今週のレシピ |
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・ブライダルクラス(10月第1週)のメニューより● 栗ごはん ● 327kcal. 塩分1.7g
[材料] -6人分-
・栗 大12個 ・米 3合 ◎A 水 3.6カップ 塩 小さじ1 醤油 大さじ2 酒 大さじ2 砂糖 大さじ1 うまみ調味料 少々
[作り方]
- 栗は鬼皮・渋皮をむき、少なくとも3〜4時間水にさらしてアクをとり、1個を4〜6等分にする。
- 米は、炊く1時間位前にとぎ、水気を切る。
- 鍋に栗とAを入れ、火にかけ、煮立ったらアクを手早くとり、米を加え、強火で沸騰させる。
- 沸騰したら中火で7〜8分、水気が引いたら弱火で7〜8分、芯が切れていたら10秒強火にした後、冷たい台ふきんの上で5分、鍋底を冷やす。
- ボールにあけて、全体を混ぜる。
ポイントはここ ◎栗の準備
栗の形3種類 鬼皮をはがすように 渋皮を包丁でむく
- 栗は包丁で一つずつ皮をむきます。まず鬼皮を、はがすようにむきます。渋皮は、栗の形にあった包丁使い(ほうちょうづかい)でむきます。つまり、丸みのある側は中央から5回で、平らな側は周りをクルッとむき、中央の残った部分をあとでむきます。
- 栗はアクがありますので、少なくとも3時間、できれば時々水をかえて半日位、水にさらしてください。
- 大きい栗が入った「栗ごはん」はあこがれかもしれませんが、そのためには栗だけを先に煮ておかなければなりません。米が完全に炊き上がる時間では、栗はまだ丸のままで柔らかくなりません。栗も柔らかく、ごはんもおいしく炊き上げるには、栗を小さく切ってください(1個を4〜6等分位に)。
◎栗ごはんの炊き方(厚手の鍋で炊く場合)
栗のアクをとる といだ米を入れる 栗を上にだす
- 米は炊く1時間前にとぎ、ザルに上げ、充分水気を切り、同時に米にたっぷり水分を含ませます。
- 直径18cm深さ10cm位の厚手の鍋に、切った栗と水・調味料を加え、火にかけます。沸騰すると栗のアクが浮いてきますので、穴のあいた玉杓子ですくいとります。茶色がかった薄紫色のような泡が、次から次へと出てきます。10〜15回位で、アクの泡をとりのぞきます。いつまでもやっていると、水分が蒸発してしまいます。水分が足りないとおいしいごはんが炊けません。
- 米を加えたら、木杓子でよく混ぜて、栗が米の上に出てくるようにし、米の表面を平らにします。
- もう一度沸騰したら、沸騰が止まらない程度の中火にして、7〜8分おきます。これでほぼ水気がなくなります。さらに弱火にして、7〜8分おきます。今度は米の「芯」が切れます。指でごはん粒をつぶして、指に何もあたらなければ大丈夫です。最後に、いちばん強い火に「10秒」かけます。中に残った水分を、追い出してあげるのです。
- 冷たい台ふきんの上で、5分位鍋底を冷やします。鍋底に張りついたごはん粒が、きれいにとれます。鍋から直接ごはん茶碗に盛り付けず、かならずボールにあけて全体に混ぜてください。
- 全体に乾いたふきんをかけてあげると、焼き立てのアツアツのごはんからの蒸気を吸いとるので、ごはんがさっぱりします。
ちょっと一言
- 厚手の鍋がなかったり、ちょっと火加減に自信がない人は、炊飯器で炊いてみてください。その場合、次の順序を守ってください。
- 釜にといだ米をいれます。
- 別個に、鍋に水2カップと調味料を入れ、栗を加え、火にかけます。煮立ったら、手早くアクをとります。
- 栗をとりだし、汁だけを釜に入れ、米の量に相当する目盛りまで水を足します。
- 栗をくわえます。
- あとは木杓子でよくかき混ぜ、表面を平らにしてスイッチオン!
