今週のレシピ

・ベーシッククラス(2月第2週)のメニューより

● 鶏のさらさ揚げ    317kcal. 塩分1.4g

鶏のさらさ揚げの写真 [材料]  -6人分-

・鶏胸肉200g
  醤油大さじ1
  酒大さじ1
・人参50g
・ごぼう50g
・生椎茸3枚
・さやえんどう20g
◎衣
  卵+水1カップ
  薄力粉1カップ
・揚げ油
・大根おろし
◎天汁(てんつゆ)
  出し汁1/2カップ
  醤油大さじ2
  みりん大さじ2

  [作り方]

  1. 鶏胸肉…薄く大きく、そぎ切りにしてから7〜8_の細切りにする。醤油と酒をかけて、下味をつける。
    人参…せん切りにする。
    ごぼう…せん切りにして水に入れ、アクをとり、水気を切る。
    生椎茸…せん切りにする。
    さやえんどう…せん切りにする。
  2. ザルに野菜を入れ、その上に鶏胸肉をのせて、全体をよく混ぜる。
  3. 衣を作る…卵と水を合わせて1カップにし、ボールにあけ、卵水を作り、薄力粉をさっくり混ぜる。
  4. 衣に、用意した鶏肉と野菜を加えて混ぜ、170〜180℃の油で、全体が薄い狐色になるまで揚げる。
  5. 皿に盛り、大根おろしと天汁を添える。

ポイントはここ

●夏のかき揚げ「千草揚げ」(8月第1週)を参考にしてください。


 
ちょっと一言

  • 「さらさ」は「更紗」と書き、マレー語「SARASAH」 が語源のようです。草花模様や幾何学模様を刷り込んだり、捺染した綿布のことです。色とりどりの材料を用いた料理につけられる名称で、「さらさ和(あ)え」「さらさ焼き」などもあります。
  • 鶏のさらさ揚げが残ったら、煮込みうどんにのせて「かき揚げうどん」はいかがですか。また、天汁に砂糖を少し加えた汁で煮て卵とじにし、丼に盛ったごはんの上にのせて「かき揚げ丼」。残ったらではなく、こんな食べ方がおいしいからかき揚げを作る、というくらいおいしいですよ。
  • 『塩ひとつまみ』の「衣替え」(5月第4週)も参考にご覧ください。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎ウドとワカメのヌタ
    ◎油揚げと大根葉のみそ汁
    ◎煮豆
【野口料理学園】
塩ひとつまみ

■器用 or 不器用
  • いちいち口うるさく注意することを、箸の上げ下ろしにまで口をはさむという。なにもそこまで言うことはないだろうという意味だ。重箱の隅をつつくように、こまかなことにまで文句を言う。まずこういう人は嫌われる。いちいち分かりきったことを言いなさんな、というわけだ。つまり、箸の使い方は自明のことで、ことさら注意するに及ばないという前提がある。
  • その前提が揺らぎだして久しい。先ごろも週刊誌上で、あるテレビの料理番組の出場者たちが槍玉にあがった。箸の持ち方、箸ワークがなってない、ヤレ迷い箸だ、ヤレ手皿だとさんざん叩かれていた。なんでも、箸をきちんと持てない芸能人のブラックリストなるものがあって、箸を使うような番組にださないようになっているのだそうな。教育上よろしくないという認識で視聴者のクレームを想定した対策と思われるが、それだけの予防線を張っていながらなおかつこれほど多くの出演者のマナーが糾弾されているのだから、コトは深刻ととらえるべきだろう。
  • 知り合いにもいる。30代主婦。箸のあいだに中指を入れられない握っただけの持ち方、いわゆる正しいとされる持ち方ではない。自身、正常でないのはむろん承知している。だからといってそれで困ることはないというのだ。握り箸で罪に問われるわけでなし、モノの味もかわりはしない。つかんだりはさんだりの機能で劣ることはなく、恥をかくような場にでることもないのでそれも感じない。正しい持ち方の根拠をなす機能性と羞恥心が、ここではものの見事に抜け落ちている。
  • 彼女の場合、育った家庭は洋食が主で、ほとんど箸は必要なかった。学校にあがって弁当を持参するようになり、見よう見まねでおぼえて今の持ち方が身についてしまった。のちに先生や友達から直すようにいわれてもできなかった。多少そのことでイジメにあったが、我慢できないほどではなかった。
    クラスメートに強く矯正をせまるのがいた。その生徒は、箸に指をひもでくくられるほど厳しく親に叩き込まれた。それだけに彼女の持ち方が気になってしょうがない。正しく持てないとうまくモノがつかめないと機能面から説得にくる。ところが豆をつまむ競争をしても遜色がない。そんなばかな、弁当箸で短いからだと普通箸にするが、結果は同じ。友達は根拠を失った。逆に彼女は自信を持った。正常の持ち方の機能面での優位性はこれで破綻する。変だといわれようが、本人にとってはいちばん楽な形なのだ。まともに持てないのは不器用のせいとして、握り箸で本来の持ち方に対抗できるのは器用のなせる技、いったい彼女は器用なのか不器用なのか…。
  • さて、彼女のまわりにいる同年代の半分は、ちゃんとした箸の持ち方ができないらしい。会って一緒に食事するにもほとんど洋食。家であれ外であれナイフ・フォークの世界で、箸を使う機会は少ない。家族といくのはレストラン、よばれる結婚式は洋式と、箸の持ち方で冷たい視線にさらされる場面になかなか遭遇しない。羞恥心の持ちようがないというわけで、これも破綻。二大根拠は、行き場を失った。
    「みんなでやればこわくない」式に開き直っている風ではない。不都合も不自由もホントに感じていないのだ。それをどうのこうの、それこそ箸の上げ下げをあげつらうように文句をつけるのは、ナンダカ変に思われてきた…。(つづく)  (小笠原)

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