今 週 の レ シ ピ |
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・山梨の新郷土料理●煮貝の甲州じめ ふく酢添え
[材料] - 4人分 -
・煮貝 小1個 ・キュウリ 2本 塩 少々 ・ハス 小1/2節(100g) 酢 少々 ◎甘酢 少々 酢 大さじ2 砂糖 大さじ1 塩 少々 ≪ふく酢≫ 白胡麻 大さじ1 マヨネーズ 大さじ3 酢 小さじ1 砂糖 少々 醤油(しょうゆ) 小さじ1 塩 少々
[作り方]
- 煮貝は、厚さ3mmくらいの薄切りにする。
- キュウリは板ずりをして、薄い小口切りにし、塩少々をふりかけてしんなりさせ、水気を切る。
- ハスは皮をむいて薄切りにし、酢を加え、熱湯でサッと茹(ゆ)で、甘酢に漬ける。
- 一辺が10cmの正方形で高さ3.5cmの押し枠(わく)に、1/2量のキュウリと酢バス、煮貝、残りの酢バス、キュウリの順序に、それぞれ平らになるように詰め、押しぶたをのせ、上に重石(おもし)をして、2時間おく。
- よくすった胡麻にマヨネーズを混ぜ、調味料を加えて、好みの「ふく酢」を作る。
- 押し枠をはずして8切れに切り、皿に1人2切れずつ盛り、ふく酢をかけてすすめる。
ポイントはここ
- キュウリの水気を充分とっておくと、仕上がりの切り口がくずれません。
キュウリの小口切り 水気を充分に切る
- 煮貝、キュウリ、ハスを厚さをそろえて切っておくと、切り口の模様が美しく仕上がります。
用意したキュウリとハスは2等分にします。押し枠にキュウリの半量(1)、ハスの半量(2)、煮貝(3)、さらにハスの半量(4)、キュウリの半量(5)と詰めていきます。 全部詰め終わると、枠いっぱいになると思います。
(1) (2) (3) (4) (5)
- 押し枠に入れて、2時間以上重石をかけます(1)(時間があれば、5〜6時間おくと、切り口のくずれは心配ありません)。重石をのせると、キュウリからの水分が少しですが出てきます。まな板の下に、水分を受け止められるように器(うつわ)を用意してください。または、出てきた水分を流しの中に落ちるように工夫してみてください。
押し枠のふたがふちから7〜8mm下がったら、重石をはずし(2)、ふたに親指をかけて(3)枠をはずします(4)。
ここで使っている重石は、洋菓子のパイ生地を焼くときに使う「真鍮(しんちゅう)」のつぶを袋に入れました。全部で1kgくらいです。
(1) (2) (3) (4)
- 写真のように先ず2等分に切り、長方形になるようにさらに4つに切ります。
切り口を上に向けて、盛り付けます。
2等分、さらに4等分 縞模様の切り口を上に
- 「ふく酢」の味は一つの例です。胡麻、マヨネーズ、その他の調味料は好みで調節してください。
ちょっと一言
- 「煮貝」は、「あわび」を醤油などで煮て作る甲府名物です。海のない山梨県で、なぜ「あわび」の煮物が名物になったのかといいますと…
昔は新鮮な海の幸はほとんど手に入らず、伊豆、沼津方面から塩漬けにして運んでいました。
ある日、「あわび」を醤油樽に入れ、馬の背につけて運びました。峠をゆらゆらゆられて甲府に着いた頃、あわびがとてもおいしくなっていました。これにヒントを得て、今では甲府で醤油などを使って煮ることになったのです。- 「甲州じめ」は、母(前園長)が考案しました。日本料理で、横縞模様(よこじまもよう)の料理が「博多じめ」と呼ばれているところから、煮貝を使っているので「甲州じめ」と名付けたわけです。また、「ふく酢」にも母の思い出があります。(「マヨラー」をお読みください)
押し枠も母の考案です。「春の花ずし」「西洋ずし」に使ったものです。もし、「押しずし」の型をお持ちでしたら、お使いください。多分、長方形だと思います。盛り付けの切り方を工夫してください。- 「煮貝」は特殊な材料ですから、アジやサバの酢じめを代わりに使ってみてください。
- ハスの代わりに柿や干し柿の薄切りを使うと、彩りが変わってきれいな縞(しま)になります。
- 添えるタレは、「ふく酢」のほかに「黄味酢」「酢味噌」など、工夫してみてください。
塩 ひ と つ ま み |