「筍御飯」(4月第4週)でも書きましたが、すべてを用意して1時間以上たっていたら、もう一度木杓子で全体をかき混ぜ、スイッチを入れてください。このことを忘れると、調味料が下に沈んで、下だけが茶色いごはんになりがちです。- 米の計量については、これも「筍御飯」を参照。
- 厚手の鍋で炊くときの水加減は、「筍御飯」「サンドライス」(8月第4週)より少し多くなっています。栗のアクとりで、火にかけながら出てくるのをとりますので、蒸発する分を計算に入れてあります。
≪組み合わせメニュー≫
◎茶碗蒸し
◎里芋のつや煮
◎ほうれん草の胡麻和え
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■行間を読む
- 本屋さんをのぞくと、料理関係の書籍の多さには驚くばかりです。大きい店でも小さい店でも、料理本の陳列棚のスペースの割合はそれほど変わらないように見受けます。大型店舗ほどその占める面積は広く、料理書コーナーだけでちょっとした書店が開けるほどです。これをみると、世の中の人は料理にとても関心があって熱心なんだな、と思ってしまいます。それは事実でしょう。ニーズがあるからこんなにもたくさんの本が出版されるのです。レシピが載った実用書もおびただしい数にのぼります。今回はそのレシピについて考えてみました。
- 材料、作り方を説明するのは容易ではありません。いくらでも長く、反対にいくらでも簡単に書けるからです。ですから、むずかしさは「書き方」にあるのではなく、「読み方」にあるといったほうが正解です。あるテレビでやっていましたが、4人にハンバーグのレシピをみせて作ってもらったところ、4通りのハンバーグができてしまいました。レシピは要点を簡潔に箇条書きにしたものだったのですが、それぞれ個々の解釈でちがってくるのです。材料からして、「合挽き肉」とありますが、牛肉と豚肉の割合がどのくらいなのか書かれていないと、1:1なのか7:3なのか、まずそれで味がちがってきます。「たまねぎのみじん切り」の、みじん切りはどの程度の大きさのみじん切りなのか。「食パンを牛乳に浸してしっとりさせる」とあるけれど、牛乳の量は明記していても、食パンの耳はとるのかつけたままか、丸ごとかある大きさにするのか、その時は包丁で切るのか手でちぎるのか、あるいはミキサーでパン粉のようにしてもいいのか。牛乳に浸したあと肉の中に入れるのに、そのままか絞るのか。絞るならギュッと絞るのか軽く絞るのか…(もう止しましょう)
- その番組では、作り方として書いてある文章の行間を読まなければいけない、と解説していました。たしかにそうなのですが、行間を読めるようなら苦労はありません。相当の腕前の人でしょうから。みなさん読めないから、たくさんの本が出回り、たくさんの人が買っているのです。そうかといって行間を埋めるべく、丁寧に説明したいあまり、こと細かく書いたとしたら、これもまた煩雑にすぎてしまいます。そんな料理書は、だれも読まないし買わないでしょう。
- 理解してもらえる文章の「適量」をどのくらいにするか、そこがポイントです。「初級用」「中級用」と本のタイトルに特記して、こちらから読者のレベルを限定するのも手です。この点で、我田引水になりますが、料理学校でテキストとして使われるのがいちばん有効ではないでしょうか。クラス分けしている生徒さんの、いわゆる副読本として作成しています。必要最小限、簡略にしてあるので、耳で聞き、目で見、手を動かして体得し、さらに行間は、必要に応じてメモをとることによって自分で埋めていくことができます。
- 私は直接お教えできないみなさんに、こうしてインターネットで毎週レシピをお届けしていますが、材料、作り方のほかに『ポイントはここ』『ちょっと一言』を設けることによって、少しでも行間を埋めようと書いています。レベルを限定しないで初心者の方、ベテランの方、料理があまりお好きでない方々にも興味をもって読んでいただけるようこの『塩ひとつまみ』も用意したつもりです。今後ともご愛読のほど、よろしくお願いいたします。
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