとゆがいて使います。酢の物、和(あ)え物、浸し物、漬け物などにしたり、そのまま天ぷら、刺身のつまなどに使います。- 「ふく酢」は、「マヨラー」参照。
◎ハマグリの清汁(すましじる)
◎野菜の天ぷら
◎ハスの金平煮
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■konishiki が往く先週、2回にわたってNHKテレビが「肥満」について取り上げていました。WHO(世界保健機関)では、「肥満は病気」であるとし、世界にはびこる「疫病」とまで言います。
その内容はいささかショックでした。私の理解するところでは、地球がいま抱えている深刻な問題は、「食糧危機」です。異常気象、環境汚染、人口爆発とがあいまって、さらに戦争や国内政治のまずさから、今以上に飢餓状態がすすんでいく。メディアによって伝えられる情報も、北朝鮮やアフリカ、世界各地の紛争地帯・難民キャンプで、多くの人々が飢えに苦しんでいるといった実情です。
戦争とならんで食糧問題は、人類が克服しなければならない永遠のテーマであることに変わりありません。ところがその一方で、おなじように深刻なのが「肥満」だというのです。「疫病」と言うからには、エイズ、SARS、鳥インフルエンザと同列ということですよね。それに肥満が入る? まさかと思ってしまいます。それも一時的な流行でなく、慢性的な病気として認定しているのです。
世界人口60億の20%、12億人は肥満だそうです(栄養失調者は11億人。そのうち慢性的飢餓が7億9千万人)。最近話題になった書、『世界がもし100人の村だったら』の中にも、「20人は栄養がじゅうぶんではなく1人は死にそうなほどです。でも15人は太り過ぎです」という個所がでてきます。統計からも、食べ物がなくて困っている人の数と、太りすぎに悩んでいる人の数はおなじくらいということになります。
とりわけアメリカには6千万人もいて、10人に6人。しかも、「肥満の定義」がBMI(体重kg÷身長m÷身長m)の指数を、日本は25以上としているのにたいして、30以上と緩めにとっているにもかかわらずです。ちなみにわが国はBMI25以上が2300万人と、これはこれでたいへんな数字ですが、アメリカにとってより重大なのは、男女ともにKonishiki ばりの重戦車がめずらしくないことです(それはたとえれば、日本では探してもなかなか見つからないのに、アメリカは石を投げればあたる、といった理解でいいのかしら?)。
生まれてこのかた、甲府ではもちろん、学生時代の東京暮らしをふくめて、Konishiki 級の太った人は見たことがありません。正真正銘、お相撲さんの小錦がはじめてでした。それもテレビでです。
あるとすれば、4度ほど行ったことのあるブラジルにおいてでしょうか。かの地では「巨大な肉塊」によく出くわしました。それこそ石を投げればあたる程度に。でも、WHOが認定する肥満国にブラジルは入っていません。お隣りのアルゼンチンがそうです。両国民ともたくさん肉を食べますが、ブラジルの場合、お米を主食なみに食べますし、海や川の魚も豊富。それになんといっても野菜果物の豊かさは特筆に価します。
これには、戦前から移住した20万人の日本人農業者の力が関わっていると聞きました。日本人は、現地の人がそれまで見たことも食べたこともないような野菜や果物を作りました。それがブラジル人の間にも浸透し、彼らの食生活の向上に貢献したということです。ブラジルは食の多様性(バランスのよさ)でアルゼンチンに勝っているようです。
ただし影の部分も見逃せません。ブラジルの貧富の差ははなはだしく、かつ東北部に広大な貧困地帯をかかえていますから、それらをならしてしまうと平均値は上がらず、食糧大国でありながら肥満国の認定を免れているフシがあるようです。
NHKの番組の中で意外に思ったのは、イタリアでした。ご存知、スローフード運動発祥の地です。世界を席巻するファーストフードに拒絶反応を示し、伝統的な「マンマの味」を見直そうと世界に先駆けていち早くのろしをあげました。その見識の高さと行動力に敬意を表したのでした。でも、そう単純な図式ではなさそうです。
現にイタリアは、こどもの肥満率が36%でヨーロッパでいちばんだそうです。小学校に午前中おやつの時間というのがあって、持参したバターたっぷりのクッキィーとかチョコレートを教室で食べます。画面の中でこどもがほおばるチョコのかかったお菓子は、日本人の眼からみると相当の大きさで、随分カロリーが高そうです。体育の授業はありませんから、こういうものを毎日パクついていたら脂肪はたまる一方でしょう。
イタリア式子育て法では、こどもはまさに「神の子」。親はこどもの言いなりです。学校医がお母さんたちを集めて、あたえるお菓子の量を控えるように注意していましたが、ほとんどは「こどもが欲しがるんだからしょうがないじゃありませんか」の態度です。こども自身は、適量をしりませんから、欲しいだけ要求します。親もせがまれるまま持たせてしまうようです。
イタリア人は平均で、週に3回は外で食事をすると言います。レストランでは、ふんだんに油をつかった山盛りの料理がふるまわれます。このほかに便利とばかりファーストフードや工業食品を食べていたのでは、太らないほうがおかしい。1986年北イタリアに「食育」をさけぶ運動が起こったのは、それだけどこよりも肥満の問題が切実だったわけです。
そしてスローフード協会が発足して今日まで、運動の成果、つまり肥満の解消や予防、ならびに食にたいする人々の意識がどのくらい変わったか。私が「意外」と感じたことでお分かりのように、本場イタリアにあってもまだまだ途上の段階にあり、判定を下すのはずっと先になりそうな気がしました。 (つづく) ・konishiki が往く(つづき)
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