今週のレシピ |
---|
[特集] 味の基本を大切に毎日毎日、三度の食事作り。ついつい「手抜き」をしたくもなるでしょうが…一つ手抜きをすると、おいしさは半減する気がします。だから、ちゃんと手をかけていくと、逆においしさは倍々となっていくことまちがいなし! まず、「味の基本」の大切さを「家庭料理」の中で考え、毎日の食卓を充実したものにしましょう。
=味の基本を大切に= (4回シリーズ)
1.すべてにバランスを (3月掲載)
2.切り方に味がある (5月掲載)
3.下味付けが決め手
4.洋酒の効用 (10月掲載)
3.下味付けが決め手
蒸す、炒める、焼く、煮るなどの調理の前に、材料の特徴を知って、そのうま味を引き出すように味付けすることを「下味付け」といいます。
家族のために、よりおいしい料理を作ろうという気持ちで、ちょっとの手間を惜しまずに下味付けをする。これが「わが家の味」作りの第一歩です。★ 下味付けT 塊の肉類を酒蒸しする場合
鶏のささみや胸肉、豚のモモ肉、三枚肉などを塊のまま酒蒸しにする場合、まず肉の重さの1〜1.5%位の塩をよくすり込みます。10〜15分位おいて、下味の塩が肉になじんでから酒をかけて蒸してください。
● 五色の細切り 辛味ソースあえ ● 113.3kcal. 塩分2.7g(辛味ソースを全部食べた場合)
[材料] -4人分-
[作り方]
・鶏ささみ 2本(100g) ◎下味A 塩 小さじ1/3 胡椒 少々 うま味調味料 少々 ・酒 大さじ1 ・ロースハム 3枚(50g) ・きゅうり 1/2本(50g) ・もやし 100g ・キクラゲ 小5〜6枚 ◎下味B 塩 小さじ1/2 ごま油 小さじ1 うま味調味料 少々 ◎辛味ソース 醤油 大さじ2 砂糖 大さじ1/2 酢 大さじ1 ラー油 大さじ1 蒸し汁 大さじ1 芝麻醤(チーマアジャン) 大さじ1 ◎付け合わせ トマト、サニーレタス、きゅうり等
- 鶏ささみは筋をとり、下味Aをまぶし、10分位おいて酒をかけ、蒸し煮にする。冷めてから、手で細く裂く。
- ロースハムはせん切りにする。
- きゅうりは板ずりし、7〜8a長さの斜めの薄切りにしてから、せん切りにする。
- もやしは熱湯でサッと茹で、自然に冷ます。
- キクラゲは水で充分もどし、細く切る。
- ボウルに1〜5を入れ、下味Bをまぶす。
- トマト、サニーレタス、きゅうり等を皿の回りに飾り、中央に6を盛る。
- 辛味ソースを作り、添える。
★ 下味付けU 材料を炒める場合
肉類・魚類・エビ・イカ・貝類などを炒めるとき、下味をつけることがおいしく料理を仕上げるポイントです。
淡白な材料を白く仕上げたいときは、塩・酒・生姜汁などがよいでしょう。
クセの強い材料で仕上げの色が気にならないときは、塩・酒・生姜汁のほかに、醤油・ニンニク・葱(ねぎ)が使えます。
無駄なく下味をつけるには、材料をボウルに入れ、下味用の調味料を一つずつ手でもみこんでください。卵白・片栗粉などは、下味の調味料を逃がさないように材料に膜を作るので、下味が充分材料にまわってから加えて、よく混ぜてください。
ちょっと一言
● イカのミルク炒め ● 173kcal. 塩分1.3g
- 下味付けを充分生かすコツが「油通し」です。130℃位の油で材料に火を通す料理法で、材料に含まれる水分や味を逃がさず、形も崩さず、料理が美しく仕上がります。
[材料] -4人分-
[作り方]
・イカの胴 1尾分(200g) ◎下味 酒 小さじ2 塩 小さじ1/4 胡椒 少々 ・片栗粉 小さじ2 ◎A ズッキーニ 1本(100g) マッシュルーム 大4個(60g) さやえんどう 12枚(30g) ・油通し用油 2カップ ◎B 日本葱 長さ10a位(20g) 生姜 1かけ(10g) ◎合わせ調味料 水 大さじ1 牛乳 大さじ3 酒 大さじ1 砂糖 小さじ1 塩 小さじ1/2 胡椒 少々 うま味調味料 少々 片栗粉 小さじ1 ・炒め用油 大さじ2
