今 週 の レ シ ピ |
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・専攻科のメニューより●エビとインゲンの炒め物 119kcal. 塩分1.4g
[材料] -4人分-
・エビ 12尾 ◎A 生姜汁(しょうがじる) 小さじ1 酒 小さじ2 塩 小さじ1/2 卵白 1個分 片栗粉(かたくりこ) 大さじ1 揚げ油 適宜 ・インゲン 150g 炒め油 小さじ2 ◎B 塩 小さじ1 熱湯 1カップ ・日本葱(にほんねぎ) 10cm ・炒め油 大さじ1 ◎C 酒 大さじ1 砂糖 小さじ1/2 塩 小さじ1/2
[作り方]
- エビは背ワタをとり、殻をむき、Aの調味料で下味をつけ、卵白で膜を作り、さいごに片栗粉をまぶし、油通しをする。
- インゲンは斜めに薄く切り、中華鍋に油を熱し、炒めたあとBを加え、ふたをして火を通し、湯を切る。
- 日本葱は、小口切りにする。
- 中華鍋に油を熱し、日本葱を炒め、1、2を軽く炒め、Cで手早く味付けして仕上げる。
ポイントはここ
- エビの下味付けは、Aの調味料を加えて、手でよくもみ込みます。その下味が逃げないように卵白を加えて、さらに手でもみ、膜を作ります。
さいごに片栗粉をまぶして、さらに膜を作り、120〜130℃の油で油通しをします。(「イカのミルク炒め」「梅子肉糸」「魚香鶏片」を参照)
下味付け 油通し 油をよく切る
- インゲンのほかにニンニクの茎、チンゲン菜なども、茹(ゆ)でないで炒めて、塩の熱湯でやわらかく煮る方法がつかえます。湯を沸かして茹でてから、炒めるより短時間でできます。
塩と熱湯を入れる ボールでふた 湯をよく切る
- エビもインゲンも火が通っていますので、手早く炒めて味付けをして仕上げます。
ちょっと一言
- 汁気もほとんどなく、さっぱりとした夏向きの料理です。
- 全卵1個と卵黄を、中国風の炒り卵にして取り出しておき、エビ、インゲンを炒めたあと戻して、いっしょに味付けしてみてはいかが?(「豚肉とグリンピースの炒め物」参照)
- インゲンの替わりに、冷凍のグリンピースをつかうと、一年中いつでもおいしく仕上げられます。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み |
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■苦労は買ってでも“人間の苦味を感じる遺伝子が、急速に退化している。”「総合大学院大学」の研究グループが突き止めたそうです。
人類には苦味を感じる遺伝子が25個、機能を失った遺伝子が11個ある。おなじようにゴリラ、チンパンジーなどの霊長類を調べたところ、機能を失った遺伝子は人類より少なかった。しかも、1個の苦味遺伝子が機能を失うのに、霊長類では平均で約780万年かかるところ、人類は約200万年と3.9倍のスピードだそうです。その原因は、発達した人類の脳が、口に入れなくても毒を見分けられるように学習してきたから。そういうのです。動物は苦味を好みません。「苦い」という感覚は、おいしくないというだけでなく、「毒を体内に取り入れないように備えられた」とても重要な機能です。苦いものを食べたら、口から吐き出します。苦味にうま味を見い出して喜んでいるのは、人間ぐらいのものかもしれません。
私たち、いえ、私が苦いと感じるものを挙げるとすれば(ザッとですが)、フキノトウ、ゴーヤ、サンマのはらわた、菊の葉・花、サザエのワタ…。苦い感覚は、たぶんに個人差があります。年齢によってもことなります。
個人差からいえば、人によっては、クレソンの辛さも苦いと感じるかもしれません。フグのしびれもそうだし、渋柿も苦いと思うでしょう。そこに境界線を引くのは微妙です。ワインやお酒だって、苦いという人がいます。私など、2杯目のビールはまさにそれです。砂糖・塩ですら、多すぎると苦いですよね。
また、子供は嫌いのものはすべて「苦い」と片付けてしまうところがあります。コーヒーもお茶も、ネギやピーマンも一様に「にがいっ!」といって受けつけない。これからすると、苦味にうま味を感ずるのは、ある程度年齢が上がってからのようです。ということは、経験と知能が関係あるのかもしれません。
“味覚の感度は若い女性が一番”という調査結果が、最近、佐賀大学から出されました。「甘味、塩味、酸味、苦味を認知する感度は4つすべて女性が上回り、年齢が若いほど感度が高い」のだそうです。ただし、調査対象となったのは20〜70代の815人。感覚の鋭さからいえば、年少の子供のほうが上を行きそうですが、4つをちゃんと認知できるかどうか疑問なのでしょう。味覚は感覚のほかに、識別できる能力がべつに要るということかもしれません。
苦いと感じる機能は、体内に毒を入れないためのセンサーだそうです。生命を脅かすものかどうか、舌触りによって判断する。そのマイナス要因の筆頭が「苦味」というわけです。この程度のことは、犬でも猫でもおなじです。苦いもの辛いものなど一度知ってしまえば、二度と口にしなくなります。学習能力はあるのです。
苦味を喜んでいるのは、人間ぐらいのもの? 霊長類だって、苦さの中に口にできる物を選別し、人間のようにうま味を感得できる能力を有しているように思います。人間のちがうところは、他の霊長類がもっぱら自分の舌と感覚に頼っているのにたいして、道具や機械をつくり、自分がいちいち口に入れなくても毒であることを判定してくれる、いわば身代わり(分身)を立てて、毒に対する防御をさらに一層徹底させていることです。遺伝子退化のスピード差は当然でしょう。
人間は「苦味」という生理的機能のほかに、どうやら精神的な苦味=苦しみに対処する機能をも退化へと向かわしめている気がしてなりません。俗に、人生経験豊富な人物をとらえて、“酸いも甘いもかみ分けた○○さん”と称します。この中に「苦さ」は入っていません。苦さは、苦労・失敗・挫折に置き換えられそうです。おそらく「酸い」に内包され、そのもっともたるものでしょう。
“苦労は買ってでも”とよくいわれます。経済的な苦労(昔のような深刻な貧しさ)は、今日の豊かな日本ではざらに転がっていません。でも、ほかに「苦さ」はいっぱいあります。それを自らが経験して身につける。身代わりや分身はきかないからです。そしてこれも諺にある通り、若いときほどよろしいようです。
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