今 週 の レ シ ピ |
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・アドバンスクラス(2月第3週)のメニューより●ウドとほうれん草のサラダ 140kcal. 塩分1.0g
[材料] -4人分-
・ウド 15cm位 ・ほうれん草 1/2束 ・オレンジ 1個 ・レーズン 大さじ1 ◎A マヨネーズソース 1/3カップ アーモンドのみじん切り 大さじ2 オレンジの汁 適宜 塩/酢 適宜
[作り方]
- ウドは長さ4cm位に切り、皮をむき、短冊切りにし、酢水にさらす。
- ほうれん草は茹(ゆ)でて、2cm位に切り、水を絞り、塩で下味をつける。
- オレンジは皮をむき、実を一つずつ取り出す。
- レーズンは、熱湯をかけてもどしておく。
- サラダ鉢に1、2、3を盛り、レーズンを散らす。
- Aを混ぜてソースを作り、添える。
ポイントはここ
- ウドは、皮の部分にアクがたくさんあります。皮は、厚めにむいてください(むいた皮はせん切りにして、金平煮にできます)。薄く切って、酢を入れた水に入れ、アクをとります。あまり白くならないときは、もう一度、水をかえてみてください。
- ほうれん草は、茹でてから2cm位に短く切ります(お浸しは、4cm位の長さがよいでしょう)。しっかり水を絞ってから、塩を少しふり、下味をつけます。
- オレンジは、包丁でクルクルと皮をむきます(1)。袋から実を一つずつ取り出します(2)(3)。このとき汁がこぼれますので、大きめのボールの上で取り出してください。袋がのこりますので、軽く手でしばり、汁をとります(4)。
この汁を、マヨネーズソースの中に加えてください。
(1) (2) (3) (4)
- レーズンは熱湯で戻すほかに、ラム酒漬けにしたものもおいしいです。
- アーモンド、クルミなどのナッツのみじん切りをマヨネーズに混ぜ、かならず塩・酢などで味をととのえてください。
ちょっと一言
- ウドは一般的に香りが好まれますが、私にとっては早春を感ずる食べ物の一つです。
アクが強いので、皮は厚くむきますが、細く切って金平煮にできます。- 山ウドの先端の天ぷらはいかがですか。
山ウドの先端 衣をつけて天ぷらに
- 日本料理の食材としてだけでなく、食感、色合い、味わいからサラダの材料にもなり得ます。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■つける『問題な日本語』という本が売れているようです。近頃の日本語ブームを反映して、間違った使い方、気になる言い回しに焦点をあて論じています。「食」に関連した表現もたくさん出てきます。二、三拾ってみましょう。
・「おビールをお持ちしました」
ビールに「お」をつけるようなことを「美化語」というそうです(「お持ちする」の「お〜する」も)。ことばを上品に美しくするためです。それこそ「お」料理の世界は、このことばで満ち満ちています。「お」稽古にはじまって、お塩、お砂糖、お醤油、お味、お菓子、お水にお湯…きりがありません。「おビール」とはいいませんが、他はお稽古のなかで違和感なく使っています。もちろん「お」抜きでもいいのです。でも、会話には潤い、やわらかさ、品(ひん)、リズム、響きなどが必要です。情報の伝達を円滑にするための潤滑油、一種の調味料といってよいでしょう。おわかりのように、レシピには使っていません。「話し言葉」と「書き言葉」を使い分けているつもりです。
・「鍋に油を敷く」vs.「鍋に油を引く」
先にいってしまいます。私は「敷く」もいいと思っていました。お恥ずかしい。 たぶん、レシピのなかでも両方使っていた気がします。「引く」が正解で、「引き延ばすようにして表面に広く塗る」の意味です。油を「敷く」という行為自体、間違いとは思われなく、「ひく」と「しく」の発音も酷似しています。両者を区別するむずかしさは相当のようで、本書にも「ネットを始め、新聞・雑誌・小説にもしばしば現れる」としています。私もこれからは、油は引くもの、敷くものではないと肝に銘じます。
・「湯がわく」vs.「水がわく」
「わく」は湧くではなく、沸騰するほうの「沸く」。これは湯でも水でもいいようです。水が沸いて湯になるのだから問題ないとして、「湯がわく」はオカシイとされたらどうしようと思っていました。注目点がちがうだけで、どちらも間違いではないという結論です。つまり、「水がわく」は「現象の変化」に、「湯がわく」は、その「変化の結果」に注目しているからだとか。よかった!・さて、本書に触発されて、考えてみたいことばがあります。「つける」です。私のなかに、迷いがあるからです。
「付ける」は、色を付ける、味を付ける、味噌・醤油・マヨネーズを付けるなどに使います(衣は「着ける」にしたらぴったりの気がしますが)。「点ける」は、ガスコンロや電子レンジなどの電気製品をつけるときです。でも、書くときはひらがなです。
迷うのは、「漬ける」と「浸ける」です。ツケモノはぬかでも塩でも「漬ける」で、揺れることはありません。長い時間、重石(おもし)をかけてじっくりと漬けこみます。
「浸ける」は、ものが隠れるくらいつけるときです。「どっぷりと浸ける」のように。別のことばでいえば、「浸(ひた)す」です。その浸す行為が長時間に及ぶときに、「漬ける」を使いたいのです。ツケモノでなくてもです。たとえば「わかさぎの香り漬け」「小かぶのあちゃら」では、「漬ける」を用います。
またツケモノだからといって、日本料理だけとはかぎりません。フランス料理に「マリネ」があります。「漬け込む」という意味です。「イカのマリネ」「牛肉の赤ワイン煮」などのように、魚や肉をワイン、酢、塩、オイルなどのほか、香辛料をくわえた汁にじっくり漬けることをいいます。
では、「長時間」とはどのくらいのことをいうのか。私は、半日以上としています。といいながら、わかさぎでもイカでも30分ほど漬けて食べることがあります。ここが迷うところです。どっちの字を使おうか右往左往し、結局はひらがなで逃げたりするのです。
ことばは食べ物と似ています。「慣れ」の要素が大きいからです。ヘンな表現と思っても、聞いているうちにだんだん馴染んで、いつのまにか受け入れられ、当たり前のようになってしまう。妙な味だと思いながらも食べているうちに慣れ、得てして大好物になるというアレです。
好き嫌いもおなじようにあります。ところが、気に入らない食べ物は、口にさえしなければ嫌な思いをしなくて済むのにたいし、ことばは目や耳を通して否応なく入ってきます。完全排除は無理といっていいでしょう。どこかで妥協しなければたいへんなストレスとなります。
そこで、誤用とわかっても「慣用」とか「許容範囲」とかの緩衝地帯を設けます。それがしだいに市民権を得ていくのです。「世間という味の汁」に、長時間どっぷり漬け込んでおいて、じっくりと馴染ませようというわけなのでしょう。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com
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