今 週 の レ シ ピ |
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当学園は、今週(10月27日〜11月1日)は5週目調整のため休講となります。[特集] 備えあれば
毎日の食事の献立を、買い物しながら考えていませんか。せめて3日分、できれば1週間分の献立を立てたなら、計画的にまとめ買いができ、買い物に費やす無駄な時間を料理に役立てることができます。乾物類、冷凍食品、缶詰は、備えておくことで献立の内容が豊かになります。=4回シリーズ=
1.乾物…賞味期限に気をつけて
2.冷凍食品…温度管理を大切に
3.冷凍食品…ホームフリージング
4.缶詰…中身を全部たいせつに4.缶詰…中身を全部たいせつに
■缶詰の特徴・・・
缶詰は加工した食品を缶に詰めて完全に密閉し、さらに加熱殺菌したものですので、常温で長期保存ができます。そのうえ、経済性や衛生面、栄養価の点でも非常に優れた食品で、いつでもどこでも手軽に利用できる便利さを兼ね備えています。
缶詰の原理は、1804年フランス人が瓶詰めを考え出し、1810年イギリス人がブリキ缶を発明しました。1821年にはアメリカに渡り、製造が本格化しました。130年前にイギリスで作られた缶詰が、今でも十分に食べられるという試食結果が出ており、缶詰の保存性の高さをものがたっています。
■缶詰の栄養・・・
製造中に加熱殺菌されるので、栄養分が失われていると考えがちですが、今では製造中の栄養分のロスをできるだけ少なくするように研究されています。特にたんぱく質、脂肪、糖質などは、工程中の加熱により、人体に吸収されやすい状態になっています。
●シーフードチャウダー(缶詰を使って)
[材料] -4人分-
[作り方]
・アサリ(水煮缶) 50g(一缶) ・ホタテ(水煮缶) 60g(一缶) ・ベーコンの薄切り 2枚 ◎A タマネギ 1/2個(100g) ジャガイモ 1個(100g) ニンジン 1/4本(50g) ・バター 大さじ2 ・小麦粉 大さじ2 ・水 2カップ ・アサリ、ホタテの汁 1/2カップ ・ローリエ 1枚 ・牛乳 1カップ ◎B 塩 小さじ2/3 胡椒(こしょう) 少々 ・パセリのみじん切り 適量
- アサリとホタテの水煮缶はザルにあけ、固形分と汁を分ける。
- ベーコンは1cm幅に切る。Aの野菜は1a角に切る。
- 厚手の鍋にバターを溶かし、ベーコンを炒める。
- さらに、タマネギを色付けないように充分炒め、ジャガイモとニンジンを加えて軽く炒める。
- 火からおろし、小麦粉を振り入れてよく混ぜる。弱火にかけ、鍋底に膜が張るまでゆっくりと炒める。
- 水と缶の汁を加え、鍋底の膜を木杓子(きじゃくし)でよくとる。ローリエを入れて、野菜がやわらかくなるで煮る。
- 牛乳、アサリとホタテの水煮を加え、Bで調味して仕上げる。
- スープ皿に盛り、パセリのみじん切りを散らす。
ポイントはここ
- 「コーンチャウダー」のコーンのかわりに、シーフードのアサリ、ホタテ貝柱の缶詰を固形分だけでなく、汁も全部使って作ります。汁には、貝類のうま味もありますので、無駄なく使ってください。
- タマネギや小麦粉を炒めるときは、よく火を通すのは大切ですが、色がつかないように気をつけてください。
粉を加える ていねいに混ぜる 鍋底にうすい膜
- 水煮缶の汁を煮込みに使います。固型分は牛乳といっしょに後から加え、煮過ぎないように気をつけましょう。
水煮缶の汁を加える 固型分は仕上げに加える
- 細かいポイントは、「コーンチャウダー」の『ポイントはここ』を参照してください。
ちょっと一言
- 水煮缶のほかに、サラダ油漬けの缶詰もあります。サラダ油は捨てずに、サラダのドレッシング(「ツナサラダ」参照)や炒め用に使ってみてください。
フライパンにツナ缶の油を入れ、ピーマンのせん切りを炒め、しんなりしたらツナを加えて、塩・胡椒で調味。娘のお弁当の一品です。
缶の油を入れる ツナとピーマンの炒め物
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■聞くに聞けない立場が変わると、見えなかったものが見えてくることがあります。
食生活栄養改善推進委員会主催の料理講習会に、受講者の1人として出席させてもらいました。対象は65歳以上の女性(私の場合、例外?として受講、念のため!)で、30人近くが集まりました。場所は、地区の公民館です。私もよく外の講習会を持つ機会があります。デパート、スーパー、電力会社、民宿などの商業施設でも行ないます(個人宅はまずありません)が、公民館、婦人(女性)会館、教育会館、学校など公的な施設がほとんどです。甲府市内、山梨県内のほか、隣県へ出張することもあります。