- イカの胴は皮をむき、表側に格子状に切れ目を入れ、4a角に切り、ボウルに入れる。下味の調味料を加えてよく混ぜたあと、片栗粉をまぶす。
- ズッキーニは縦じまに皮をむき、1aの厚さの輪切りにする。マッシュルームは2つ割にし、かさの2/3の深さまで切れ目を入れる。さやえんどうは、筋をとる。
- 日本葱は1a位のぶつ切り、生姜は薄切りにする。
- 合わせ調味料を作る。
- イカとAを約130℃に熱した油で、油通しする。
- 中華鍋に炒め用油を熱し、Bを炒め、5の材料を加えてさらに炒め、4を加えて手早く混ぜ合わせて仕上げる。
★ 下味付けV 豚レバーを焼く場合
「レバー」は色、形、感触などから敬遠されがちですが、栄養的に優れた食材ですから、おいしく料理する方法をマスターしてください。
● 豚レバー焼き ● 238.8kcal. 塩分1.3g(血抜きの塩と下味の醤油を除く)
- 血抜きをして、臭みをとること。(方法は[作り方]を参照)
- 切り方は、厚さ1a位までにし、3〜4a角位にすると中心までよく火が通ります。
- 調味料につけ込むのは下味付けだけでなく、臭みをとるためでもあります。10〜15分つけ込んだら、ザルに入れて充分汁気を切りましょう。
- 油で小麦粉をつけて焼くと、とても香ばしく、臭みをおさえてくれます。
- 炒めると香りが良いものや強いものを添えることも、おいしく食べるコツの一つです。ニラ・ピーマンのほかに日本葱・ベーコンなどもおいしいです。
[材料] -4人分-
[作り方]
・豚レバー 塊で300g ・塩 小さじ1 ◎下味 酒 大さじ1 醤油 大さじ1 生姜汁 小さじ2 ・小麦粉 大さじ4 ・ニンニク 1片 ・唐辛子 1本 ◎味付け用調味料 酒 大さじ1 醤油 大さじ1 塩 少々 うま味調味料 少々 ごま油 小さじ1 ・焼き用油 大さじ3 ◎付け合わせ ニラ 1束(100g) ピーマン 4〜5個(100g) ・炒め用油 大さじ1 ・塩 小さじ1/2
- 豚レバーは塊のまま塩をすり込み、20〜30分間冷水につけて血抜きをする。4a角で厚さ1a位に切り、ボウルに入れ、下味の調味料と生姜汁を加えてよく混ぜ、10〜15分おく。
- ニンニクはみじん切り、唐辛子は種をとり、輪切りにする。
- ニラは5aの長さに切る。ピーマンは種をとり、7〜8_のせん切りにする。中華鍋に炒め用油を熱して炒め、塩で調味し、皿に盛る。
- レバーはザルに入れて汁気を充分に切り、一つずつ丁寧に小麦粉をまぶす。
- 3の鍋に焼き用油を熱し、2を炒め、レバーを一つずつ丁寧に焼き、味付け用調味料を加える。レバーに調味料がからまったら、3の野菜の上に盛り付ける。
★ 下味付けW すり身や挽き肉でだんごを作る場合
魚のすり身や、豚・牛・鶏肉の挽き肉などでだんごを作るときは、柔らかくふっくら仕上がるように「水」が大切な調味料となります。[材料]の分量は、一つの目安です。魚や肉類の様子を見ながら加減します。
すり身・挽き肉をボウルに入れて調味するとき、必ず手で混ぜましょう。指先で混ざり具合、全体の硬さをしることが、おいしいだんごを作る大切なポイントです。
ちょっと一言
● 魚だんごのスープ ● 43.2kcal. 塩分1.9g
- スープの中に加える日本葱・生姜などの香味野菜は、スープの下味付けといってよいでしょう。1種類だけの香味野菜では、香りがきつくなりがちです。何種類かを組み合わせることが大切です。
[材料] -4人分-
[作り方]
・白身魚(タラ・カレイ・イシモチなど) 1切れ(100g) ・エビ 5尾(50g) ・水 大さじ1 ◎下味A 塩 小さじ1/3 酒 小さじ1 ・卵白 1/2個分 ・片栗粉 大さじ1〜2 ・ほうれん草 1/3束分 ◎B 水 4カップ 粉末中華だしの素 大さじ1 ◎C 日本葱 斜め切り1本分 生姜 薄切り2〜3枚 塩 小さじ1 酒 大さじ1