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■青い水高校時代、仲のよかった友だちから帰省したとの連絡が入り、会ってきました。彼女は、大学で被服学を教えています。お互い近況を披露したあと、話題が「食育」に移りました。と、こちらの話を聞くももどかしそうに、“服もおなじこと。わたしも「飾育」を言いたいのよ”と、衣服の先生は身を乗り出して話し始めました。
――教室にくる学生はほとんどがジーンズ、これが問題なのよ。あのゴワゴワした素材からいって、座ったとき、股を開いていないと楽にならないでしょ。年中それを履いているもんだから、その姿勢に慣れてしまって、スカートを履いたときもシゼンと両の股の間があいてしまう。だらしないといったらないの。そうでなくても日本人はオー脚が多いって言われているのにね。
最近の女性の着こなしはなっていない、と彼女は嘆くのです。
――テレビのアナウンサーやキャスター、とくに民放の若い娘(こ)がひどいわね。いまの時期にノースリーブで、しかも首に毛皮のフワフワなんか巻いて出てることがある。スタジオが暑いっていうのはわかるわ。でも、いまは冬なのよ。寒さを助長するような格好はよしなさい。見ているたくさんの人たちのことを考えなさい。テレビは公共の場よ。季節にふさわしいものを身に着けて、視聴者に不快な気持ちにさせないように心がけなさい。そう言いたいの。
分と場をわきまえない人は、トップレディークラスにもいるといいます。某女性大臣の就任式のいでたちが俎上にのりました。
――ブルーのロングドレスだった、それも提灯(ちょうちん)みたいにふくらんで、まるでお人形さん。あれじゃ、大臣になったダンナに付いていく奥さんの服装よ。本人自身が大臣職であることを忘れているわ。それに、あのシャンデリアもいただけない。(耳にぶら下がった、ゆらゆら揺れる大きなイヤリングのことをそう言うそうです)
いちいちごもっとも。場をわきまえないことでは、わたしにも経験があります。ある料理コンテストの審査でした。書類審査で通った10人が、実技にあつまりました。若い女性が対象とはいうものの、10人中9人がジーパン姿です。なかには膝あたりが大きく破れたり、穴があいていたりしています(これもひとつのファッションで、1本3万円、4万円もするのもあるとか)。
コンテストでは、全国大会へむけて県代表が選出されます。ということは、県の関係機関の上級職員も数名審査に加わっています。参加者は、その人たちが見守る中で実技を行います。結果、入賞者は表彰式にのぞみ、その様子がテレビや新聞にも報道されます。そうしたセレモニーがあることは、事前に参加者たちにも通知がいって伝わっているのです。
実技をするのですから、正装というわけにはいきません。それにしても、ジーンズはいただけない。一応は、表彰式を想定した服装をしてきてほしかった。いくらなんでも、その場にふさわしい服装というものがあるでしょうに。
友だちの嘆きは続きます。
――最近の若いお母さんたち、赤ん坊のおむつをそのまま出しっぱなしにしてるでしょ。あれもおかしい。昔はおむつカバーをするか、さらにその上にパンツかなにかを穿かせたものよ。ぜったい、おしめそのままの格好にはしておかなかった。それが、たしなみだった。いま紙おむつになって、だれもそんなことはしていない。むきだしのまんま。テレビコマーシャルの影響よ。メーカーの思うつぼだわ。みんなそれでいいと思ってる。ハシタナイったらありゃしない。
うーん、スルドイ。たしかに、「たしなみ」も「ハシタナイ」もとうに死語になったみたいです。テレビの影響力はすごいと言わざるをえません。というより、オソロシイ。聞くところによれば、紙おむつの宣伝で、おしっこに見立てた青い水をみた若いお母さんが、“うちの子のおしっこはあんなに青くない、おかしい”と、お医者さんに相談にいったというのですから信じられません。
こんなご時世ですから、想像するのもおぞましいですが、このまま超高齢社会へと突き進んでいって、おむつ丸出しのお年寄りが当たり前などというハレンチな(これも死語のようです)風潮が、まちがっても来ることはないでしょうね。でも、だれが断言できます?
なにが常識かそうでないか、だんだん見極めるのがむずかしくなりそうな雲行きです。そんな中、“「食育」とならんで、「飾育」も必要よ”と叫ばずにはいられない友だちの思いは、わたしにもわかります。
【野口料理学園】
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