今週のレシピ

・ブライダルクラス(5月第4週)のメニューより

● 鶏(とり)のつくね煮 ● 174kcal.  塩分 1.7g (i、塩分ともに付け合わせの青煮は含まれていません)
 鶏(とり)のつくね煮の写真
 [材料]  -6人分-

・鶏挽(ひ)き肉300g
◎A
  みりん小さじ2
  醤油小さじ2
・卵1個
・生姜(しょうが)のみじん切り小さじ1
・片栗粉大さじ1
◎煮汁
  二番出汁(だし)1/2カップ
  砂糖大さじ2
  醤油大さじ3
  みりん大さじ2
◎付け合わせ
  さやえんどう
  ふき
  インゲンなどの青煮

  [作り方]

  1. 鶏挽き肉の半量をカラ炒(い)りし、すり鉢に入れ、Aを加えてすり混ぜる。
  2. 熱が抜けたら残りの挽き肉・卵・生姜のみじん切りを加え、よく混ぜ、最後に片栗粉を加えて、さらに混ぜる。
  3. 直径24a位の平鍋に煮汁を合わせて煮立て、そのなかに2の挽き肉を18〜20個位に捏(つく)ねながら加え、煮汁をからめるよにつやよく煮上げる。
  4. 季節の青味を青煮にして添える。
 
ポイントはここ

  • この挽き肉料理は生姜のみじん切りが少し入るだけで、もし生の状態のまま調理して捏(つく)ねて煮ると、肉に火が通ることで縮んで硬くなってしまいます。ハンバーグステーキに、火が通っている玉葱やパン(焼いても縮まない)を入れるように、挽き肉を半分だけカラ炒りすることで縮まずやわらかく仕上がるようにします。
  • 挽き肉の半分をフライパンで油を使わず、木杓子(きじゃくし)で完全に火が通るように炒りますが、なかなか細かくできません。したがって、すり鉢を使ってよくすります。 つくね方の写真
  • 残りの生の肉は、カラ炒りした肉の熱が抜けてから加えてください。
  • 生姜はできるだけ細かいみじん切りにしてください。口に入れたとき、ほのかに香る生姜がおいしさです。
  • 捏(つく)ねた肉が重なると、くずれてきれいに煮えませんので、18〜20個が平らにならぶような鍋(直径24a位)を用意してください。
  • かならず煮立てた煮汁のなかへ肉を捏ねて入れます。冷たいと肉汁が出て煮汁がにごり、つやよく煮上がりません。
  • 肉はスープ用のスプーン2本を使って、3〜4回、すくい取るように回して形をととのえます。煮汁に全部入れたら、箸(はし)でひとつずつ返していきます。つくねが固まったら鍋を動かして煮汁をからめ、つやよく仕上げます。
 
ちょっと一言

  • 「つくね」とは、「手でこねて丸くする」ということばから作られた料理名です。挽き肉を丸めて煮たり、揚げたり、焼いたりします。「丸める」といっても、つくねの場合は「丸みを帯びた形」を意味します。今回はつくねのもとが少しゆるいので、スプーンで「ラグビーボール」のように形づくってみました。
≪組み合わせメニュー≫
  ◎寄せ玉子の清(すまし)汁
  ◎焼き魚
  ◎きゅうりとわかめの酢の物
【野口料理学園】

塩ひとつまみ

■衣替え

  • 揚げ物をするときになると、決まって後ろへさがってしまう生徒さんがいました。いつもは前の方で熱心に見聞きしているのに、スーッといなくなるのです。「干満の差」が激しいので訳を聞きました。お母さんにこう申し渡されたのだそうです、「嫁入り前なんだから、顔に油がとんだら困るでしょ。天ぷらの授業のときは遠くに逃げていなさい」。
  • これほど極端でなくても、揚げ物をコワガル人は少なくありません。揚げ物だけでなくて炒め物、つまり油を使う調理全般を危険視するのです。鍋やフライパンのなかで、ちょっとでも撥(は)ねようものなら、爆発でもしたような騒ぎです。食材に含まれる水分が油と反応して引き起こされる現象です。「水」と「油」ですから、反発しあうのは当たり前、とぶ、撥ねるは否定のしようがありません。衣服にとんでシミを残したり、肌に火傷(やけど)を負わせる危険性があることも事実です。こうして、油は危ないうえに「汚れる」が加わって2K(危険、汚い)食品の悪者あつかい。さらに使用後の処理が面倒、またコワガルあまりビビッてしまい当然出来上がりもまずいというわけで、2M(面倒、まずい)の烙印も押されてしまう。
  • 油をコワガル人ほど、「温度が高いと油がよくとんで撥ねる」だの、「高温だから火傷しやすい」などの思い込みがあります。鍋の中にそっと入れずにポンと投げ入れたり落っことしたりで、みすみす油が撥ねる原因を自らが作っています。また低い温度で揚げてしまうと、パリッとしないで見るからに不味そう、「やっぱり揚げ物ってむずかしいわ」となります。だから自分ではいっさい揚げ物をせず、買うか食べに行くかで済ませている人が皆さんの中にいるかもしれません。もったいない! 脂っこいものが嫌いならまだしも、そこまで断固徹底させるエネルギーがあるなら、おいしく揚げる方法に取り組んだ方がずっとずっと簡単です。油の特性を知って使いこなせば、おいしいものが作れるのです。
  • 揚げ物の王様はなんといっても天ぷら。天ぷらを上手に揚げたいがために料理学校に通うという人もいて、憧れに近いものをもっています。反対に、どうしてもプロのようにはいかないとあきらめている方もいるでしょう。天ぷらの揚げたてに勝るおいしさはそうはありませんもの。ある友人など、家族に揚げたてを食べさせたいばかりに、天ぷらのときは目の前に5人の家族をズラリとならべて、手間ひま惜しまず、一つ一つ丁寧に揚げたのをふるまうのだそうです。楽しい団欒が目に見えるようです。
  • 当校の天ぷらのメニューは夏と冬の2回でてきます。(詳細は8月第1週「千草揚げ」と2年目2月第2週「鶏のさらさ揚げ」の項にゆずるとして)天ぷらの「衣」を、人間のそれに見立てて夏用・冬用としているからです。つまり、夏場の暑い盛りには薄着を、寒さつのる冬場には厚着をと、季節に応じた衣を天ぷらにも着せるのです。
  • 衣替えは6月1日。その前に真夏なみの暑さになることが間々あります。が、頑として衣を替えない人。同様に、その日がくると、寒かろうが衣を替えないと気がすまない人。いろいろです。単なる慣習ですから、破ったところで罰則があるわけではありません。習慣は人目ですが、自分が良かれと判断したらそれにしたがえばいいのです。天ぷらの衣もしかり。お好みでどうぞ…

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