- 魚の皮と骨・エビの背わた・殻をのぞき、まな板の上で包丁の刃でたたく。水を少しずつ加えながら、さらにたたいて滑らかなすり身を作る。
- 1をボウルに入れ、下味Aで味付けし、手で混ぜながら卵白を混ぜ、さいごに片栗粉で硬さを調節する。
- 鍋にBを入れて煮立て、2を大さじ1杯位ずつのだんごに丸めて入れ、浮き上がったらアクを抜く。
- 3にCを加え、スープに香りと味付けをする。
- 茹でて5〜6a長さに切ったほうれん草を4に加えて仕上げる。
【野口料理学園】
塩ひとつまみ ■夏休みデス
- 車を運転中、たまたまラジオを聞いていました。「夏休み、子供(小学生)にとっていちばん気にかかることは?」そんな質問です。宿題かな、旅行かな・・・何だと思いますか。予想もしなかった答えです。それは、「給食が食べられないこと」。みんなでおいしいものを楽しく食べられないから、なのだそうです。ウーンと、うなってしまいました。 長い休み中、友達同士、一緒に○○ことができないから淋しい、つまらない。その気持ちはわかります。でも○○の中に入るのが、「遊ぶ」でも「勉強する」でもなく、「食べる」なのです。それも、「おいしいもの」を「楽しく」なのです。聞き捨てにはできませんでした。
- 少子化の時代ですから、家庭で子供同士賑やかにというわけにはいかないでしょうが、家庭は家庭なりに一家団欒で食事する楽しみがあってしかるべきです。それがない、と今の子供達は感じているのでしょう。願望の裏がえし。ふだん、これとは反対のことが行なわれているという発信です。つまり家で食事する時は、家族そろってではなく一人か別々に、まずいものを、つまらなそうに食べている、というわけです。
- 「個食」「孤食」化が進んでいるのでしょう。今どき、お父さんが家族と夕食をともにする家庭は恵まれているといえます。子供のほうも負けずに忙しいため、塾から帰って食べる場合が多い。食事を用意するお母さんが、面倒だからと出来合いですましたり、一緒に食べてもくれないとしたら、おいしいものもおいしくなく、楽しいはずはありません。子供同士でなくても、家族だってそろって食卓についたら、賑やかに楽しくかつおいしく食事はできると思うのですが…。この回答を、お母さんたちはなんと聞くでしょう。給食がおいしくなったのか、お母さんの料理の腕が落ちたのかその辺は定かではありませんが、両者の差はいっこうに縮まらないようです。
- 私の娘の場合をいいますと、小学校の給食はおおむね気に入っていました。数校分をセンターでまとめて作って配送するという方式ではなく、自校で作った出来立ての温かいものを食べられたのがよかったようです。娘も学校で友達と給食を食べるのが大好きでした。栄養のバランスも考えてくれていますから、給食をしっかり食べている限り、健康体でいられます。
- それが、長い休みに入った途端、子供達がいちばん気にかけているように、給食が食べられず家庭でちゃんとした食事ができないとしたらコトです。楽しくないだけではありません。暑いからと、冷たいそば、そうめんばかりで軽くすましたり、ジュース・アイスクリーム類を取りすぎたり、外食だけに頼ってしまうと栄養のバランスを欠いて体調をくずす心配が出てきます。子供が家にいる時間の多いこの期間、むしろ、できるだけ家族が一緒に食事する機会を積極的に持ちたいものです。面倒くさがらず、つとめて自分で作ってみんなと食卓を囲む。このことを心がけ、一家団欒の食事の楽しさを再認識してください。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板 ichiban@kateiryouri.com
ホーム | | | 月別レシピ | | | ジャンル別レシピ | | | これまでのジュニア | | | 学園案内 | | | ケーキ屋さん | | | 掲示板 |
---|