教える側としていろいろ気を使うなかで、やはり会場の設備へのそれがいちばんです。出張講習ですから、材料をはじめ道具や食器を持参します。器具も、たとえば電子レンジなら、数台必要なときは持っていくことがあります。
はじめての場所の場合、かならず下見をすることにしています。あらかじめ電話で打ち合わせをしますが、性分でしょうか、事前に現場をこの目で確かめないことには落ち着きません。県外の場合はそれができませんから、嫌がられるのを承知で事細かに聞いてしまいます。
肝心なのは、「火」です。ガスの火が強いかどうかをまっさきに確認します。もちろん強火だけではなく、中火、弱火もなくてはなりません。中華料理では、強火が鍵になります。場所によってはガス台がなく、ハロゲンヒーターや電磁調理器に限られることもあります。使用したことのある会場でも、当然のこと、メニューによって用意するものが違ってきますから、そのつど器具や道具、食器の確認は欠かせません。
火加減とならんで、確かめておきたいものがあります。ところがそれを直截に聞くわけにいきません。なんだと思います?――包丁の切れ味。"お宅の包丁よく切れますか?"とは、いくらなんでも気が引けて聞けません。相手の怠慢を糾弾することにもなって、失礼にあたります。相応の事情もあることですから。(「切れない包丁」参照)
でも包丁の切れがよくないと、授業の流れのブレーキになります。切れるにこしたことはありません。切れがよいと、先へ先へと進んで授業に弾みがつきます。学ぶ方はもちろん、教える側もとても気持ちがよいものです。そんな会場では包丁ひとつにとどまらず、調理室全体がきちんと管理が行き届いていることを窺わせます。
聞けないことがもうひとつあります。これも想像つくでしょうか? "床、滑りませんか?"――そうです、床の状態です。たいしたことがないようで、たいへん重大なことです。
公的施設の調理室の多くは、衛生上、スリッパに履き替えるのが常です。それはよいとして、問題は床。Pタイルの床はとくに滑りやすく、水などこぼすと簡単に滑ってしまいます。今回の講習会のように年配者にとっては、若い人に比べてバランスをくずしやすく、危険このうえもありません。そばにモップを用意して、濡れたり湿ったらすぐに、それも丁寧にふき取らないと、とんでもない事故につながります。バレーボールの大会でよく見る、選手が汗で滑らないように、すかさず床を拭いてくれる専従の係員を置きたいぐらいです。
といって、これも面と向かって聞くわけにはいきません。建物の構造にケチをつけることになります。ダイソレタことです。言ってもはじまりません。でも足元が気になると集中力を欠き、動作が鈍り、フットワークが悪くなってこれもまた授業がスムーズに進まないことは確かです。
床もそうですが、これまで方々の施設を利用してきた経験から言わせていただくと、残念ながら、総じて調理室の使い勝手の悪さが目に付きます。ガス・水道・電気のコンセント・棚・照明・換気扇などの位置と配置で、ひと工夫もふた工夫も欲しいところがすくなくありません。そうした不備や不便さは、もとをたどれば、計画・設計の段階で解消されることです。
私の見るところ、設計・施工の業者にすべてを一任していることに原因の一端があるのではないでしょうか。専門家といっても、食堂やレストランの厨房とはちがいます。家庭料理の講習を想定したものであるなら、その実際の利用者である女性の意見・助言を求めてしかるべきです。
ついでに言いますと、包丁も、砥ぐよりなにより、まず切れる包丁をそろえるのが先決です。鍋ひとつとっても、ガス台に見合うサイズや熱に即した厚手のものがなかったり、食器においては不釣合いに豪華な器や、クセがありすぎて多様性がないものなどチグハグさが目立ちます。
遅くはありません。これから公的な料理実習室を作ろうというときは、こうした点をふまえて、ぜひ女性(現役の利用者)をメンバーに加えて相談にのらせてください。
§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板 ichiban@kateiryouri.com
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