今 週 の レ シ ピ |
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◇忙しい年の瀬に、電子レンジを使ったスピードメニューはいかがですか。●チキンサラダ 159kcal. 塩分0.9g
[材料] -4人分-
・鶏胸肉 100g ◎下味 塩 小さじ1/4 胡椒(こしょう) 少々 ◎香味野菜 人参(にんじん)、玉葱(たまねぎ) パセリの葉、セロリの茎 ・白ワイン 大さじ2 ・レタス 4枚 ・トマト 1個 ・クレソン 少々 ・玉葱の輪切り 少々 ◎フレンチソース サラダ油 大さじ3 酢 大さじ2 塩 小さじ1/2 胡椒 少々
[作り方]
- 鶏胸肉は、大きくそぎ切りにし、下味をつけ、10分位おく。
- 電子レンジに使える平らな器に、香味野菜をしき、その上に鶏肉をのせる。
- 白ワインをふり、ラップを全体にかけ、電子レンジに3分かける。
- ラップをしたまま自然に冷やし、手で細く裂く。
- サラダ鉢にレタス、トマト、クレソン、玉葱の輪切りといっしょに4の鶏肉を盛る。
- フレンチソースを添える。
ポイントはここ
- 鶏胸肉は厚いところ、薄いところがありますが、おなじようにマイクロ波がかかるように、厚みをそろえて大きくそぎ切りにしてください。
- 鶏肉を、重ねないでならべられる平皿(ひらざら)で、電子レンジに使えるものを用意してください。
香味野菜の人参(にんじん)・玉葱(たまねぎ)の薄切り、パセリの茎、セロリの葉などをまず皿におき、その上に下味付けをした鶏肉をのせます。白ワインをかけ、きっちりとラップをかけ、中の空気が抜けないようにします。- 500Wの電子レンジの場合、3分かけてください。
- 電子レンジから出したら、ラップをはずさずそのままにしておいてください。すぐはずしますと、蒸気で熱い思いをしますから。
重ねないでならべる 冷めてからラップをはずす
- 熱が抜けたら、手で細く裂いてください。
- お好みの野菜を組み合わせて、「チキンサラダ」に仕上げます。
ちょっと一言
- 香味野菜を葱(ねぎ)と生姜(しょうが)にかえ、酒をかけて電子レンジにかけますと、中国風の料理にも使えます。春雨と胡瓜(きゅうり)に組み合わせ、ちょっと辛子のきいた中華風のかけ汁(拌三糸の「かけ汁」参照)で召し上がってください。
- 鶏胸肉は、1枚(200〜250g)をそのまま「蒸し鶏」にしたい場合は、鍋を使ってください。(「ピンパン」参照)。
電子レンジですと、厚いところが蒸しあがる頃は、細く薄い部分が乾いた状態になりやすいです。【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■メリケン粉レシピについて、もう一言。(先週「大事と大切」、112回「カキではわからない」、111回「お見事ワンタン」を参照)
材料名のなかで、以前に使っていたことばがなくなっているものがあります。材料そのものが消えてしまったのではありません。別のことばに置き替えられたのです。「メリケン粉」がそれです。知られているように、日本には昔から小麦粉がありました。うどん粉=地粉(じごな)です。これに対し、明治期にビスケットやパンの材料としてアメリカから入ってきたのが「メリケン粉」。日本の地粉と区別して、アメリカ産の小麦粉というので「メリケン粉」というわけです。
当学園では、前園長の時代から「小麦粉」の総称として「メリケン粉」を使用してきました。現在は用途によって言い分けています。地粉は名物「ほうとう」を作るとき、あとはご存知のように、強力粉(餃子の皮、ピザの皮、パン)、中力粉(フランスパンなど)、薄力粉(お菓子全般)です。テキストのなかに「メリケン粉」のことばはのこし、それが小麦粉であること、使い道によって強・中・弱のいずれであるかを説明しています。
言うまでもありませんが、「メリケン」は、「アメリカン」からきています。明治の人が、耳から聞こえた音を忠実に言い表したものでしょう。おなじように、流行歌にもなった神戸の「メリケン波止場」があります。(こちらは今もあるのかどうか分かりませんが)
「馬鈴薯(ばれいしょ)」はどうでしょうか。これも生徒さんにはハテナ?です。こっちは少ないですが、消えていません。産地北海道ではケースなどにも「馬鈴薯」の文字が入って、りっぱに現役です。といっても若い人は、じゃがいも、ポテトがしっくりくるようです。自然薯(じねんじょ)も古風な言い方で似たようですが、これは数ある芋の一種で厳として存在しますから、消すわけにはいきません。
余談ですが、毎週、教室の白板にするレシピの板書は主人の役目です。このあいだ、「馬齢薯」と書き間違うことがありました。自分で気がついて苦笑していましたが、音の読みから、無意識に連想したのでしょう。そんな年齢になったということです。
ついでに言いますと、その主人がイタク憤慨することがありました。ズボンを新調したときです。それを見た生徒さんたちに、いい色ですねと、ホメられたのに気をよくしてか、つい言ってしまいました。
"コールテンなんだよ。この肌触りが好きでネ"
"コーデュロイですね"
"いや、コールテンだよ"
"ですから、コーデュロイ"
まったく噛み合いません。気の毒に、コールテンがコーデュロイとも言われるのを主人は知りませんでした。あとで私に、それをなんと言うのか正確に教えてくれと訊いたまではよかったのですが、そのうちに怒りだしました。彼女たちが、ズボンのことをパンツと呼んだからだというのです。最初に彼女たちは、こう言ったのです。
"そのパンツ、いい色ですね"なんということを…。それに、どうして見もしないで分かるのか。そう思ったそうです。でも、ズボンのことをパンツと呼ばれだしたのは知っているらしく、咄嗟に理解したようですが、これにかぶせてコールテンをコーデュロイと言い直されダブルパンチを食らったのです。
"コールテンは百歩ゆずっても、パンツは絶対ゆるせない"
こう息巻きます。
"じゃ、いったいもとのパンツはなんと呼ぶんだ"。
私の知ったことじゃありませんよ、とこちらは取り合わないのですが、情報として持っていても、いざ面と向かってパンツと言われて相当に動揺したみたいです。ほかに、「ハス」は「蓮根」。「山椒の葉」のことを「木の芽」と呼んだりして、別名や言い替えの例はいくつかあります。戸惑いはあっても、混乱するというほどのことはないにしても、使用と表記を統一したほうがよさそうに思われますが、どうでしょう。
この国では、レシピにかぎらず和語と漢語の二重構造は昔からです。情報化時代の今は、さらに外国語がこれに加わっていよいよ複雑になっています。どこの国のことばかも分からず、「怪奇」にさえなっています。おなじ意味の日本語があるのに、無理して外来語を使っているフシがあります。さきごろ国立国語研究所から、外来語の日本語への言い替えの例が二度にわたって発表されました。いい傾向だと思います。
レシピの場合、外国から入ってくる料理や食材は、もともと日本にはないものですから、そっくり受け入れるしかなさそうです、メリケン粉のように。ただし、ことばよりなにより、まずそれらの素材から作られる料理が、日本人の舌に合うかどうかが先になります。
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